とね日記

理数系ネタ、パソコン、フランス語の話が中心。
量子テレポーテーションや超弦理論の理解を目指して勉強を続けています!

発売情報:素粒子論のランドスケープ2、数学ガール/ポアンカレ予想

2018年04月15日 13時01分15秒 | 物理学、数学


読みたい本の刊行が目白押しである。今回紹介する2冊は、どちらも「ひろしさん」がお書きになった物理学書と数学書だ。そして2冊に共通しているのが「トポロジー(位相幾何学)」である。


素粒子論のランドスケープ2:大栗博司

内容紹介:
2012年出版『素粒子論のランドスケープ』の続編。
その後、50年前に予言されたヒッグス粒子が発見され、100年前に予言された重力波が直接観測されて宇宙に新しい窓が開いた。
超弦理論の研究でも、量子情報理論との深い関係が明らかになりつつあり重力の謎の解明に新しい角度からの挑戦が始まっている。
その間、著者が科学的アウトリーチの一環として雑誌への寄稿や対談・座談会の中から厳選をしてまとめたのが本書である。
素粒子物理学はどこへ向かうのかを探る。
2018年4月18日刊行、339ページ。

著者について:
大栗博司(おおぐりひろし):ホームページ: http://ooguri.caltech.edu/japanese
カリフォルニア工科大学ウォルター・バーク理論物理学研究所所長、フレッド・カブリ冠教授、数学・物理・天文部門副部門長。東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構主任研究員も務める。1962年生まれ。京都大学理学部卒、東京大学理学博士。東京大学助手、プリンストン高等研究所研究員、シカゴ大学助教授、京都大学助教授、カリフォルニア大学バークレイ校教授などを歴任。専門は素粒子論。2008年アイゼンバッド賞(アメリカ数学会)、高木レクチャー(日本数学会)、09年フンボルト賞、仁科記念賞、12年サイモンズ研究賞授賞。アスペン物理学センター理事、アメリカ数学会フェロー。著書に『重力とは何か』『強い力と弱い力』(ともに幻冬舎新書)、『大栗先生の超弦理論入門』(ブルーバックス、講談社科学出版賞受賞)、『素粒子論のランドスケープ』(数学書房)、『数学の言葉で世界を見たら』、『マンガでわかる超ひも理論』(監修、サイエンス・アイ新書)がある。


2012年に刊行した「素粒子論のランドスケープ」(紹介記事)の続編。発売開始前なのだが、著者の大栗先生からありがたいことにお送りいただいたので、さっそく読み始めたところだ。大栗先生、ありがとうございました。読後に感想記事を書かせていただきます。

前著以来、素粒子物理学、超弦理論など最先端の物理学で発展、議論されたことがらを科学雑誌や専門誌に先生が寄稿された記事、対談などをまとめた本である。一般の方でも容易に読める記事には星ひとつ、物理学書を読みなれている方に向けた記事には星ふたつがつけられている。(記事につけられた星の数は面白いか、面白くないかという区別ではない。)

まだ読み終えていないのだが、「エドワード・ウィッテン京都賞受賞記念座談会:超弦理論の過去20年を振り返る」という物理学者2人+数学者2人による対談記事は、相当難しくて全部理解できる人はほとんどいないというレベルなのだが、最先端の研究のキーワードが目白押しなので、興奮すること間違いなしだ。目次は次のとおり。

第I部 重力と超弦理論を語る
超弦理論が予言する驚異の宇宙
ブラックホールに落ちるとどうなるか?
重力とは何か
大江健三郎、三浦雅士、原広司との座談会:空間象の変革に向けて
一般相対論と量子力学の統合に向けて
重力理論と量子もつれ
誤り訂正符号とAdS/CFTの関係
エドワード・ウィッテン京都賞受賞記念座談会:超弦理論の過去20年を振り返る

第II部 重力波の観測

アインシュタインの予言が実証されるか
重力波の直接観測で宇宙の新しい窓が開いた
重力波の直接観測3つの意義
三浦雅士との対談:世界の見方を変える

第III部 ヒッグス粒子と対称性の自発的破れ
ヒッグス粒子とみられる新粒子ついに「発見」
ヒッグス粒子と対称性の自発的破れ
追悼 南部陽一郎博士
ヒッグス粒子発見の次に来るもの

第IV部 数学との関係
場の量子論
役に立たない研究の効能
杉山明日香との対談:科学を知れば,もっと豊かになれる

第V部 研究所の運営,異分野との交流
アスペン物理学センター
P.ゴダード、村山斉との鼎談:研究所の役割、数学と物理学の関係
落合陽一、四方幸子との鼎談:アートとサイエンスの可能性

第VI部 朝日新聞WEBRONZA
ついに太陽系脱出ボイジャー 36年の強運
内側から見た米国の大学入試制度
「現在の基準で過去を裁く」ことの是非

お買い求めはこちらからどうぞ。

素粒子論のランドスケープ2:大栗博司」(紹介記事



大栗先生の著書はこちらから検索できるようにしておいた。

書籍版: Amazonで検索
Kindle版: Amazonで検索

大栗先生の著書の紹介記事はこちら。

素粒子論のランドスケープ:大栗博司
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/5201583450c82ac59cb4d71efe52b3d9

素粒子論のランドスケープ2:大栗博司
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/dda75ff673f068509d46027305389ee2

重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る:大栗博司
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/f63cdcd45ec542fa62d535b4cc715d69

強い力と弱い力:大栗博司
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/06c3fdc3ed4e0908c75e3d7f20dd7177

大栗先生の超弦理論入門:大栗博司
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/75dfba6307d01a5d522d174ea3e13863

数学の言葉で世界を見たら: 大栗博司
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/8ffea17402dcf34e5991b154acef39d9

真理の探究 仏教と宇宙物理学の対話: 佐々木閑、大栗博司
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/6df5d9f8790904322b7e4db5e688fb39


数学ガール/ポアンカレ予想:結城浩

内容紹介:
数学ガール、ポアンカレ予想に挑む!!
《ポアンカレ予想》は、20世紀の初頭にフランスの数学者アンリ・ポアンカレが提示した位相幾何学の問題であり、2000年にクレイ数学研究所が発表した7つの数学の難問(賞金100万ドルのミレニアム問題)の一つです。百年間、誰も証明できなかったこの問題が、 21世紀の初めにロシアのグリーシャ・ペレルマンによって証明されました。
本書は、ポアンカレ予想をテーマに、トポロジー(位相幾何学)、基本群、非ユークリッド幾何学、微分方程式、多様体、フーリエ展開などの数学的題材を解き明かしていきます。大学受験を迎えた「僕」の苦悩と数学ガールたちとの交流も軽やかに描かれます。
『数学ガール/ガロア理論』の刊行から6年。「数学ガール」ファンはもちろん、すべての数学愛好家に捧げる一冊です。
2018年4月14日刊行、416ページ。

著者について:
結城浩: ホームページ: http://www.hyuki.com/
1963年生まれ。プログラミング言語、デザインパターン、暗号、数学などの分野で入門書を執筆。
代表作は『数学ガール』シリーズ。
J.S.バッハの「フーガの技法」が大好きな、プロテスタントのクリスチャン。


昨日、書籍版と電子版が発売されたばかりということもあって、いま理系界でいちばん話題になっている本だ。数学ガールの「難しいほうのシリーズ」の刊行としては久しぶりなので、ある程度レベルの高い数学ファンにとってはうれしい限り。本書刊行のニュースを知ったときは、「あの超難解なポアンカレ予想を、どのように料理したら一般の数学ファンに解説できるのか?」と思ったものである。その証明は一流の数学者が何年もかけて行うほどのレベルだからだ。

目次を見ると「ポアンカレ予想」は第10章だけである。本書の大半はトポロジーや多様体の入門書のようである。ああ、よかった。これなら入門者でも読めるし、楽しそうだ。

▼内容構成
あなたへ
プロローグ
第1章 ケーニヒスベルクの橋
第2章 メビウスの帯、クラインの壺
第3章 テトラちゃんの近くで
第4章 非ユークリッド幾何学
第5章 多様体に飛び込んで
第6章 見えない形を捕まえる
第7章 微分方程式のぬくもり
第8章 驚異の定理
第9章 ひらめきと腕力
第10章 ポアンカレ予想
エピローグ
あとがき
参考文献と読書案内

お買い求めはこちらからどうぞ。

数学ガール/ポアンカレ予想:結城浩」(Kindle版




なお、既刊の「数学ガール」シリーズは、次のリンクで検索できる。より易しめの「秘密のノート」シリーズも含めてKindle版の何冊かは4月19日までAmazon半額キャンペーン対象になっているので、この機会を逃すのはもったいない。

書籍版: Amazonで検索
Kindle版: Amazonで検索

既刊の「数学ガール」シリーズの紹介記事は、次のページからたどれるようにしておいた。

数学ガール:結城浩
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/bb4f1447d41afcc8b46b85229296dd7a


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