「改訂版 行列とベクトルのはなし: 大村平」線形代数の基礎
内容紹介:
「あいつとはどうもベクトルが合わないんだよなぁ」などと言ったりします。このようにベクトルという言葉は日常的に使われます。
物理的な現象を数学的に取り扱うため誕生したベクトルという小道具は、非常に汎用性が高いため、自然科学・社会科学的な現象にも広く適用されている概念です。
本書は、ベクトルやより高度な概念である行列や行列式についてわかりやすく解説しています。授業や教科書では教えてもらえない学習者の「なぜ?」を大切にし、ベクトルと行列の意味と意義を深くイメージ豊かに理解させてくれます。
2015年2月刊行、243ページ。
著者について:
大村平(おおむらひとし): ウィキペディアの記事
工学博士。1930年秋田県に生まれる。1953年東京工業大学機械工学科卒業。防衛庁空幕技術部長、航空実験団司令、西部航空方面隊司令官、第18代航空幕僚長を歴任。1987年退官。その後、防衛庁技術研究本部技術顧問、お茶の水女子大学非常勤講師、日本電気株式会社顧問、(社)日本航空宇宙工業会顧問などを歴任。
大村先生の著書: Amazonで検索
理数系書籍のレビュー記事は本書で349冊目。
「大学で数学を専攻していたとねさんが、なぜいまさらベクトルと行列なの?」と言われそうである。これにはもちろんわけがある。
このところ家の近所の歯科に通院している。社会人になってからお世話になっているので、もう30年以上になるかもしれない。その間、ずっと同じ先生に治療をしていただいているわけだ。
先日、治療の合間に「趣味で物理や数学を勉強しているのです。」と先生に言ったところ、先生も科学教養書を読んだり、数学を勉強されていることがわかった。そして「でも高校時代は行列を学んでいないんですよね。」とおっしゃった。高校のカリキュラムで行列を教えるようになったのは、先生よりひとつ下の学年からだということだそうだ。ご自身で教科書を買って学んでも、どうもイメージがつかめないとおっしゃっていた。
確かに(旧課程で教えられていた)「数学Cの学習参考書」を買えば行列を学べるのだが、独学するには少しハードルが高い。そこで思いついたのが本書なのである。
先生はベクトルは意味や意義を理解できたものの、なぜ行列を使う必要があるのかがよくわからないという。行と列に数字を並べたものをなぜひと塊にして扱うのか、そしてそうすることによってどのようなメリットがあるのかがわからないのだという。そして「意味」はともかく「意義」については、教科書や学習参考書で説明されることはほとんどない。
その点、大村平先生の「~のはなし」シリーズは、数学の先生が語りかけるように文章で説明し、「なぜ学ぶのか?」という視点で書かれているから、初学者、独学者にはうってつけなのだ。僕もこれまで「関数のはなし、上下」と「微積分のはなし、上下」を読んで紹介記事を書いている。だから、理系の高校生向けに行列(線形代数)の入門書も紹介記事を書いておいたほうがよさそうだ。
このようなわけで(歯科の)先生に本書を買っていただき、僕のほうも同時購入して読んでみたのである。先生はいま「宇宙が始まる前には何があったのか?: ローレンス・クラウス」をお読みになっているので、読み終えてから本書に取り組まれるそうだ。
章立てはこのとおり。ベクトル、行列、行列式、ベクトルと行列の総がらみの順に進む。
第1章:あさってのベクトル
第2章:ベクトルの演算作法
第3章:ベクトルから行列へ
第4章:一次変換を退治する
第5章:行列から行列式へ
第6章:ベクトルと行列の総がらみ
線形代数は既習だから、さすがにベクトルあたりは知っていることばかりでつまらないだろうなと僕は覚悟して読み始めたのだが、予想に反して面白いのだ。大村先生の語り口や取り上げる例題に「味」があり、読者の知的好奇心を上手に引き出しているからだ。行列や行列式の解説はもちろん面白い。
「ああ、こうやって教えれば生徒に興味を持ってもらえるのだな。」と思った。高校の数学の先生に読んでもらいたい本である。
本書の雰囲気を知っていただくために見開きで2箇所ほど紹介しよう。画像クリックで拡大する。
ベクトルについて解説しているページ
行列式について解説しているページ
今回取り上げた「改訂版」が発売されたのは2015年だ。アマゾンに投稿された読者によるレビューもご確認ください。
「改訂版 行列とベクトルのはなし: 大村平」線形代数の基礎
本書は40年以上前から読み継がれている良書である。サイズもコンパクトでページ数も手ごろだ。改訂版の値段が高いと思われる方は以下のリンクから中古の旧版をお求めになるとよいだろう。
旧版から改訂版への変更点は「時代環境の変化などにより生じた不自然な箇所」だけなのだという。端的に言えば「バカチョン」や「ロンパリ」など1970年代にはふつうに使われていた差別用語などを訂正したわけである。あと例題に使われている野球選手の名前がサッカー選手に置き換えられている。学ぶ上では旧版でも全く問題は生じない。
「行列とベクトルのはなし: 大村平」(1978年)
「行列とベクトルのはなし: 大村平」(1978年)
なお、本書に書かれているのはベクトル、行列、6次までの行列式、一次変換あたりまで。応用例として取り上げられる「マルコフ過程」や「ホイートストン・ブリッジ」は行列の強みが生かされるところだ。固有値や固有ベクトル、トレース、ランク(階数)、シュミットの直交化法、行列の対角化などは含まれていない。
だから本書を読み終えたらぜひ「高校数学でわかる線形代数―行列の基礎から固有値まで:竹内淳」(Kindle版)(紹介記事)をお読みいただきたいのだ。大村先生の本と竹内先生の本は、ともに線形代数の入門書であるが、重複する箇所が少ない。だから両方読むことをお勧めする。
大村先生の本は「高校数学から大学数学への橋渡し」、竹内先生のは「高校数学を終えた人が大学の数学を容易に学ぶため」の本である。また、竹内先生の本では複素数を成分とする行列(複素行列)も解説されていて、行列が量子力学でどのように使われているかを学ぶことができる。
「高校数学でわかる線形代数―行列の基礎から固有値まで:竹内淳」(Kindle版)(紹介記事)
そしてこの2冊を学び終え、大学レベルの線形代数を本格的に学んでみたくなったら、「線形代数学入門のための教科書談義」という記事で紹介した本をお読みになるとよいだろう。
このページを見ると、本書の著者の大村先生は1986年から1987年にかけて航空幕僚長まで務めた方であることがわかる。「~のはなし」シリーズの初版(旧版)が刊行されたのは1970年代だ。航空幕僚長以前に防衛庁空幕技術部長、航空実験団司令、西部航空方面隊司令官などを歴任されているから、忙しいご公務の間にたくさんの本をよくお書きになれたものだなぁと、驚いてしまうのである。
関連記事:
改訂版 関数のはなし〈上〉:大村平
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/d36a9ff4f6196b3fead1b9b6ca4dcf1c
改訂版 関数のはなし〈下〉:大村平
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/e668159189be4b635f4d38c3bf252938
改訂版 微積分のはなし〈上〉:大村平
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/61b91ea9f2a66c66a33c507aa2c2d0c0
改訂版 微積分のはなし〈下〉:大村平
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/a42023dc1423f9bdf406723d76f81766
高校数学でわかる線形代数:竹内淳
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/622b94fbf39e086f13185565df9519aa
線形代数学入門のための教科書談義
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/9d2ac30c9f5f620ad703304d710ed90b
高校生にお勧めする30冊の物理学、数学書籍
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/f79ac08392742c60193081800ea718e7
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「改訂版 行列とベクトルのはなし: 大村平」線形代数の基礎
まえがき
第1章:あさってのベクトル
- 前口上
- 迷える子羊を追って
- 力を合わせて
- 速度と速さ―ベクトルとスカラー
- 成績のベクトル
- 空間のベクトル
- 4次元のベクトル
第2章:ベクトルの演算作法
- ベクトルは運び屋
- マイナス・ゼロ・イチのベクトル
- ベクトルのたし算
- ベクトルのひき算
- 生活費ベクトルの計算
- ベクトルxスカラー
- ベクトルxベクトル
- あさってのかけ算
- もうひとつのベクトルxベクトル
- 基本ベクトルという名の小道具
第3章:ベクトルから行列へ
- あんじょう、ちんじょう、そくじょう
- 行列のぞき見
- 珍案・立体行列
- 基礎的なはなし
- 行列のたし算、ひき算
- 行列xスカラー
- 行列x行列
- かけ算の意味を探る
- まとめて面倒みる
第4章:一次変換を退治する
- 鏡に写るわが姿
- 一次変換ということ
- ダブルの一次変換
- マルコフ過程のはなし
- 社会科学を背負う行列
- 行列のわり算
- 行きの切符と帰りの切符
第5章:行列から行列式へ
- 逆変換で連立方程式を解く
- 行列式の登場
- 行列式でつるかめ算を解く
- つるかめ算もどきを一蹴
- 行列式の性質さまざま
- あざやかな計算
- 行列式をばらせ
- 行列式のかけ算
- 仲良し三角関係
- ホイートストン・ブリッジの謎を解く
第6章:ベクトルと行列の総がらみ
- ベクトル女性教室
- 2つのベクトルが垂直になる条件
- 7点一致の物語り
- 単位ベクトルの独断場
- 一次変換のブラックホール
- 逆行列バンザイ
- 最後に
付録
- 原点を通る直線に対称な移動は一次変換である
- 逆行列であることの証
- 連立方程式が行列で解けるわけ
- 演算法則一覧表
内容紹介:
「あいつとはどうもベクトルが合わないんだよなぁ」などと言ったりします。このようにベクトルという言葉は日常的に使われます。
物理的な現象を数学的に取り扱うため誕生したベクトルという小道具は、非常に汎用性が高いため、自然科学・社会科学的な現象にも広く適用されている概念です。
本書は、ベクトルやより高度な概念である行列や行列式についてわかりやすく解説しています。授業や教科書では教えてもらえない学習者の「なぜ?」を大切にし、ベクトルと行列の意味と意義を深くイメージ豊かに理解させてくれます。
2015年2月刊行、243ページ。
著者について:
大村平(おおむらひとし): ウィキペディアの記事
工学博士。1930年秋田県に生まれる。1953年東京工業大学機械工学科卒業。防衛庁空幕技術部長、航空実験団司令、西部航空方面隊司令官、第18代航空幕僚長を歴任。1987年退官。その後、防衛庁技術研究本部技術顧問、お茶の水女子大学非常勤講師、日本電気株式会社顧問、(社)日本航空宇宙工業会顧問などを歴任。
大村先生の著書: Amazonで検索
理数系書籍のレビュー記事は本書で349冊目。
「大学で数学を専攻していたとねさんが、なぜいまさらベクトルと行列なの?」と言われそうである。これにはもちろんわけがある。
このところ家の近所の歯科に通院している。社会人になってからお世話になっているので、もう30年以上になるかもしれない。その間、ずっと同じ先生に治療をしていただいているわけだ。
先日、治療の合間に「趣味で物理や数学を勉強しているのです。」と先生に言ったところ、先生も科学教養書を読んだり、数学を勉強されていることがわかった。そして「でも高校時代は行列を学んでいないんですよね。」とおっしゃった。高校のカリキュラムで行列を教えるようになったのは、先生よりひとつ下の学年からだということだそうだ。ご自身で教科書を買って学んでも、どうもイメージがつかめないとおっしゃっていた。
確かに(旧課程で教えられていた)「数学Cの学習参考書」を買えば行列を学べるのだが、独学するには少しハードルが高い。そこで思いついたのが本書なのである。
先生はベクトルは意味や意義を理解できたものの、なぜ行列を使う必要があるのかがよくわからないという。行と列に数字を並べたものをなぜひと塊にして扱うのか、そしてそうすることによってどのようなメリットがあるのかがわからないのだという。そして「意味」はともかく「意義」については、教科書や学習参考書で説明されることはほとんどない。
その点、大村平先生の「~のはなし」シリーズは、数学の先生が語りかけるように文章で説明し、「なぜ学ぶのか?」という視点で書かれているから、初学者、独学者にはうってつけなのだ。僕もこれまで「関数のはなし、上下」と「微積分のはなし、上下」を読んで紹介記事を書いている。だから、理系の高校生向けに行列(線形代数)の入門書も紹介記事を書いておいたほうがよさそうだ。
このようなわけで(歯科の)先生に本書を買っていただき、僕のほうも同時購入して読んでみたのである。先生はいま「宇宙が始まる前には何があったのか?: ローレンス・クラウス」をお読みになっているので、読み終えてから本書に取り組まれるそうだ。
章立てはこのとおり。ベクトル、行列、行列式、ベクトルと行列の総がらみの順に進む。
第1章:あさってのベクトル
第2章:ベクトルの演算作法
第3章:ベクトルから行列へ
第4章:一次変換を退治する
第5章:行列から行列式へ
第6章:ベクトルと行列の総がらみ
線形代数は既習だから、さすがにベクトルあたりは知っていることばかりでつまらないだろうなと僕は覚悟して読み始めたのだが、予想に反して面白いのだ。大村先生の語り口や取り上げる例題に「味」があり、読者の知的好奇心を上手に引き出しているからだ。行列や行列式の解説はもちろん面白い。
「ああ、こうやって教えれば生徒に興味を持ってもらえるのだな。」と思った。高校の数学の先生に読んでもらいたい本である。
本書の雰囲気を知っていただくために見開きで2箇所ほど紹介しよう。画像クリックで拡大する。
ベクトルについて解説しているページ
行列式について解説しているページ
今回取り上げた「改訂版」が発売されたのは2015年だ。アマゾンに投稿された読者によるレビューもご確認ください。
「改訂版 行列とベクトルのはなし: 大村平」線形代数の基礎
本書は40年以上前から読み継がれている良書である。サイズもコンパクトでページ数も手ごろだ。改訂版の値段が高いと思われる方は以下のリンクから中古の旧版をお求めになるとよいだろう。
旧版から改訂版への変更点は「時代環境の変化などにより生じた不自然な箇所」だけなのだという。端的に言えば「バカチョン」や「ロンパリ」など1970年代にはふつうに使われていた差別用語などを訂正したわけである。あと例題に使われている野球選手の名前がサッカー選手に置き換えられている。学ぶ上では旧版でも全く問題は生じない。
「行列とベクトルのはなし: 大村平」(1978年)
「行列とベクトルのはなし: 大村平」(1978年)
なお、本書に書かれているのはベクトル、行列、6次までの行列式、一次変換あたりまで。応用例として取り上げられる「マルコフ過程」や「ホイートストン・ブリッジ」は行列の強みが生かされるところだ。固有値や固有ベクトル、トレース、ランク(階数)、シュミットの直交化法、行列の対角化などは含まれていない。
だから本書を読み終えたらぜひ「高校数学でわかる線形代数―行列の基礎から固有値まで:竹内淳」(Kindle版)(紹介記事)をお読みいただきたいのだ。大村先生の本と竹内先生の本は、ともに線形代数の入門書であるが、重複する箇所が少ない。だから両方読むことをお勧めする。
大村先生の本は「高校数学から大学数学への橋渡し」、竹内先生のは「高校数学を終えた人が大学の数学を容易に学ぶため」の本である。また、竹内先生の本では複素数を成分とする行列(複素行列)も解説されていて、行列が量子力学でどのように使われているかを学ぶことができる。
「高校数学でわかる線形代数―行列の基礎から固有値まで:竹内淳」(Kindle版)(紹介記事)
そしてこの2冊を学び終え、大学レベルの線形代数を本格的に学んでみたくなったら、「線形代数学入門のための教科書談義」という記事で紹介した本をお読みになるとよいだろう。
このページを見ると、本書の著者の大村先生は1986年から1987年にかけて航空幕僚長まで務めた方であることがわかる。「~のはなし」シリーズの初版(旧版)が刊行されたのは1970年代だ。航空幕僚長以前に防衛庁空幕技術部長、航空実験団司令、西部航空方面隊司令官などを歴任されているから、忙しいご公務の間にたくさんの本をよくお書きになれたものだなぁと、驚いてしまうのである。
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高校生にお勧めする30冊の物理学、数学書籍
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ブログ執筆のはげみになりますので、1つずつ応援クリックをお願いします。
「改訂版 行列とベクトルのはなし: 大村平」線形代数の基礎
まえがき
第1章:あさってのベクトル
- 前口上
- 迷える子羊を追って
- 力を合わせて
- 速度と速さ―ベクトルとスカラー
- 成績のベクトル
- 空間のベクトル
- 4次元のベクトル
第2章:ベクトルの演算作法
- ベクトルは運び屋
- マイナス・ゼロ・イチのベクトル
- ベクトルのたし算
- ベクトルのひき算
- 生活費ベクトルの計算
- ベクトルxスカラー
- ベクトルxベクトル
- あさってのかけ算
- もうひとつのベクトルxベクトル
- 基本ベクトルという名の小道具
第3章:ベクトルから行列へ
- あんじょう、ちんじょう、そくじょう
- 行列のぞき見
- 珍案・立体行列
- 基礎的なはなし
- 行列のたし算、ひき算
- 行列xスカラー
- 行列x行列
- かけ算の意味を探る
- まとめて面倒みる
第4章:一次変換を退治する
- 鏡に写るわが姿
- 一次変換ということ
- ダブルの一次変換
- マルコフ過程のはなし
- 社会科学を背負う行列
- 行列のわり算
- 行きの切符と帰りの切符
第5章:行列から行列式へ
- 逆変換で連立方程式を解く
- 行列式の登場
- 行列式でつるかめ算を解く
- つるかめ算もどきを一蹴
- 行列式の性質さまざま
- あざやかな計算
- 行列式をばらせ
- 行列式のかけ算
- 仲良し三角関係
- ホイートストン・ブリッジの謎を解く
第6章:ベクトルと行列の総がらみ
- ベクトル女性教室
- 2つのベクトルが垂直になる条件
- 7点一致の物語り
- 単位ベクトルの独断場
- 一次変換のブラックホール
- 逆行列バンザイ
- 最後に
付録
- 原点を通る直線に対称な移動は一次変換である
- 逆行列であることの証
- 連立方程式が行列で解けるわけ
- 演算法則一覧表