とね日記

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The MacNeil/Lehrer NewsHour - June 9, 1986 (Richard Feynman interview)

2022年04月30日 20時50分26秒 | 物理学、数学

1986年1月28日、打ち上げから73秒後爆発し、乗組員7人全員が死亡したスペースシャトル チャレンジャー号の爆発事故に対し、事故原因の究明を行うため当時のレーガン大統領は、ロジャースを委員長とする事故調査委員会(通称ロジャース委員会)を1986年2月3日に立ち上げた。そして物理学者のファインマン先生も委員のひとりとして、事故原因の調査と報告書の作成に協力した。ところが、委員会初日から報告書提出の最終日まで、ファインマン先生はいくつもの抵抗や妨害を受けることになった。その詳細は「What Do You Care What Other People Think? (困ります、ファインマンさん)」という先生の自伝に書かれている。

ファインマン先生が書いた報告書は、本編には入れてもらえず、最終的にVolume II(第2分冊)の中に「付録F」として掲載された。そして「付録F」と報告書全体はネット上に公開されている。

Appendix F - Personal observations on the reliability of the Shuttle
by R. P. Feynman

付録F:(英語原文)(英語PDF)(Google翻訳による日本語訳

報告書総合Index:(英語原文)(Google翻訳による日本語訳

なお「付録F」の正確な日本語訳は「聞かせてよ、ファインマンさん: R.P.ファインマン」に掲載されている。


報告書は最終的に1988年6月6日(木)、レーガン大統領に提出され、翌週の6月9日(月)にメディアにも公開された。つまり、ようやく先生はこの件について自由に発言できるようになったのである。6月9日の夜、先生は当時の人気ニュース番組「マクニール・レーラー・ニュースアワー」に出演してインタビューを受けている。インターネットがない時代だから、報告書が公開されたといっても読む人は限られ、専門用語が多い新聞の解説記事を読んでも理解できない読者が多かった。番組で直接語ることで、先生はNASAが抱える組織的な問題を、アメリカ国民に訴えたのだ。(そして、後に自伝「困ります、ファインマンさん」を書いて将来にわたってそれを伝え続けるというNASAによる妨害が不可能な手段をとることになる。)

このニュース番組の枠は1時間であるが、先生がインタビューを受けている部分だけYouTubeに公開されている。幸い番組の内容をすべて文字に起こしたものが公開されているので、これをもとに先生のインタビューの部分だけ日本語に訳してみた。日本語訳の後に英語原文を載せておく。日本語訳を読みながら動画を見てほしい。先生がNASAという超巨大組織に対して委縮することなく、表情はにこやかだが、かなり辛辣な皮肉を使いながら巨大組織が抱える問題を暴露していたことがおわかりになるはずだ。

さらに、チャレンジャー号が事故を起こした当日のこの番組の動画(1時間)と文字におこしたページも見つけたので、それらもこの記事の最後に載せておく。

先生がインタビューを受けるシーンを頭出しした動画はこちらである。

The MacNeil/Lehrer NewsHour- June 9, 1986 (Richard Feynman interview):YouTubeで再生


番組の全スクリプト: (英語)(Google翻訳による日本語訳


The MacNeil/Lehrer NewsHour- June 9, 1986(日本語訳)

レーラー:ニュースメーカーのインタビューのためにお越しいただいたのは、大統領委員会の主要メンバーです。彼は、ノーベル賞を受賞したカリフォルニア工科大学の物理学者のリチャード・ファインマンです。ようこそ。これは起こる必要のない事故でしたか?

リチャード・ファインマン、ロジャース委員会:そうでした。 何かがおかしかったため警告が何度も出ていて、遅かれ早かれおきるかもしれないという事故でした。 そして、警告は無視されていました。

レーラー:無能さから、システムの欠陥から、判断の悪さからでしょうか?無視されたのはどのような理由からですか?

ファインマン博士:私はそれでいくらか困難を感じました。道路を走っている子供のようなもので、親がとても怒っていて、とても危険だと言っているのではないかと思います。そして子供は戻ってきて「でも何も起こらなかった」と言います。そして、彼は再び道路を何度も走り回り、親はそれが危険だと言い続けましたが、何も起こりません。何も起こらなかったという子供の見方が、何も起こらないということの手がかりとしてしまうのであれば、それはいずれ事故になるでしょう。ブレーキが数回鳴るのが聞こえました。それは - 漏れたガスがリングなどを通過していたからですが、「この新しいフライトはデータベース内にあります」というステートメントを何度も見ました。これは、以前は何も起こらなかったことを意味しています。これらはほぼ同じことです。以前にやったので、前回は大丈夫だったので、危険ではありませんということになります。そして、それは一種の幼稚な態度です - ここで(NASAや関連企業の)エ​​ンジニアが母親のことで、子供たちがNASAの幹部たちだということです。そのように私は考えます。そして私はあなたが何をおっしゃるかわかりませんが、遅かれ早かれ、子供はひかれてしまいうことになります。これは事故なのですか?いいえ、事故ではありません。

レーラー:それでも先生の任務、そしてあなたの委員長であるロジャース委員長が私たちが何をすべきだと言っているのを聞いたばかりです。つまり、私たちは誰かのせいにするためにここにいるのではありません。 なぜそれはだめなのでしょうか? なぜでしょうか?なぜ誰かが非難されないのでしょうか?

ファインマン博士:非難をどこに、そしてどのように向けるか、そしてそれが何か良い結果を生むかどうかはわかりません。 問題は、どのように子供(NASAの幹部たち)を教育するかということです。 問題は、あなたが子供を少し愚かであると非難すると言うことができるということなのです。 しかし、それは非常に困難です。 私は彼らがなぜこのような態度をとっているのか、そしてなぜ彼らが注意を払っていなかったのかを理解しようとしました。 いろいろな考えを試しましたが、最終的な原因はよくわかりません。

レーラー:先生のお考えとは何ですか?

ファインマン博士:ええと、2つの考え方がありますが、まずそのうちの1つを紹介します。人々 - 多くの人々は、無能がそのレベルに達するなど、(シャトルの)管理にはある種の考えがあると彼らは私に言います。しかし、私は別の考えを持っていましたが、それが正しいかどうかはわかりません。そして、それはまず、何ができるかについてあらゆる種類の誇張がなされたということです。つまり(1年間に)60回の打ち上げができるというのです。それにはそれほど費用がかからず、シャトルはすぐ再利用できるからだというのです。たしかに実際に問題は生じません。しかし、いちばん下層のエンジニアはおそらく悲鳴を上げることになります - これは私の想像ですが - 彼らは叫んでいました。「とんでもない!だめです!そんな方法はあり得ません。そんな方法はあり得ません。私たちは10回しか打ち上げられませんよ。1年間に多くの乗組員を訓練するのに十分な設備がありません」など。そして、米国議会と話している(NASAの)トップの人々はこのような話を聞きたくありません。したがって、彼らはこのような情報を組織の上層部に伝えるのをのを思いとどめます。ええ、それは彼らがアポロ計画でとても成功した直後でした。そしてその場合、彼らは自分たちができるよりも少しだけ難しいプロジェクトをやっていたので、彼らはそれを行うことができました。そして、彼らは1つの問題を解決するでしょう - 今 、これは私の想像ですが。私が想像しかできないのはそこにいなかったからです。誰かが「私たちはできる」と言ったのでしょう - 私たちはどのように宇宙服を作るつもりですか? そしてついに彼らはそれに対する解決策を得ました。彼らは興奮し、他の人に話します - 他の問題に取り組んでいる仲間は彼の問題の解決策を手に入れます。そして、興奮とモチベーションがあるので、相互コミュニケーションをとるようになります。けれども、-

レーラー:それは必ずしも悪いことではありませんよね?

ファインマン博士:ええ、悪いことではまったくありません。それがプロジェクトを動かすのですから。そしてそれがアポロ計画でうまく機能した理由です。しかし、彼らがこの他のプロジェクトにあてはめたとき、それはエンジニアリングの観点からいわば不可能なのです - それは非現実的なのです。彼らは何が起こるか聞きたくないのです。それ(ネガティブな情報)はただ(組織の上層に)上がっていくだけで、官僚機構の各レベルの人たちは何をすべきかを理解しています。(その情報を)他の人に知らせず保管するのです。彼らはそれを聞く必要はありません。彼らはそれを聞きたくないのです。彼らはそれを聞きたくありません。なぜなら、ちょうどその日の朝、それは不可能だと言われたとき、私たちが1年間に60回の打ち上げをすると言いに行き、それは無理だという話を聞くのは不愉快だからです。それが私の考えです。ご存知のように、私は物理学の教授で、マネジメントやや人間関係の教授ではないので、正しくない可能性が非常に高いです。けれども、あなたは私に私の考えをお尋ねになりました。

レーラー:公聴会の1つで、実際、それは最初の公聴会だったと思います。あなたはコップ一杯の水を取り、コップ一杯の水にゴム製の密閉用のパーツ(Oリングのミニチュア)を落とし、寒い天気は必ずしも良いとは限らないことをデモンストレーションしました。ゴムで密閉するためのパーツです。あなたは証明できましたか?コップの中であなたの理論は正しいことが証明されましたか?それが本当に密閉が悪くなった原因だと思いますか?温度が低過ぎたからですか?

ファインマン博士:それは - 可能性の1つ - 確かに可能性の1つでした。そのパーツの温度が下がると、そのデバイスでの使用環境(シャトル内)の温度が非常に悪い影響を与えることは間違いありません。自動車などで使用されているOリングは、一定のスペース、つまり必要なスペースが固定されていることで、トラブルをかなりの程度まで抑えることができています。したがって、Oリング回復力は重要ではなく、温度も重要ではありません。温度に敏感ではないのです。したがって、シール(密閉)に使用するOリングはは温度に敏感ではないと誰もが考えていました。しかし、この(シャトルでの)密閉のための使用方法では、(打ち上げ時に)物が爆発する圧力で動くと、リング間の隙間などが振動し、リングはそれに従って変形しなければなりません。そして、それが寒いときであれば、それはその振動に(リングの)変形がついていくことができません。ですから、それは間違いなく問題の原因の可能性があります。しかし、このことをよく調べてみると、シールの設計に関連する他の多くの問題が見つかり、穴を開けることができる種類のパテがあり、他の種類の問題があるかどうかについての問題がありました。

レーラー:理解しました。だからそれは物事の組み合わせかもしれませんね。

ファインマン博士:それが何であるかを正確に判断することができなかったので、それが温度だけであるとは言えませんが、それは確かに可能性のひとつでした。

レーラー:委員会が行った仕事について、一般的にどのように感じますか?

ファインマン博士:私たちはかなり良い仕事をしたと思います。 いくつかの点で、私たちが想像していたよりも容易であることがわかりました。何が起こったのかを知るのは容易でした。

レーラー:私は興味があったのは、なぜロジャース委員長は今日ホワイトハウスで、思っていたよりも難しいことがわかったと言ったのですか? 彼は何について話していたのですか?

ファインマン博士:まあ、私たちは異なる期待を持っていたのかもしれません。 不思議なことに、この委員会の冒頭で、ロジャース氏が「もちろん、事故が起こった原因がわからないかもしれない」と言ったのを覚えています。 そして、その結果 - 私には容易だったということです。

レーラー:なるほど。 あなたに何が起こったのかは理解しました。

ファインマン博士:何が起こったのかはわかっています。 さて、難しかったのは、おそらく彼がこれに言及していると思いますが、NASA内のこれらの弱点とその態度を見つけたことです - 安全性などに関するこの種の非論理的で、(代償は)とても高くつきましたが、国中でそのような評価を受けていた(NASAのような巨大な)組織から感情的ともいえる形でめぐって来て、背後には誰もが尊敬するオズの魔法使いのようなものは何もないと言わなければならないのが大変でした。

レーラー:ニューヨークタイムズのこと -

ファインマン博士:まあ、ほとんど何もありません。

レーラー:ほとんど、大丈夫です。 ニューヨークタイムズ紙は今朝、(あなたが)アペンディクス(報告書の付録)などをめぐってロジャース委員長と衝突したことを報道しました。また、(当番組の記者の)エリザベス・ブラケットは、それについて報告しています。 これはどういうことですか?

ファインマン博士:まあ、それはひどく誇張されています。どういうわけかニュースになりました。私はそのニュースを制御することも、それ(衝突)を経験したこともありません。ある時、私は委員会の他のメンバー向けの文書を書いていました。私は多くのことを調査しました、そして私はちょうど私が見つけたものを伝えるメモを彼らに送っていました。そして、それは出版のために書かれていませんでした。それから議論がありました。それを見た様々な委員会のメンバーは、かなり良かったと言ったので、私たちはそれを報告書に載せるべきだと言いました。しかし、そうではありませんでした - それは個人的なスタイルで書かれていました。報告書の他の部分に対して適切ではありませんでした。ですから、詳細な付録を用意する予定だったので、付録に入れようと言われたので、とても嬉しかったのです。しかし、(報告書では)繰り返しの多い表現を削減することで、修正して短くしようとする習慣があり、報告書にはそれに該当する箇所がいくつかあったため、これを修正し始めました。それを見て、文章が改善されたと思いました。それで、私はそれを入れるように頼みました - それは付録の部分にあり、私たちはスペースについてそれほど心配していなかったので、何も変更せずに付録に残しましょう。そして彼らは「わかりました、しかしこの文章を見てください。あまりよく書かれていません。」と言いました。そして、私は同意しました。文章を変えるのは提案に過ぎません。そして、私はもとのアイデアを損ねないように修正しました。私は半分の語数で同じ考えを伝えるようにしました - または段落の前半ではるかに穏やかな言い方で伝えるようにし、(他の部分で)同じことを繰り返す必要はありませんでした。そのように文章を改善しました。それらは単なる誤植上の問題です。また、文法が悪いことがわかった場合は、別の修正を加えました。誰もそれについては知りません。それについて悪臭(悪い評判)はありません。

レーラー:それで、そこに悪臭はありませんか? 悪臭はまったくありませんか?

ファインマン博士:はい、まったく問題はありませんよ。

レーラー:あなたに関する限り、報告書は委員会からの全会一致で提出されたものです。そしてあなたは -

ファインマン博士:はい。

レーラー:あなたは(議論や衝突から)逃げませんでしたし、ロジャース委員長もそうでした。。

ファインマン博士:そのとおりです。

レーラー:わかりました。 ファインマン博士、逃げないでくださいね。またよろしくお願いします。 ありがとうございました。

ファインマン博士:ありがとうございました。


The MacNeil/Lehrer NewsHour - June 9, 1986(英語原文)

LEHRER: With us now for a newsmaker interview is a key member of the presidential commission. He is Richard Feynman, the Nobel Prize winning physicist from the California Institute of Technology. Welcome, sir. Was this an accident that did not have to happen?

RICHARD FEYNMAN, Rogers Commission: Yes it was. It was an accident that had many, many warnings that there was something wrong and that it might sooner or later go off. And the warnings were disregarded.

LEHRER: Disregarded out of incompetence, out of a faulty system, out of bad judgment, out of -- for what reason?

Dr. FEYNMAN: I had some difficulty with that. I kind of imagine that something like a child that runs in the road and the parent is very upset and says it's very dangerous. And the child comes back and says, "But nothing happened." And he runs out in the road again, several times, and the parent keeps saying it's dangerous, and nothing happens. If the child's view that nothing happened is a clue that there was nothing going to happen, then that's going to be an accident. You could hear brakes squealing a couple of times. That's leakage in the -- gas is going through the rings and so forth, but again and again I saw in looking through the statements "this new flight is within our data base," which just means nothing happened before, it's about the same as we did before, so it can't be unsafe, because it was okay last time. And that is a kind of childish attitude that -- the mother corresponding to the engineers here, the management corresponding to the children. That's the way I look at it, and I don't know what you would say. Sooner or later the child gets run over. Is it an accident? No, it's not an accident.

LEHRER: And yet your commission, and we just heard Chairman Rogers, your chairman, say we should -- we're not here to blame anybody. Why not? Why not -- why is somebody not blamed?

Dr. FEYNMAN: I don't know how to assign blame and whether it does any good. The question is, how do we educate the child? The question is, you can say you blame the child for being a little foolish. But it's very difficult. I tried to figure out why they have this attitude and why they weren't paying attention. I've tried various theories, and I really don't know the ultimate cause.

LEHRER: What's your theory?

Dr. FEYNMAN: Well, one of the -- there's two theories. People -- a lot of people say to me that there's some kind of an idea in management that the incompetence reaches its level, or whatever. But I had another idea, but I don't know whether it's right. And that is that in the beginning, all kinds of exaggerations were made about what this thing can do. It can fly 60 flights, it would only cost so much. It will be recoverable. There will be no real problems. The engineers at the bottom must probably scream -- this is my imagination -- they're screaming up, "No, no, it can't be this way. It can't be this way. We can only go ten flights. We haven't got enough equipment to train that many crews a year," so forth and so on. And the people at the top who are talking to Congress don't want to hear this. So they discourage information from moving up. You see, it was just after they were so successful with Apollo. And in that case, they were doing a project just a little bit harder than they could do -- just a little bit harder, so they could do it. And they would solve one problem -- now, this is my imagination. I'm imagining; I wasn't there. Somebody would say we can -- how are we going to make a space suit? Finally they got a solution to that. They get excited and tell the others -- fellows who are working on some other problem gets a solution to his problem. And there's a lot of intercommunication, because there's excitement and motivation. But when the --

LEHRER: Which is not always necessarily a bad thing, right?

Dr. FEYNMAN: No, not at all. It's what makes it go. And that's why it worked okay with the Apollo. But then when they had this other project, which is so to speak impossible from an engineering point of view -- it's unrealistic. They don't want to hear what happens. It just goes up, and each level in a bureaucracy kind of understands what it's supposed to do. Keep it from the other guys. They don't have to hear it. They don't want to hear it. They don't want to hear it, because it would be uncomfortable to be going and saying we're going to do 60 flights a year when just that morning they were told that it's impossible. That's my theory. Now I, as you know, am a professor of physics, and not of management and human relations, and so it's very likely not right. But you asked me for my theory.

LEHRER: At one of the hearings, in fact I think it was the first public hearing, you took a glass of water and dropped a piece of a rubber seal into a glass of water and made the demonstration that cold weather is not necessarily a good thing for a rubber seal. Have you proven -- has your theory in the glass been proven correct? Do you think that's really what caused the seal to go bad -- it was too cold?

Dr. FEYNMAN: That's one of the -- one of the possibilities -- certainly was one of the possibilities. It's definite that when the temperature is reduced on the seals, the way they were being used in that device -- in the shuttle -- temperature has a very bad effect. What caused a certain amount of trouble is that O-ring seals as used in automobiles and so on are in a position where the space is constant -- the space that they have to -- isn't moved. And therefore, resilience is not vital, and the temperature is not -- it's not sensitive to temperature. So everybody thought seals are not sensitive to temperature. But the way this seal was being used, the spacing between the rings and so on would vibrate as the thing blew up with the pressure and would move, and the ring has to follow that. And when it's cold, it can't follow that. So that's definitely a possible contributor. But as we looked into this thing, we found so many other problems associated with the seal design that there was a kind putty that could have holes blown into it, there was problems about whether -- there were other kinds of difficulties.

LEHRER: I got you. So it could be a combination of things.

Dr. FEYNMAN: So that we couldn't decide exactly what it was, and I won't be able to say that it was solely the temperature, but that certainly was a possibility.

LEHRER: How do you feel about the job your commission did, generally?

Dr. FEYNMAN: I think we did a pretty good job. It turned out to be easier in some respects than we could have imagined. It was easy to find out what happened.

LEHRER: I was curious, why did Chairman Rogers say at the White House today that it turned out to be more difficult than he had thought it was going to be? What was he talking about?

Dr. FEYNMAN: Well, maybe we had different expectations. It's strange, because at the very beginning of this commission meeting, I remember Mr. Rogers saying, "Well, of course, we may never find out what made the accident occur." And that turnedout -- that's what I meant was easy.

LEHRER: I see. You know what happened.

Dr. FEYNMAN: We know what happened. Now, what was difficult, and I think maybe he's referring to this, was the discovery of these weaknesses inside of NASA and their attitudes -- this kind of illogic about safety and so forth, which was so expensive, from an organization which had such a reputation in the country that it was hard for us to find it out in a sort of emotional way as to have to come around and say that the Wizard of Oz which everybody respects has nothing behind it.

LEHRER: The New York Times --

Dr. FEYNMAN: Well, almost nothing.

LEHRER: Almost, okay. The New York Times reported this morning that you had some -- you had a clash with Chairman Rogers over an appendix and other -- and also Elizabeth Brackett in her report referred to that passage. What's that all about?

Dr. FEYNMAN: Well, that's terribly exaggerated. It got into the news somehow. I have no control of the news and no experience with it. At one point, I had written a document which was meant for the other commissioners. I had investigated a number of things, and I was just sending them a note telling what I'd found. And it wasn't written for publication. Then there was a discussion. The various commission members who looked at it said it was pretty good, and we ought to just put it in the report. But it wasn't -- it was written in a personal style. It wasn't proper for the rest of the report. So, since we were going to have appendices, which have a lot of detail, they said let's put it in an appendix, and I'm very happy with that. But because we had this habit of modifying and trying to keep things short by cutting things down that were repetitious, and there were some things in there that were also in the report, we started to modify this. And I looked at it, and I thought it was nice the way I wrote it, you know? So I asked that it be put in -- since it was in the appendix and we weren't so worried about space, let's leave it in the appendix without any modification at all. And they said, "Okay, but look at this sentence isn't written very well." And I agreed, definitely. It was only a suggestion that I change the sentence. And I changed it not because I lost any ideas. I had said the same idea in a half -- or a much more quiet way earlier on in the paragraph, and there was no need to repeat it. It improved the sentence. It's just typographical. I also made another change where I found a sentence had bad grammar. Nobody knows about that one. There's no stink about that one.

LEHRER: So there's no stink here? There's no stink here at all?

Dr. FEYNMAN: No, sir. There's no problem.

LEHRER: So as far as you're concerned, this was a unanimous report from the commission, and you --

Dr. FEYNMAN: Yes sir.

LEHRER: You didn't go away with any scars, and neither did Chairman Rogers.

Dr. FEYNMAN: No.

LEHRER: All right. Dr. Feynman, don't go away. We'll be back. Thank you.

Dr. FEYNMAN: Thank you.


事故当日の番組

The MacNeil/Lehrer News Hour- January 28, 1986 (Space Shuttle Challenger Disaster): YouTubeで再生


番組の全スクリプト: (英語)(Google翻訳による日本語訳


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What Do You Care What Other People Think? (困ります、ファインマンさん)
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聞かせてよ、ファインマンさん: R.P.ファインマン
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/2827c20dbc070aaf205d8375d8ec3cee


 

 

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