「Exercises for the Feynman Lectures on Physics」
内容
Combined into one volume for the first time, the clarified and modernized Exercises for the Feynman Lectures on Physics provides a comprehensive, hands-on introduction to all the most important topics in physics?from the conservation of energy through the theory of gravitation and the laws of thermodynamics. A perfect complement to the Feynman Lectures on Physics, these exercises give students a chance to apply what they have learned and reinforce the concepts taught by the inimitable Richard Feynman.
著者について
The late Richard P. Feynman was Richard Chace Tolman Professor of Theoretical Physics at the California Institute of Technology. He was awarded the 1965 Nobel Prize for his work on the development of quantum field theory. He was also one of the most famous and beloved figures of the twentieth century, both in physics and as a public intellectual.
Exercises for The Feynman Lectures on Physics is edited by Michael A. Gottlieb and Rudlf Pfeiffer, publishers of the online edition of FLP at the Feynman Lectures Websites.
ファインマン物理学の演習問題集(英語版)は教科書とは別の本として1964年に出版された。しかしこの本は絶版状態で長い間入手できなかったのだが、新版としてようやく発売された。
「日本語版のファインマン物理学の教科書(全5巻)」の各巻末には、物理現象や物理法則の深い意味や解釈を問いかける演習問題が挿入されている。これは別冊として発売された演習問題集を各巻末に分けて翻訳し、挿入したものだ。しかし残念ながら教科書に解答集はつけられていない。本書は待ちに待った「50年ぶりの演習問題&解答集」ということで、1964年に出版された英語版に対するエラー修正もなされている。
1961年から1963年にかけて行われたファインマン先生の講義は教科書を使わずに行われた。その代わりに講義を受講した学生や先生によって講義資料が急ピッチで作成された。この貴重な資料は現在ネット公開されていて、講義の要約、実験の手順、実験の説明、宿題、試験やクイズから構成されている。宿題や試験の解答は含まれていない。今回発売された演習問題集のルーツはこれらの資料ということになる。
The Feynman Lectures on Physics - Original Course Handouts
http://www.feynmanlectures.info/FLP_Original_Course_Notes/
この演習問題集もおそらく日本語に翻訳されることになるのだろうが、それまで待てない方、英語でも全く問題ありません!という方がお買い求めになるのは「今でしょ!」ということなのだ。
「Exercises for the Feynman Lectures on Physics」
--------------------------------
2017年4月に追記: 待望の日本語版が発売された。
発売情報: ファインマン物理学 問題集 1、2
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/39bf04d9f360ce6359561126a4d7c01a
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教科書のほうはオンライン版が無料公開されているほか、ハードカバー版とペーパーバック版が販売されている。
オンライン版:
The Feynman Lectures on Physics (カリフォルニア工科大学のサイト)
http://www.feynmanlectures.caltech.edu/
The Feynman Lectures on Physics (「Read」というメニューから読めます。)
http://www.feynmanlectures.info/
ハードカバー版:
「The Feynman Lectures on Physics, boxed set: The New Millennium Edition」
ペーパーバック版:
「Feynman Lectures on Physics: Mainly Mechanics, Radiation, and Heat v. 1」
「Feynman Lectures on Physics: Mainly Electromagnetism and Matter v. 2」
「Feynman Lectures on Physics: Quantum Mechanics v. 3」
各巻の内容
Volume I: Mainly mechanics, radiation, and heat
物理学という学問の位置付けを解説した後、エネルギーの話からはじめて剛体まで力学全般を扱う。その中で微積分とベクトルの説明があり、特殊相対論も紹介される。続いて光学、熱力学、統計力学と進むが、途中で各分野を横断する概念として振動、波動、線形系などが説明される。また二重スリット実験を題材に量子力学を紹介している。I-5とI-6はファインマンの不在中にサンズが代わって行った講義でファインマンの講義の流れを邪魔しないように補足的なトピックが選ばれている。
Volume II: Mainly electromagnetism and matter
静電気学から電磁波の輻射まで標準的な電磁気学のトピックがほぼ完全に含まれ、更に特殊相対論、物理光学、ローレンツの電子論による物性論が扱われる。途中でファインマンの口調を多く残した形で最小作用の原理の特別講義の章が入る。そのほかに連続体力学として弾性体と流体力学を取り上げ、最後に一般相対論が簡単に紹介される。この巻ではベクトル解析とテンソルが導入される。また、境界値問題など高度な数学が必要なトピックでは計算過程を省略して結果だけが紹介される。
Volume III: Quantum mechanics
この巻はシュレディンガー方程式を解かなくても議論ができる量子力学的に単純な系の議論を中心にした量子力学入門である。Volume I の二重スリット実験の章(I-37, I-38)を再収録し、更に議論を進めて状態ベクトルと確率振幅が導入される。それ以後は一貫してブラ-ケット記法が使われる。これに続きスピン、二状態系(英語版)、結晶格子内の電子の伝播、角運動量を扱い、最後は水素原子のシュレディンガー方程式とその解の紹介である。更にそのあとに番外編として「古典的状況のもとでのシュレディンガー方程式」の章が置かれている。
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関連記事:
ファインマン物理学: 英語版とフランス語版
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/1dbcd1e1b02616ef1363ced99a912072
ファインマン物理学(英語版)が全巻ネット公開されました。
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/e94dd49d7d8cc395e29d37927e30173d
The Feynman Lectures on Physics: The New Millennium Edition
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/cb58141ade509fb63952d49ef57c70c7
発売情報: フランス語版「ファインマン物理学」の新版
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/daf630deb00e6c315897d6f47ba3dd5a
ファインマン先生の自伝本と講演本
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/9bf47cf51085c74caf34a11068a17285
聞かせてよ、ファインマンさん: R.P.ファインマン
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/2827c20dbc070aaf205d8375d8ec3cee
ファインマンさんは超天才: C.サイクス
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/a24a4abb37c19dfd9118c8ea63de649d
ファインマンさんの流儀:ローレンス M.クラウス著、吉田三知世訳
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/9ec9faa4bd78881bd1986bf7773cc390
ファインマンの経路積分に入門しよう!
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/0f47de5854daf4eb38339a73791544a8
量子力学と経路積分:R.P.ファインマン、A.R.ヒッブス
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/2b9d934a542cf04be54cbede8b16ecde
ファインマン計算機科学:ファインマン, A.ヘイ, R.アレン
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/4f7f453019fd463ed2bfdeaa7b288d79
内容
Combined into one volume for the first time, the clarified and modernized Exercises for the Feynman Lectures on Physics provides a comprehensive, hands-on introduction to all the most important topics in physics?from the conservation of energy through the theory of gravitation and the laws of thermodynamics. A perfect complement to the Feynman Lectures on Physics, these exercises give students a chance to apply what they have learned and reinforce the concepts taught by the inimitable Richard Feynman.
著者について
The late Richard P. Feynman was Richard Chace Tolman Professor of Theoretical Physics at the California Institute of Technology. He was awarded the 1965 Nobel Prize for his work on the development of quantum field theory. He was also one of the most famous and beloved figures of the twentieth century, both in physics and as a public intellectual.
Exercises for The Feynman Lectures on Physics is edited by Michael A. Gottlieb and Rudlf Pfeiffer, publishers of the online edition of FLP at the Feynman Lectures Websites.
ファインマン物理学の演習問題集(英語版)は教科書とは別の本として1964年に出版された。しかしこの本は絶版状態で長い間入手できなかったのだが、新版としてようやく発売された。
「日本語版のファインマン物理学の教科書(全5巻)」の各巻末には、物理現象や物理法則の深い意味や解釈を問いかける演習問題が挿入されている。これは別冊として発売された演習問題集を各巻末に分けて翻訳し、挿入したものだ。しかし残念ながら教科書に解答集はつけられていない。本書は待ちに待った「50年ぶりの演習問題&解答集」ということで、1964年に出版された英語版に対するエラー修正もなされている。
1961年から1963年にかけて行われたファインマン先生の講義は教科書を使わずに行われた。その代わりに講義を受講した学生や先生によって講義資料が急ピッチで作成された。この貴重な資料は現在ネット公開されていて、講義の要約、実験の手順、実験の説明、宿題、試験やクイズから構成されている。宿題や試験の解答は含まれていない。今回発売された演習問題集のルーツはこれらの資料ということになる。
The Feynman Lectures on Physics - Original Course Handouts
http://www.feynmanlectures.info/FLP_Original_Course_Notes/
この演習問題集もおそらく日本語に翻訳されることになるのだろうが、それまで待てない方、英語でも全く問題ありません!という方がお買い求めになるのは「今でしょ!」ということなのだ。
「Exercises for the Feynman Lectures on Physics」
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2017年4月に追記: 待望の日本語版が発売された。
発売情報: ファインマン物理学 問題集 1、2
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/39bf04d9f360ce6359561126a4d7c01a
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教科書のほうはオンライン版が無料公開されているほか、ハードカバー版とペーパーバック版が販売されている。
オンライン版:
The Feynman Lectures on Physics (カリフォルニア工科大学のサイト)
http://www.feynmanlectures.caltech.edu/
The Feynman Lectures on Physics (「Read」というメニューから読めます。)
http://www.feynmanlectures.info/
ハードカバー版:
「The Feynman Lectures on Physics, boxed set: The New Millennium Edition」
ペーパーバック版:
「Feynman Lectures on Physics: Mainly Mechanics, Radiation, and Heat v. 1」
「Feynman Lectures on Physics: Mainly Electromagnetism and Matter v. 2」
「Feynman Lectures on Physics: Quantum Mechanics v. 3」
各巻の内容
Volume I: Mainly mechanics, radiation, and heat
物理学という学問の位置付けを解説した後、エネルギーの話からはじめて剛体まで力学全般を扱う。その中で微積分とベクトルの説明があり、特殊相対論も紹介される。続いて光学、熱力学、統計力学と進むが、途中で各分野を横断する概念として振動、波動、線形系などが説明される。また二重スリット実験を題材に量子力学を紹介している。I-5とI-6はファインマンの不在中にサンズが代わって行った講義でファインマンの講義の流れを邪魔しないように補足的なトピックが選ばれている。
Volume II: Mainly electromagnetism and matter
静電気学から電磁波の輻射まで標準的な電磁気学のトピックがほぼ完全に含まれ、更に特殊相対論、物理光学、ローレンツの電子論による物性論が扱われる。途中でファインマンの口調を多く残した形で最小作用の原理の特別講義の章が入る。そのほかに連続体力学として弾性体と流体力学を取り上げ、最後に一般相対論が簡単に紹介される。この巻ではベクトル解析とテンソルが導入される。また、境界値問題など高度な数学が必要なトピックでは計算過程を省略して結果だけが紹介される。
Volume III: Quantum mechanics
この巻はシュレディンガー方程式を解かなくても議論ができる量子力学的に単純な系の議論を中心にした量子力学入門である。Volume I の二重スリット実験の章(I-37, I-38)を再収録し、更に議論を進めて状態ベクトルと確率振幅が導入される。それ以後は一貫してブラ-ケット記法が使われる。これに続きスピン、二状態系(英語版)、結晶格子内の電子の伝播、角運動量を扱い、最後は水素原子のシュレディンガー方程式とその解の紹介である。更にそのあとに番外編として「古典的状況のもとでのシュレディンガー方程式」の章が置かれている。
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ファインマン物理学: 英語版とフランス語版
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/1dbcd1e1b02616ef1363ced99a912072
ファインマン物理学(英語版)が全巻ネット公開されました。
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/e94dd49d7d8cc395e29d37927e30173d
The Feynman Lectures on Physics: The New Millennium Edition
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/cb58141ade509fb63952d49ef57c70c7
発売情報: フランス語版「ファインマン物理学」の新版
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/daf630deb00e6c315897d6f47ba3dd5a
ファインマン先生の自伝本と講演本
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/9bf47cf51085c74caf34a11068a17285
聞かせてよ、ファインマンさん: R.P.ファインマン
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/2827c20dbc070aaf205d8375d8ec3cee
ファインマンさんは超天才: C.サイクス
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/a24a4abb37c19dfd9118c8ea63de649d
ファインマンさんの流儀:ローレンス M.クラウス著、吉田三知世訳
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/9ec9faa4bd78881bd1986bf7773cc390
ファインマンの経路積分に入門しよう!
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/0f47de5854daf4eb38339a73791544a8
量子力学と経路積分:R.P.ファインマン、A.R.ヒッブス
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/2b9d934a542cf04be54cbede8b16ecde
ファインマン計算機科学:ファインマン, A.ヘイ, R.アレン
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/4f7f453019fd463ed2bfdeaa7b288d79
はじめまして。
日仏ソーシャルサイトというのはよさそうですね。社会人になると語学学校に通う時間はほとんどなくなりますから、仕事で忙しいけれども勉強は続けたい、フランス人と交流したいという人にはうってつけだと思います。
僕は将来理論物理学者になりたいのですが、それに繋がるような勉強がしたいです。講談社の基礎物理学シリーズを知り合いがやっていたのですが、僕はファインマン物理学をやってみたいのですがまだ高校生には早いでしょうか?また、理論物理学に必要な線形代数や解析力学は何年程度で習得可能でしょうか?
長文すいませんでした
コメントいただきありがとうございます。
ファインマン物理学もお勧めですが、高校3年生までの知識だと日本語版の第1巻と第2巻くらいまでは読めると思います。第3巻以降はかなりきついと思いますよ。
大学の物理や数学へつながる勉強ということであれば、次の記事に書いたものがお勧めです。
高校生にお勧めする30冊の物理学、数学書籍
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/f79ac08392742c60193081800ea718e7
特に数学では「大村平先生」が書いた本がお勧めです。「数学ガールシリーズ」は数学方面に進もうとされている人にはお勧めですが、物理のほうで役立ちそうなのは「ガロア理論」の本でしょうか。でも群論が物理学で役立つのは素粒子物理学などかなり先へ行ってからの話です。
あと、線形代数やベクトル解析は教科書で学ぶのもひとつの方法ですが、僕としては「EMANの物理学」の中の「物理数学」、「力学」、「電磁気学」あたりをお勧めします。
EMANの物理学
http://homepage2.nifty.com/eman/
あせらず、楽しみながらじっくり続けることが長い目でよい結果をもたらします。
ひとつお答えするのを忘れていました。
> 理論物理学に必要な線形代数や解析力学は何年程度で習得可能でしょうか?
線形代数は数学科でも物理学科でも大学1年間をかけて学びます。どの教科書を選ぶかによりますが、線形代数だけを集中して学ぶのであれば2ヶ月くらいでマスターできるでしょう。
解析力学は物理学の分野です。これも大学では1年かけて学びます。集中して学べば2ヶ月といったところでしょうか。
大学で学ぶ内容には名前が似ているのがありますから高校生にとっては紛らわしいです。以下の記事を呼んで違いを理解しておくとよいでしょう。たとえば「解析学」、「関数解析」、「解析力学」、「ベクトル解析」はそれぞれ違う分野です。
大学で学ぶ数学とは(概要編)
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/07137c47d16d95ddde8f5c4cb6f37d55
大学で学ぶ数学とは(実用数学編)
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/975ad3faa2f6fd558b48c76513466945
ファインマン物理学 問題集(1)(2) 4月11日刊 岩波書店
いえ、知りませんでした。教えていただきありがとうございました。
ネット上には日本語版の情報がまだないようですので、表紙のデザインも含めてアマゾンに掲載されてから発売情報として紹介させていただくことにしますね。