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週刊 お奨め本
2011年4月3日発行 第440号
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『錨を上げよ (上・下)』 百田尚樹
(上)¥1,900+税 講談社 2010/11/30発行
ISBN978-4-06-216700-0
(下)¥1,900+税 講談社 2010/11/30発行
ISBN978-4-06-216701-7
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四月になりました。
発行人の地域では桜のつぼみが膨らみ始め、めっきり春めいてまいりましたが、被災地ではまだ季節を楽しむどころではないのでしょうね。
一日も早く、皆さんが日々の暮らしに戻れますことを祈ります。
今日のオススメは、講談社100周年書き下ろし作品、百田尚樹の『錨を上げよ』。
上下巻あわせて1200ページという、ちょっと怯んでしまう迫力の厚みです。
しかしそこで伸ばした手を引っ込めてはいけない!
怯まず進むのだ、この小説の主人公、作田又三のように!
作田又三。
昭和三十年、大阪に生まれる。
終戦から十年、大阪下町のしたたかな庶民にとっては戦争の感傷などお呼びでないものになってはいたものの、それでもまだ戦争の傷跡が街のそこここに残っていた時代。
早産で生まれ、産婆に「三つまで生きないだろう」と言われて又三と名付けられるが、しぶとく育ち、近所で評判の悪ガキとなった。
勉強嫌い、学校嫌いで、とうぜん成績は悪く、教師の受けは悪い。付き合う友人は不良ばかり。
人生の落伍者への道まっしぐら…。
しかし待て。
人生とはなんぞや。
正しい人生とは、正しい生き方とは、なんなのか。
いやそれ以前に、自分にはどんな生き方ができるというのか。
決して波風立てたいわけではない。
愛する女に愛されたい。女を守るために、家族を養うために身を粉にして働く。
求めていいるのは畢竟それだけだというのに、思うに任せない。
女は己を愛さない。
愛した女は去っていく。
とことんのめりこめる仕事もない。
必死の独学で入学した大学でも学問に取り組めない。
風来坊の血が騒ぐ。
錨を下ろすべき港を求め、又三はさまよう。
人生に吹き荒れる嵐に立ち向かい、今日も錨を上げるのだ。…
昭和三十年の誕生から、時代風物を背景に又三の人生が丹念に綴られる。
同時代を生きた世代には特に、たまんないんじゃないかなあ。
高度経済成長、大阪万博、学園闘争、赤軍派、田中角栄、北方領土問題、etc…
発行人は、どちらかというと短編より長編好きです。細部の書き込みがしっかりしている小説、大好物。
だからこの小説も実に読み甲斐があった!
しかし読み甲斐ありすぎて読むのにすごく時間かかった!
主人公の又三が、またねー。
読んでて「バカかおまえはっ」と叫びたくなるシーン数知れず(爆)。
なんでそうなんるんだ、なんでそっち行くんだ、なんでそんな女に惚れるんだ!
しかし人生なんてそんなものなのかもしれない。
思い通りに計画通りになんていくものか。
自分で進みたいと決めた道から、思わず知らず逸れていく。
いや、自分から飛び降りる。
新しい道を求めて突っ走る。
ままならぬ人生に、諦めを知らない男が、がむしゃらに突き進む。
おもしろい!
小説を読む楽しさ、ここにあり!
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http://www.mag2.com/m/0000099780.html
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(下)¥1,900+税 講談社 2010/11/30発行
ISBN978-4-06-216701-7
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四月になりました。
発行人の地域では桜のつぼみが膨らみ始め、めっきり春めいてまいりましたが、被災地ではまだ季節を楽しむどころではないのでしょうね。
一日も早く、皆さんが日々の暮らしに戻れますことを祈ります。
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上下巻あわせて1200ページという、ちょっと怯んでしまう迫力の厚みです。
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作田又三。
昭和三十年、大阪に生まれる。
終戦から十年、大阪下町のしたたかな庶民にとっては戦争の感傷などお呼びでないものになってはいたものの、それでもまだ戦争の傷跡が街のそこここに残っていた時代。
早産で生まれ、産婆に「三つまで生きないだろう」と言われて又三と名付けられるが、しぶとく育ち、近所で評判の悪ガキとなった。
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いやそれ以前に、自分にはどんな生き方ができるというのか。
決して波風立てたいわけではない。
愛する女に愛されたい。女を守るために、家族を養うために身を粉にして働く。
求めていいるのは畢竟それだけだというのに、思うに任せない。
女は己を愛さない。
愛した女は去っていく。
とことんのめりこめる仕事もない。
必死の独学で入学した大学でも学問に取り組めない。
風来坊の血が騒ぐ。
錨を下ろすべき港を求め、又三はさまよう。
人生に吹き荒れる嵐に立ち向かい、今日も錨を上げるのだ。…
昭和三十年の誕生から、時代風物を背景に又三の人生が丹念に綴られる。
同時代を生きた世代には特に、たまんないんじゃないかなあ。
高度経済成長、大阪万博、学園闘争、赤軍派、田中角栄、北方領土問題、etc…
発行人は、どちらかというと短編より長編好きです。細部の書き込みがしっかりしている小説、大好物。
だからこの小説も実に読み甲斐があった!
しかし読み甲斐ありすぎて読むのにすごく時間かかった!
主人公の又三が、またねー。
読んでて「バカかおまえはっ」と叫びたくなるシーン数知れず(爆)。
なんでそうなんるんだ、なんでそっち行くんだ、なんでそんな女に惚れるんだ!
しかし人生なんてそんなものなのかもしれない。
思い通りに計画通りになんていくものか。
自分で進みたいと決めた道から、思わず知らず逸れていく。
いや、自分から飛び降りる。
新しい道を求めて突っ走る。
ままならぬ人生に、諦めを知らない男が、がむしゃらに突き進む。
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