ひとつ前の記事で紹介した「Strings 2018」の締めくくりとして、この会議を組織された超弦理論研究の第一人者の大栗博司先生(@PlanckScale)と橋本幸士先生(@hashimotostring)が一般人向けの講演会と質疑応答、対談をしてくださった。この動画が公開されている。
動画の冒頭の数分は「待ち時間」、会場で映された日本科学未来館の「9次元からきた男」は非公開だから動画では「そのままお待ちください」の表示でずっと待たされる。各コーナーをすぐ見れるようにして、この記事に載せておくことにした。
超弦理論は宇宙の誕生の謎を解明するために最も有望視されている理論で、究極の統一理論(万物の理論)とも呼ばれている。1984年の第一革命、1995年の第二革命を経て、現在では世界中で数千人の理論物理学者と数学者が協力して活発に研究している分野だ。英語ではSuperstring TheoryやString Theory、日本語(一般用語)では超弦理論、超ひも理論、弦理論、ひも理論などと呼ばれている。
超弦理論が提唱するモデルを使えば、現在までに統一することができていない量子物理学(標準模型)と重力理論(一般相対性理論)を矛盾なく統一することができる。そしてこの理論が要求する空間は9次元となる。(縦横高さの3次元と6次元の余剰次元、超対称性を要求しない弦理論の空間は25次元)
「大栗先生の超弦理論入門」
「超ひも理論をパパに習ってみた: 橋本幸士」
橋本先生によると、専門用語としては英語ではString Theoryが最も多く使われ、超対称性の条件を課すときはSuperstring Theoryという語が使われるという。日本語では超弦理論、超ひも理論、弦理論、ひも理論が使われるのが普通だ。日本語は一般用語だから、いくつかの呼び方があってもよいというのが橋本先生のお考えだ。科学雑誌Newtonでは「超ひも理論」で統一されている。
さて、講演会、質疑応答、対談のところを頭出しした動画はこちらだ。頭出しのリンクが効かない方は、自分で再生開始位置を調整していただきたい。)
OISTの森田氏による挨拶と先生方の紹介: YouTubeで開く(開始から8分13秒)
大栗先生の講演「9次元からきた男とは何者か」: YouTubeで開く(開始から11分1秒)
内容は2016年に行なわれたこの動画とほぼ同じである。
質疑応答(大栗先生): YouTubeで開く(開始から1時間9分0秒)
OISTの森田氏による挨拶と橋本先生の紹介: YouTubeで開く(開始から1時間19分18秒)
橋本先生の講演: YouTubeで開く(開始から1時間20分45秒)
質疑応答(大栗先生): YouTubeで開く(開始から1時間45分46秒)
対談(大栗先生&橋本先生): YouTubeで開く(開始から1時間51分56秒)
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