はじめてこのブログをお読みになる方のための紹介記事です。
ブログを始めてから17年たちました。2006年から480冊以上の理数系書籍、一般人向けの科学教養書から大学の教科書レベルの本まで興味のおもむくまま読んでいます。そしてそれぞれの本について感想、紹介記事を書きました。
自己紹介欄には次のように書いています。
「原子のレベルではテレポーテーションの実験が成功していることに衝撃を受けたのがきっかけで、大学卒業後20年ぶりに趣味で物理学と数学の勉強をはじめました。 」
参考記事: テレポーテーションは実現している。(リンク集)
量子テレポーテーションは1998年に最初の実験が成功していたのです。この技術は物質の瞬間移動装置として将来用いられるだけでなく、現在のスーパーコンピュータの数億倍~数兆倍の計算速度をもつ「量子コンピュータ」の基礎技術としても使われます。そして量子コンピュータはもはや机上の理論ではなく、すでに部品やモジュールの一部は実現し、個人でも利用し始められているのです。(参考記事「発売情報:クラウド量子計算入門:中山茂」(感想記事)、「量子コンピュータの発展史(リンク集)」)
そして2022年のノーベル物理学賞は、量子テレポーテーション、量子コンピュータの技術の発展に貢献した3人の物理学者に授与されました。(参考記事:「2022年 ノーベル物理学賞はアスペ博士、クラウザー博士、ツァイリンガー博士に決定!」)
これらの理論や技術を理解するためには物理学や数学の知識が欠かせません。普通の会社員が市販されている本だけを読んで物理学や数学をどこまで理解できるのか?最先端の理論までたどり着くことができるのか?そのような気持ちでワクワクしながら読書を続けている日々を綴ったブログです。
次のような順番でブログを紹介させていただきます。
- 20世紀以降の物理学史
- 高校までに学べること
- 身近な現象を理解すること
- 現代物理学と現代数学の不思議なつながり
- 「まとめ記事」の紹介
- 高校生向けのお勧め記事
- 人気記事
- 学ぶことの意義、なぜ学ぶのか?
20世紀以降の物理学史
日常感覚では空間と時間の間には何ら関係があるようには見えません。けれどもアインシュタインの特殊相対性理論(1905年)によって縦横高さの3次元の空間と過去から未来へ進む1次元の時間は別々に分かれているのではなく、ひとつにまとまり、4次元の「時空」と呼ばれる形で存在していることが明らかになりました。物体が速度をもつと4次元時空が回転し、ある人にとっては空間の中の「長さ」として見えているうちの一部が時間側に回り込むため、もう一人にとっては「時間として見える」という現象がおこります。そのためもう一人には長さの縮みと時間の延びとして観測されることになります。
また、この理論から時空の中に存在している物質がもつ質量とエネルギーは等価だということもわかり、E=mc^2という数式であらわされる質量とエネルギーの間に成り立つ関係式が導き出されました。この数式は少量の物質をこの世界から消滅させるだけで膨大なエネルギーが得られることを意味しています。この数式が得られたことで原爆や原発を開発できることがわかったのです。
アインシュタインが生まれる前の1864年までに、電気と磁気がもたらすあらゆる現象は4本の基礎方程式で書き表せられることがわかり、この数式が電磁波の存在を予言しました。けれども電磁気の数式に特殊相対性理論を適用してみたところ、4本の方程式はたった1本の短い数式にまとめられることがわかりました。これは電磁気の本質が4次元の時空に存在することを示唆し、特殊相対性理論の正しさを間接的に裏付けたことになります。(参考記事:「マクスウェル方程式を1本にまとめたのは誰?」)
そして11年後に発表された、一般相対性理論(1916年)では、物体の質量によって物体の周囲の時空に歪みができることを示し、私たちが感じている重力の正体が正しく理解できるようになりました。そしてアインシュタインの予言からちょうど100年後の2016年には「重力波の直接観測に成功」し、そして2019年には「巨大ブラックホールの撮影に成功」して一般相対性理論の正しさが再確認されました。これは過去100年で1番目と2番目に大きな科学上の出来事です。
その後、量子力学(1925年~)によって私たちは電子や光子をはじめミクロの世界の物理法則を解明することにも成功したのです。私たちがふだん生活しているマクロの世界は原子や素粒子が集まって構成されているわけですから、ミクロの世界でそれらがどのような法則に従って存在しているかを知るのはとても大切なことです。
ところが量子力学を受け入れたとたん、日常感覚とはかけ離れたとても奇妙なことをいくつも事実として受け入れなければならなくなってしまいました。たとえば次のようなことがあります。
- 電子には運動学的、力学的な意味での「軌道」というものが存在しない。(したがって、高校物理の原子の説明では原子核の周りを電子が回っているとされるが、これは嘘である。)
- 現実世界では観測できない複素数であらわされる量(波動関数)が必要になる。
- 電子の位置は正確には決まらず確率によってしか決まらない(不確定性原理、確率解釈)
- 電子や光子には波の性質と粒子の性質があらわれる(二重スリット実験)
- 1つの電子が同時に複数の状態をとること(状態の重ね合わせ、シュレディンガーの猫)
- 電子の状態は観測したときとしないときでは違ってしまう。(観測問題、波動関数(波束)の収縮)
- どんなに離れていても絡み合いの関係をもつ2つの電子が存在し、片方の電子にあらわれた状態の変化が瞬間的にもう一方の電子の状態に影響を与える(EPRパラドックス)
などがあります。電子はこの世界を構成する基本粒子(素粒子)のひとつで、すべての原子に含まれていますから、その性質を知るのはとても重要です。けれども、これらの量子力学の「奇妙さ」に蓋をして物理学は進められていきました。量子力学の理論と実験で得られた結果を技術として応用し、作り出されたのがダイオードやトランジスタなどの半導体です。エレクトロニクス技術の誕生と発展は量子力学無しには起こりえませんでした。
その後1950年頃から量子力学は、実験する立場では「素粒子物理学」、理論研究する立場からは「場の量子論」という名前で呼ばれ、両者が協調する形で研究が進んでいきました。そして1970年代までに素粒子は次々と発見され、最終的には17種類あるだろうと予想する「標準模型」の理論が完成しました。そして17番目のヒッグス粒子が発見されたのが2012年のことです。量子力学は17種類の素粒子すべてに適用できることも確認されました。
しかしそこまでの理論研究の途上で明らかになったのですが、一般相対性理論と量子力学はそれぞれ正しいにもかかわらず、一緒に使うと矛盾が生じてしまうのです。ですから最終的な統一理論は、まだ完成していません。
ブラックホールの中心は数学的には宇宙の誕生の瞬間と同じ形をしています。そこはミクロの世界であると同時に重力が非常に強い場所なので、量子力学と一般相対性理論を両方とも使わないと解明することはできません。宇宙誕生の謎を解くためには2つの理論の矛盾を解決しなければならないのです。
この矛盾を解決するために提唱され、万能なひとつの統一理論を目指して現在研究が進んでいるのが超弦理論(1984年~)です。しかし超弦理論ではなんとミクロの世界での時空は4次元ではなく10次元または11次元だというのです。そしてこの理論が明らかにしようとしている時空や物質、力や運動、エネルギーは宇宙全体に広がっているだけでなく、私たちの身の回りや私たちの体の中のことでもあるのです。超弦理論は、2013年にNHKの「神の数式 完全版」という番組で紹介され、大きな反響を呼びました。
2016年にAIが将棋や囲碁の名人を打ち負かしたことで、深層学習や強化学習などの機械学習の手法が脚光を浴びました。この新しい機械学習の手法は超弦理論を始めとする物理学の研究にも使われ始めています。(参考記事:「ディープラーニングと物理学 原理がわかる、応用ができる:田中章詞、富谷昭夫、橋本幸士」)
また、2019年6月には量子力学と一般相対性理論を統合する量子重力(超弦理論は量子重力理論のうちのひとつです。)には対称性がないことが証明されました。対称性は「神の数式 完全版」でも強調されていたとても重要な物理学の概念です。(参考記事:「量子重力には対称性はない ― 大栗機構長らが証明」)
そして、量子重力理論のもうひとつとして提唱されたものにループ量子重力理論があります。これは時空の存在を前提としない形で時空や物質がどのように生成されるかを解き明かす仮説で、量子力学と一般相対性理論の矛盾を解決します。超弦理論は時空の存在と連続性を前提としているのに対し、時空を前提とせず、そこから生成される時空は離散的だという特徴があります。そのあらましは「すごい物理学講義」という教養書で読むことができます。
ところで、私たちが日常生活で「熱」と感じているものの本質は原子や分子の振動や運動です。つまり熱とは実体のない幻想だと言えます。超弦理論やブラックホールの研究が進むにつれて、これと同じ意味合いで私たちの周りにある空間も幻想であることが示唆されるようになってきました。(参考記事:「ブラックホール戦争:レオナルド・サスキンド」、「深層学習と時空:橋本幸士先生」)
なお、量子力学の奇妙さを代表する波動関数(波束の収縮)などは、量子力学創成期に「コペンハーゲン解釈」として提唱されました。量子情報理論がご専門の堀田先生は、この連投ツイートでコペンハーゲン解釈は現代の解釈では全然不思議でないと解説しています。そしてこれまでとはまったく違う視点から量子力学の新しい教科書を書きました。(参考記事:「
入門 現代の量子力学 量子情報・量子測定を中心として:堀田 昌寛」、「量子情報と時空の物理 第2版: 堀田昌寛」)
また、1920年代後半から今日まで蓋をしてきた量子力学の「奇妙さ」は、現代になって再び注目を浴びています。その「奇妙さ」を数学としてそのまま利用する量子情報理論を工学的に応用し、量子コンピュータや量子テレポーテーションの実験が始まったのです。それは技術が進み電子や光子を1個ずつ操作できるようになったからです。またブラックホールの熱の問題の解明にも量子情報理論と超弦理論の理解は欠かせません。もともと量子情報理論は数学でしたが、現代では物理学としての側面もでてきました。
「情報」とは物事を区別したり、その区別を伝達するために0や1のような数字の組み合わせであらわすものです。0や1は原子やその運動のように物質やエネルギーとしてこの世界に存在するものではありません。けれども近年になって情報をエネルギーに変換できることがわかり、2010年には特定の条件において実験にも成功したのです。(参考記事「情報をエネルギー変換、初の成功 中大・東大教授ら :日本経済新聞」)
またアインシュタインが光子を利用した思考実験として提示した「EPRパラドックス(奇妙な遠隔作用)」も、2015年3月までに厳密な検証が行われて不思議な現象ではなくなりました。参考文書:「量子の非局所性を厳密に検証 - 東京大学工学部」、Webページ。
研究が進むにつれて解明されたこと、実現されたことはたくさんありますが、ますますワケのわからないことが増え、それらを受け入れなければ物理学を先に進めることはできません。なんだかとんでもないことになっているのだなぁと思うわけです。僕が知らなかっただけで、日常感覚では想像もつかない奇妙な現実が、常識的にこれはありえないでしょ!と思えることが、自分が生まれるはるか以前から明らかにされていたことを知って愕然としました。
いつか相対性理論や量子テレポーテーションの理解には欠かせない量子力学、そして現在最先端の理論として研究されている超弦理論を理解できるようになりたい。本当のところ、この世界はどうなっているのかを知りたい。学生時代に物理学を専攻していなくてもそう思っている人は少なからずいるはずです。かくいう僕は大学時代は数学を専攻していて物理学の知識はほとんどありませんでした。(数学にしても大学3年のときに落ちこぼれていました。)
高校までに学べること
アイザック・ニュートンが著書『プリンキピア(自然哲学の数学的諸原理)』で万有引力の法則を発表し、月や惑星の運動や地上の物体の運動を微積分を使って証明したのは1687年で江戸時代前期のことです。そしてジェームズ・クラーク・マクスウェルが電磁気学の法則(マクスウェル方程式)を完成させたのは幕末の1864年です。理系を選択していても高校までの物理で計算方法を学べるのはそのあたりまでです。(原子や素粒子のことも高校で学びますが、ほんのさわり程度で計算方法は学べません。)
数学については数学IIIまで履修したとしても、学べるのは大ざっぱに言って17世紀末(江戸時代中期)までに研究、発見された内容にすぎません。
物理学にしても数学にしても、それ以降に人類が発見してきたことは大学に入ってからしか教えてもらえないのです。
科学の発展は経済や技術革新をもたらし社会通念や生活習慣に大きな影響を与えてきました。さまざまな電気製品や移動手段、通信手段が利用可能になり、私たちの生活スタイルは大きく変わりました。
とはいっても、ほとんどの人の自然や物事の理解のしかたは江戸時代や明治時代の人と大差ないのです。現代人のほとんどは相対性理論や量子力学が技術革新をもたらした根底にあるのだと知らされているだけで、それらを理解しているわけではありません。
理系の高校生が学ぶ物理や数学は、明治以来重点の置き方、教える順番や教え方は変わりましたが学習項目の点ではほとんど変わっていません。(参考記事:「復刻版 チャート式 代数学、幾何学(数研出版)」)
数百年をかけて数千人(数万人?)の天才たちがその生涯をかけて研究、発見し、私たちに残してくれた第一級の知的資産を理解せずに一生を終えてしまうのは実にもったいないことだと思うのです。そしてこれらの膨大な知の宝庫は効率的に学べるように整理され「教科書(専門書)」や一般の人が読める「科学教養書」として容易に手に入る時代なのです。たとえば、発表された1916年には世界中で理解できていたのは5人しかいなかったというアインシュタインの一般相対性理論も、現在では大学院ではなく物理学科の4年生のカリキュラムの中で教えられています。そして、なんと最近になって、高校卒業レベルの人でも理解できる「一般相対性理論を一歩一歩数式で理解する」や「ブラックホールと時空の方程式:15歳からの一般相対論」という本まで登場しました。
小説を読んだり、音楽を聴いたりすることも人生を豊かにしてくれます。僕もそれらを楽しむのは大好きです。(小説など一般書の感想記事はここから読めます。)けれどもそれらはしょせん一人の小説家や音楽家の限られた頭の中で創作されたものにすぎません。物理学や数学のように先人の知恵や成果をもとに積み上げられてきたものではないからです。小説や音楽は感性の賜物なので物理学や数学のように論理的ではありませんから、そもそも比較することはできないわけですが、成果という観点では小説や音楽は「個人による成果」、物理学や数学は「積み上げられ発展していく成果」なのです。
相対性理論や量子力学、超弦理論という現代物理学の3大理論を目指して読書を始めると、ほどなくひとつひとつの事柄に驚かされ、ワクワクし、高揚感に満たされるようになってきました。そしてやめられなくなってしまうのです。
身近な現象を理解すること
物理学は宇宙、ブラックホール、ビッグバンの謎に迫るための手段であるだけでなく、身の回りの自然現象を解明する手段でもあります。たとえば力学や電磁気学、熱力学・統計力学、解析力学、量子力学など大学1、2年で学ぶ内容は、身の回りの自然現象を解き明かすことに直接つながります。そもそも、いったいどれほどの人が次のようなことをちゃんと理解できているでしょうか?
- ガラスのコップはなぜ透明に見えるのでしょうか?
- 光をガラスにあてると部分反射します。ガラスは透過させる光と反射させる光をどのようにして選り分けているのでしょうか?
- 光線は最短時間で到達する道筋をたどって進むことが知られています。けれども最終到達地点をあらかじめ知らなければその道筋は決まりません。出発したときに光は到達地点を知らないのに、なぜその道筋を進むことができるのでしょうか?
- 物や自分自身は原子でできていると教えられていても、見たことのないそれはなぜあると言えるのでしょうか?
- テレビなど電気製品に使うリモコンはなぜ赤外線を使うのでしょうか?
- 光の3原色や色の3原色だけでなぜすべての色が表せるのでしょうか?
- 同じ10℃に冷やした鉄と木材に触ると、なぜ鉄のほうがより冷たくひんやりと感じるのでしょうか?
- 金属には温まりやすいものと温まりにくいものがありますが、どのような理由でその違いがおきているのでしょうか?
- 磁石と鉄、磁石と磁石は引き合ったり反発し合ったりしますが、どのようなしくみでそういう力が生じるのでしょうか?
- 正負の符号が異なる2つの電気は引き合い、同じ符号の電気は反発しますが、どのようなしくみでそういう力が生じるのでしょうか?
- スマートホンを使うと充電した電気(電子)はどこかに消えてなくなってしまうのでしょうか?
- スマートホンはなぜ発火したり爆発したりすることがあるのでしょうか?
- イヤホンケーブルのような「ひも」はなぜからまりやすいのでしょうか?
など、日ごろ経験しているこのように当たり前の現象は、きちんと学ばないとわからないものだらけです。これらは高校までの授業では学ぶことができません。
空間や時間、原子や電子、光子(そしてそのほかの素粒子)、そしてそれらの間に働く力やエネルギーの振る舞いを学んでいくうちに、これらの疑問は少しずつ解決していくのです。私たちの目にはそれぞれ違って見えるこの世界の出来事も、もとを正せば自然界を構成するこれらの要素の働きによるものです。
いずれ相対性理論やテレポーテーション、超弦理論を理解したいと読書を続けていく途上で、僕はこのように身近かな自然現象を理解することの面白さにも気が付きはじめました。
現代物理学と現代数学の不思議なつながり
勉強を続けていくうちに、数学は物理現象を方程式にして解いたり、物理法則を学ぶための道具であるだけでなく、それ以上のものであることもわかりました。物理学とは独立した抽象的な世界で発展した20世紀以降の現代数学は現代物理学と密接に結びついていたのです。具体的には微分幾何学、位相幾何学(トポロジー)、複素幾何学(複素多様体:この分野は代数学、幾何学、解析学が渾然一体となる桃源郷のように美しい光景が広がっているそうです。)、群論、作用素環論、非可換幾何学、数論、代数幾何学などの数学の分野があげられます。
これは不思議なことです。現代物理学に詳しい数学者は少ないですし、数学者たちは物理学を意識して研究を進めているわけではないからです。現代数学と現代物理学がどのように結びついているかは次の記事をお読みになるとわかります。
- 感想: NHK数学ミステリー白熱教室
- 見えざる宇宙のかたち:シン=トゥン・ヤウ、スティーヴ・ネイディス
- 素数に憑かれた人たち ~リーマン予想への挑戦~:ジョン・ダービーシャー
- ヒルベルト空間と量子力学:新井朝雄
- 量子力学の数学的構造 I:新井朝雄、江沢洋
- 量子力学の数学的構造 II:新井朝雄、江沢洋
- ゲージ理論とトポロジーの年表
- 理論物理学のための幾何学とトポロジー I:中原幹夫
- 理論物理学のための幾何学とトポロジー II:中原幹夫
- アラン・コンヌ博士の非可換幾何学とは?
- 幾何学から物理学へ: 谷村省吾
- 相対論とゲージ場の古典論を噛み砕く: 松尾衛
数学には代数(数論)、幾何、解析という大きな3つの島があり、それぞれ別々に発展してきました。それらの起源はそれぞれ古代人が経験していた「種類別に物を数え上げること」、「図形を描くこと」、「長さ、広さ、大きさなどを測ること」にあります。そしてそれぞれ「個数が多い少ない」、「形やそのつながり方」、「量の大小」という抽象的な概念の獲得につながり、計算すること、数式に表すことにより3つの領域で数学が生まれ発展していきました。
ところが1960年代以降、代数(数論)、幾何、解析という大きな3つの島に不思議なつながりがあることが次々と明らかになってきたのです。この不思議なつながりのことをラングランズ予想(ラングランズ・プログラム)と呼んでいます。
「不思議なつながり」というのは、たとえば代数の難問に対応する問題が、まったく違う姿で解析の問題として存在するということです。解析の問題としては難問ではなくなり解くことができる場合があります。これを解くことでもともとの代数の問題も解けてしまうということなのです。なぜこのような対応関係があるのかはわかっていません。
不思議な対応関係と考えられているもののひとつに「フェルマーの最終定理」の証明があります。17世紀フランスの数学者ピエール・ド・フェルマーが著書の余白に残した「フェルマー予想」は数論(代数島)の問題として提示され、350年以上たった1994年にやっと証明されて「定理」になったわけですが、これを解く鍵になったのが「志村・谷山・ヴェイユ予想」という調和解析(解析島)の問題でした。「志村・谷山・ヴェイユ予想」の証明がなされたことが「フェルマー予想」の解決につながったのです。
そして、さらに意外なことがわかってきました。数学の大統一とも呼ばれているこのラングランズ予想を研究するうちに、数学の3つの島が現実世界の物理現象とも結びついていることがわかってきました。数学という壮大なパズルのピースを「発見し」、ピースとピースのつながりを「解明していく」と未知の物理現象や物理法則が見つかりそうです。このような期待のもとにラングランズ予想は超弦理論との関係があるのかどうかも含めて現在研究が進んでいます。
なんだかとんでもないことになっているのだなぁとここでも思うわけです。ラングランズ予想については「感想:NHK数学ミステリー白熱教室」という記事で紹介しました。そしてこの番組の関連書籍「数学の大統一に挑む:エドワード・フレンケル」に詳しく解説されています。
また、2020年4月には数学の世界は無数にあるというIUT理論を提唱した京大の望月教授が、この理論を使って世紀の難問「ABC予想」を証明したという衝撃的なニュースが報道されました。詳細は「宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃: 加藤文元」という記事でお読みいただけます。
数学は宇宙が始まるはるか以前から存在する世界のように感じられます。数学者は数学を創り出すのではなく、もともと存在しているものを発見しているにすぎないのでしょう。(参考記事:「数学の定理は「発見」か?それとも「発明」か?」
このようなわけで勉強を進めれば進めるほど数学の抽象的で美しい数式や論理で記述される世界のほうが本質で、私たちが五感でとらえている物理世界のほうが影絵のようにあやふやなものに思えてくるのです。物質や空間、時間、力やエネルギーは本当に存在しているのでしょうか? これについては「実在とは何か? (別冊日経サイエンス)」という記事に書いておきました。物理学で「実在とは何か?」という疑問に最初に出会うのは量子力学を学ぶときです。実在することの不思議の鍵は量子力学の基礎方程式にあらわれる虚数 i にあったのです。虚数はもともと物理とは関係なく、代数方程式を解くために500年も前に発見されていました。(参考記事:「虚数は私たちの世界観を変えてしまった。」)
「まとめ記事」の紹介
本を1冊読んでは感想記事を書くということを12年続けています。始めてから6年後には感想記事が200冊ぶんに達しました。そこまでの経験は「200冊の理数系書籍を読んで得られたこと」という記事にまとめてあります。200冊ぶんの書名は「最初に読んだ理数系書籍200冊の書名一覧」でご覧いただけます。
それから3年4カ月後には感想記事が300冊に達しました。201冊めから300冊めについては「300冊の理数系書籍を読んで得られたこと」という記事にまとめてあります。
それから2年11カ月後には感想記事が400冊に達しました。301冊めから400冊めについては「400冊の理数系書籍を読んで得られたこと」という記事にまとめてあります。
超弦理論まで時間を無駄にすることなく学んでみたいという方のためには「超弦理論への最短ルート: 40冊の物理学、数学書籍」や「超弦理論に至る100冊の物理学、数学書籍」という記事にまとめておきました。
このほか高校生や大学1、2年生向けには「高校生にお勧めする30冊の物理学、数学書籍」や「大学で学ぶ数学とは(概要編)」がお勧めです。また数式がまったく苦手という方のためには「文系の読者にお勧めする理数系書籍リスト」という記事を書いて科学教養書を紹介しました。
地道な読書を続けた結果、始めてから1年後には相対性理論と量子力学を、6年後には量子テレポーテーションをかろうじて理解でき、7年後には超弦理論の入門書を、11年後には素粒子物理学の入門書を読み始めることができました。それぞれ次の記事に得られた感動を書いています。
- 時空の幾何学:特殊および一般相対論の数学的基礎
- 量子光学と量子情報科学:古澤明
- 初級講座弦理論 基礎編:B.ツヴィーバッハ
- 初級講座弦理論 発展編:B.ツヴィーバッハ
- 素粒子標準模型入門: W.N.コッティンガム、D.A.グリーンウッド
- 初級講座 ループ量子重力: R. ガムビーニ 、J. プリン
そして最初の10年間の進捗の概要は「祝: とね日記はおかげさまで10周年!」でお読みいただけます。
分野別に記事を探したい方は「記事一覧(分野別)」からお入りください。
高校生向けのお勧め記事
このようなわけで、ほとんどは本の感想記事なので物理学や数学を学べるわけではありません。けれどもそれらの面白さを高校生レベルの読者に伝えることはできないだろうかという観点から、いくつか記事を書いています。お勧めは次のような記事です。
数学:
- 因数分解って何の役に立つの?
- 高次元空間の隙間の大きさ
- キス数
- "5" で現れる不思議な形 (フェルマー点の話)
- 多次元空間へのお誘い(連載記事)
- 宇宙の形、ガウスの曲面論と内在幾何(連載記事)
- 虚数は私たちの世界観を変えてしまった。
- 虚数や複素数に大小がないのはなぜ?
- 複素数 a+bi のプラス記号は「足す」という意味?
- 複素世界は実世界とつながっている
- 種あかし: 複素世界は実世界とつながっている
物理学:
- 「理科復活プロジェクト」始動!
- 地球を8000万個に分割してみた - 重心と質点の話
- 半地球の重力場を描いてみた - 重心と質点の話
- ストッキングを使った極小曲面、最小面積曲面の実験
- 鉛筆はどれくらいの時間立っていられるか?
工学、コンピュータ:
- 量子コンピュータ、量子アルゴリズムを学びたい高校生のために
- 安田寿明先生の「マイ・コンピュータ」3部作(ブルーバックス)
- NEC TK-80やワンボードマイコンのこと
- 電卓を作りたいという妄想
理系の高校生、大学受験生向けには、次の記事を書いています。
- 復刻版 チャート式 代数学、幾何学(数研出版)
- 大学への数学(研文書院)
- 寺田文行先生の「数学の鉄則」シリーズ
- 学習参考書が電子書籍化され始めている件
- 出題者心理から見た入試数学: 芳沢光雄
- 改訂版 関数のはなし〈上〉:大村平
- 改訂版 関数のはなし〈下〉:大村平
- 改訂版 微積分のはなし〈上〉:大村平
- 改訂版 微積分のはなし〈下〉:大村平
- 改訂版 行列とベクトルのはなし: 大村平
- 数学の教科書が言ったこと、言わなかったこと:南みや子
- 数学する精神―正しさの創造、美しさの発見: 加藤文元
- 大学で学ぶ数学とは(概要編)
- 中学生から読めるNewtonライト
- 高校の勉強に役立つNewton別冊
- 難しい数式はまったくわかりませんが、微分積分を教えてください!: たくみ
- はじめて学ぶ物理学 上、下 学問としての高校物理: 吉田弘幸
数は少ないですが、生物学系の記事も書いています。
- 二重螺旋 完全版: ジェームズ・D. ワトソン
- DNA (上)―二重らせんの発見からヒトゲノム計画まで: ジェームズ・D. ワトソン
- DNA (下)―ゲノム解読から遺伝病、人類の進化まで: ジェームズ・D. ワトソン
- 多次元空間へのお誘い(14):DNAの複製について
人気記事
本の感想記事以外では、次のような記事がよくアクセスされています。
- どうして鏡は左右を逆に映すのに上下はそのままなの?
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- 線形代数学入門のための教科書談義
- 解析学入門のための教科書談義
- ファインマン物理学(英語版)が全巻ネット公開されました。
- 英語版「ランダウ=リフシッツの理論物理学教程」がオンラインで無料公開された。
- 無料で学べる統計学入門サイトのリンク集
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- 一般相対性理論に挑戦しよう!
- 重力波の直接観測に成功!
- ファインマンの経路積分に入門しよう!
- 解説:NHKスペシャル「神の数式」第1回:この世は何からできているのか
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- 番組告知:NHK宇宙白熱教室(ローレンス・クラウス教授)
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学ぶことの意義、なぜ学ぶのか?
とね日記はこのようなブログです。理数系本の読書を続けていてもノーベル賞や文化勲章がもらえるようにはなりません。町内会のナントカ賞ももらえません。研究をしているわけではありませんし、論文も書いていないわけですから。だから少し悔しいと思うわけです。それならば自分が「賞」をもらう側ではなくあげる側になってみてはどうか。自分で賞を作ってみてはどうだろうかと思って2010年に始めたのが「とね日記賞」です。その年に読んだ本のうち特に素晴らしいと思った本に賞をあげてしまおうというわけです。小さいながらもひとつの「価値の創出」には違いありません。とね日記賞は毎年12月10日、スウェーデンのストックホルムで開催されるノーベル賞授賞式の日程に合わせて発表しています。
ブログの紹介をしながら、リンクでたくさんの入口をつけてみました。10年以上続けていますからブログの中は迷宮のようにリンクでつながっています。ぜひ興味のある入口からお入りください。
年をとるにしたがい人は経験を積み、人生や世の中のことがよくわかるようになります。けれども自然や宇宙についての知識や理解はみずから学ばない限り、けして得られるものではありません。
さあ、勉強を始めましょう!読書や勉強から得られる知識や発見、高揚感はお金では買うことのできない価値のひとつです。
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量子テレポーテーションは1998年に最初の実験が成功していたのです。この技術は物質の瞬間移動装置として将来用いられるだけでなく、現在のスーパーコンピュータの数億倍~数兆倍の計算速度をもつ「量子コンピュータ」の基礎技術としても使われます。そして量子コンピュータはもはや机上の理論ではなく、すでに部品やモジュールの一部は実現し、個人でも利用し始められているのです。(参考記事「発売情報:クラウド量子計算入門:中山茂」(感想記事)、「量子コンピュータの発展史(リンク集)」)
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20世紀以降の物理学史
日常感覚では空間と時間の間には何ら関係があるようには見えません。けれどもアインシュタインの特殊相対性理論(1905年)によって縦横高さの3次元の空間と過去から未来へ進む1次元の時間は別々に分かれているのではなく、ひとつにまとまり、4次元の「時空」と呼ばれる形で存在していることが明らかになりました。物体が速度をもつと4次元時空が回転し、ある人にとっては空間の中の「長さ」として見えているうちの一部が時間側に回り込むため、もう一人にとっては「時間として見える」という現象がおこります。そのためもう一人には長さの縮みと時間の延びとして観測されることになります。
また、この理論から時空の中に存在している物質がもつ質量とエネルギーは等価だということもわかり、E=mc^2という数式であらわされる質量とエネルギーの間に成り立つ関係式が導き出されました。この数式は少量の物質をこの世界から消滅させるだけで膨大なエネルギーが得られることを意味しています。この数式が得られたことで原爆や原発を開発できることがわかったのです。
アインシュタインが生まれる前の1864年までに、電気と磁気がもたらすあらゆる現象は4本の基礎方程式で書き表せられることがわかり、この数式が電磁波の存在を予言しました。けれども電磁気の数式に特殊相対性理論を適用してみたところ、4本の方程式はたった1本の短い数式にまとめられることがわかりました。これは電磁気の本質が4次元の時空に存在することを示唆し、特殊相対性理論の正しさを間接的に裏付けたことになります。(参考記事:「マクスウェル方程式を1本にまとめたのは誰?」)
そして11年後に発表された、一般相対性理論(1916年)では、物体の質量によって物体の周囲の時空に歪みができることを示し、私たちが感じている重力の正体が正しく理解できるようになりました。そしてアインシュタインの予言からちょうど100年後の2016年には「重力波の直接観測に成功」し、そして2019年には「巨大ブラックホールの撮影に成功」して一般相対性理論の正しさが再確認されました。これは過去100年で1番目と2番目に大きな科学上の出来事です。
その後、量子力学(1925年~)によって私たちは電子や光子をはじめミクロの世界の物理法則を解明することにも成功したのです。私たちがふだん生活しているマクロの世界は原子や素粒子が集まって構成されているわけですから、ミクロの世界でそれらがどのような法則に従って存在しているかを知るのはとても大切なことです。
ところが量子力学を受け入れたとたん、日常感覚とはかけ離れたとても奇妙なことをいくつも事実として受け入れなければならなくなってしまいました。たとえば次のようなことがあります。
- 電子には運動学的、力学的な意味での「軌道」というものが存在しない。(したがって、高校物理の原子の説明では原子核の周りを電子が回っているとされるが、これは嘘である。)
- 現実世界では観測できない複素数であらわされる量(波動関数)が必要になる。
- 電子の位置は正確には決まらず確率によってしか決まらない(不確定性原理、確率解釈)
- 電子や光子には波の性質と粒子の性質があらわれる(二重スリット実験)
- 1つの電子が同時に複数の状態をとること(状態の重ね合わせ、シュレディンガーの猫)
- 電子の状態は観測したときとしないときでは違ってしまう。(観測問題、波動関数(波束)の収縮)
- どんなに離れていても絡み合いの関係をもつ2つの電子が存在し、片方の電子にあらわれた状態の変化が瞬間的にもう一方の電子の状態に影響を与える(EPRパラドックス)
などがあります。電子はこの世界を構成する基本粒子(素粒子)のひとつで、すべての原子に含まれていますから、その性質を知るのはとても重要です。けれども、これらの量子力学の「奇妙さ」に蓋をして物理学は進められていきました。量子力学の理論と実験で得られた結果を技術として応用し、作り出されたのがダイオードやトランジスタなどの半導体です。エレクトロニクス技術の誕生と発展は量子力学無しには起こりえませんでした。
その後1950年頃から量子力学は、実験する立場では「素粒子物理学」、理論研究する立場からは「場の量子論」という名前で呼ばれ、両者が協調する形で研究が進んでいきました。そして1970年代までに素粒子は次々と発見され、最終的には17種類あるだろうと予想する「標準模型」の理論が完成しました。そして17番目のヒッグス粒子が発見されたのが2012年のことです。量子力学は17種類の素粒子すべてに適用できることも確認されました。
しかしそこまでの理論研究の途上で明らかになったのですが、一般相対性理論と量子力学はそれぞれ正しいにもかかわらず、一緒に使うと矛盾が生じてしまうのです。ですから最終的な統一理論は、まだ完成していません。
ブラックホールの中心は数学的には宇宙の誕生の瞬間と同じ形をしています。そこはミクロの世界であると同時に重力が非常に強い場所なので、量子力学と一般相対性理論を両方とも使わないと解明することはできません。宇宙誕生の謎を解くためには2つの理論の矛盾を解決しなければならないのです。
この矛盾を解決するために提唱され、万能なひとつの統一理論を目指して現在研究が進んでいるのが超弦理論(1984年~)です。しかし超弦理論ではなんとミクロの世界での時空は4次元ではなく10次元または11次元だというのです。そしてこの理論が明らかにしようとしている時空や物質、力や運動、エネルギーは宇宙全体に広がっているだけでなく、私たちの身の回りや私たちの体の中のことでもあるのです。超弦理論は、2013年にNHKの「神の数式 完全版」という番組で紹介され、大きな反響を呼びました。
2016年にAIが将棋や囲碁の名人を打ち負かしたことで、深層学習や強化学習などの機械学習の手法が脚光を浴びました。この新しい機械学習の手法は超弦理論を始めとする物理学の研究にも使われ始めています。(参考記事:「ディープラーニングと物理学 原理がわかる、応用ができる:田中章詞、富谷昭夫、橋本幸士」)
また、2019年6月には量子力学と一般相対性理論を統合する量子重力(超弦理論は量子重力理論のうちのひとつです。)には対称性がないことが証明されました。対称性は「神の数式 完全版」でも強調されていたとても重要な物理学の概念です。(参考記事:「量子重力には対称性はない ― 大栗機構長らが証明」)
そして、量子重力理論のもうひとつとして提唱されたものにループ量子重力理論があります。これは時空の存在を前提としない形で時空や物質がどのように生成されるかを解き明かす仮説で、量子力学と一般相対性理論の矛盾を解決します。超弦理論は時空の存在と連続性を前提としているのに対し、時空を前提とせず、そこから生成される時空は離散的だという特徴があります。そのあらましは「すごい物理学講義」という教養書で読むことができます。
ところで、私たちが日常生活で「熱」と感じているものの本質は原子や分子の振動や運動です。つまり熱とは実体のない幻想だと言えます。超弦理論やブラックホールの研究が進むにつれて、これと同じ意味合いで私たちの周りにある空間も幻想であることが示唆されるようになってきました。(参考記事:「ブラックホール戦争:レオナルド・サスキンド」、「深層学習と時空:橋本幸士先生」)
なお、量子力学の奇妙さを代表する波動関数(波束の収縮)などは、量子力学創成期に「コペンハーゲン解釈」として提唱されました。量子情報理論がご専門の堀田先生は、この連投ツイートでコペンハーゲン解釈は現代の解釈では全然不思議でないと解説しています。そしてこれまでとはまったく違う視点から量子力学の新しい教科書を書きました。(参考記事:「
入門 現代の量子力学 量子情報・量子測定を中心として:堀田 昌寛」、「量子情報と時空の物理 第2版: 堀田昌寛」)
また、1920年代後半から今日まで蓋をしてきた量子力学の「奇妙さ」は、現代になって再び注目を浴びています。その「奇妙さ」を数学としてそのまま利用する量子情報理論を工学的に応用し、量子コンピュータや量子テレポーテーションの実験が始まったのです。それは技術が進み電子や光子を1個ずつ操作できるようになったからです。またブラックホールの熱の問題の解明にも量子情報理論と超弦理論の理解は欠かせません。もともと量子情報理論は数学でしたが、現代では物理学としての側面もでてきました。
「情報」とは物事を区別したり、その区別を伝達するために0や1のような数字の組み合わせであらわすものです。0や1は原子やその運動のように物質やエネルギーとしてこの世界に存在するものではありません。けれども近年になって情報をエネルギーに変換できることがわかり、2010年には特定の条件において実験にも成功したのです。(参考記事「情報をエネルギー変換、初の成功 中大・東大教授ら :日本経済新聞」)
またアインシュタインが光子を利用した思考実験として提示した「EPRパラドックス(奇妙な遠隔作用)」も、2015年3月までに厳密な検証が行われて不思議な現象ではなくなりました。参考文書:「量子の非局所性を厳密に検証 - 東京大学工学部」、Webページ。
研究が進むにつれて解明されたこと、実現されたことはたくさんありますが、ますますワケのわからないことが増え、それらを受け入れなければ物理学を先に進めることはできません。なんだかとんでもないことになっているのだなぁと思うわけです。僕が知らなかっただけで、日常感覚では想像もつかない奇妙な現実が、常識的にこれはありえないでしょ!と思えることが、自分が生まれるはるか以前から明らかにされていたことを知って愕然としました。
いつか相対性理論や量子テレポーテーションの理解には欠かせない量子力学、そして現在最先端の理論として研究されている超弦理論を理解できるようになりたい。本当のところ、この世界はどうなっているのかを知りたい。学生時代に物理学を専攻していなくてもそう思っている人は少なからずいるはずです。かくいう僕は大学時代は数学を専攻していて物理学の知識はほとんどありませんでした。(数学にしても大学3年のときに落ちこぼれていました。)
高校までに学べること
アイザック・ニュートンが著書『プリンキピア(自然哲学の数学的諸原理)』で万有引力の法則を発表し、月や惑星の運動や地上の物体の運動を微積分を使って証明したのは1687年で江戸時代前期のことです。そしてジェームズ・クラーク・マクスウェルが電磁気学の法則(マクスウェル方程式)を完成させたのは幕末の1864年です。理系を選択していても高校までの物理で計算方法を学べるのはそのあたりまでです。(原子や素粒子のことも高校で学びますが、ほんのさわり程度で計算方法は学べません。)
数学については数学IIIまで履修したとしても、学べるのは大ざっぱに言って17世紀末(江戸時代中期)までに研究、発見された内容にすぎません。
物理学にしても数学にしても、それ以降に人類が発見してきたことは大学に入ってからしか教えてもらえないのです。
科学の発展は経済や技術革新をもたらし社会通念や生活習慣に大きな影響を与えてきました。さまざまな電気製品や移動手段、通信手段が利用可能になり、私たちの生活スタイルは大きく変わりました。
とはいっても、ほとんどの人の自然や物事の理解のしかたは江戸時代や明治時代の人と大差ないのです。現代人のほとんどは相対性理論や量子力学が技術革新をもたらした根底にあるのだと知らされているだけで、それらを理解しているわけではありません。
理系の高校生が学ぶ物理や数学は、明治以来重点の置き方、教える順番や教え方は変わりましたが学習項目の点ではほとんど変わっていません。(参考記事:「復刻版 チャート式 代数学、幾何学(数研出版)」)
数百年をかけて数千人(数万人?)の天才たちがその生涯をかけて研究、発見し、私たちに残してくれた第一級の知的資産を理解せずに一生を終えてしまうのは実にもったいないことだと思うのです。そしてこれらの膨大な知の宝庫は効率的に学べるように整理され「教科書(専門書)」や一般の人が読める「科学教養書」として容易に手に入る時代なのです。たとえば、発表された1916年には世界中で理解できていたのは5人しかいなかったというアインシュタインの一般相対性理論も、現在では大学院ではなく物理学科の4年生のカリキュラムの中で教えられています。そして、なんと最近になって、高校卒業レベルの人でも理解できる「一般相対性理論を一歩一歩数式で理解する」や「ブラックホールと時空の方程式:15歳からの一般相対論」という本まで登場しました。
小説を読んだり、音楽を聴いたりすることも人生を豊かにしてくれます。僕もそれらを楽しむのは大好きです。(小説など一般書の感想記事はここから読めます。)けれどもそれらはしょせん一人の小説家や音楽家の限られた頭の中で創作されたものにすぎません。物理学や数学のように先人の知恵や成果をもとに積み上げられてきたものではないからです。小説や音楽は感性の賜物なので物理学や数学のように論理的ではありませんから、そもそも比較することはできないわけですが、成果という観点では小説や音楽は「個人による成果」、物理学や数学は「積み上げられ発展していく成果」なのです。
相対性理論や量子力学、超弦理論という現代物理学の3大理論を目指して読書を始めると、ほどなくひとつひとつの事柄に驚かされ、ワクワクし、高揚感に満たされるようになってきました。そしてやめられなくなってしまうのです。
身近な現象を理解すること
物理学は宇宙、ブラックホール、ビッグバンの謎に迫るための手段であるだけでなく、身の回りの自然現象を解明する手段でもあります。たとえば力学や電磁気学、熱力学・統計力学、解析力学、量子力学など大学1、2年で学ぶ内容は、身の回りの自然現象を解き明かすことに直接つながります。そもそも、いったいどれほどの人が次のようなことをちゃんと理解できているでしょうか?
- ガラスのコップはなぜ透明に見えるのでしょうか?
- 光をガラスにあてると部分反射します。ガラスは透過させる光と反射させる光をどのようにして選り分けているのでしょうか?
- 光線は最短時間で到達する道筋をたどって進むことが知られています。けれども最終到達地点をあらかじめ知らなければその道筋は決まりません。出発したときに光は到達地点を知らないのに、なぜその道筋を進むことができるのでしょうか?
- 物や自分自身は原子でできていると教えられていても、見たことのないそれはなぜあると言えるのでしょうか?
- テレビなど電気製品に使うリモコンはなぜ赤外線を使うのでしょうか?
- 光の3原色や色の3原色だけでなぜすべての色が表せるのでしょうか?
- 同じ10℃に冷やした鉄と木材に触ると、なぜ鉄のほうがより冷たくひんやりと感じるのでしょうか?
- 金属には温まりやすいものと温まりにくいものがありますが、どのような理由でその違いがおきているのでしょうか?
- 磁石と鉄、磁石と磁石は引き合ったり反発し合ったりしますが、どのようなしくみでそういう力が生じるのでしょうか?
- 正負の符号が異なる2つの電気は引き合い、同じ符号の電気は反発しますが、どのようなしくみでそういう力が生じるのでしょうか?
- スマートホンを使うと充電した電気(電子)はどこかに消えてなくなってしまうのでしょうか?
- スマートホンはなぜ発火したり爆発したりすることがあるのでしょうか?
- イヤホンケーブルのような「ひも」はなぜからまりやすいのでしょうか?
など、日ごろ経験しているこのように当たり前の現象は、きちんと学ばないとわからないものだらけです。これらは高校までの授業では学ぶことができません。
空間や時間、原子や電子、光子(そしてそのほかの素粒子)、そしてそれらの間に働く力やエネルギーの振る舞いを学んでいくうちに、これらの疑問は少しずつ解決していくのです。私たちの目にはそれぞれ違って見えるこの世界の出来事も、もとを正せば自然界を構成するこれらの要素の働きによるものです。
いずれ相対性理論やテレポーテーション、超弦理論を理解したいと読書を続けていく途上で、僕はこのように身近かな自然現象を理解することの面白さにも気が付きはじめました。
現代物理学と現代数学の不思議なつながり
勉強を続けていくうちに、数学は物理現象を方程式にして解いたり、物理法則を学ぶための道具であるだけでなく、それ以上のものであることもわかりました。物理学とは独立した抽象的な世界で発展した20世紀以降の現代数学は現代物理学と密接に結びついていたのです。具体的には微分幾何学、位相幾何学(トポロジー)、複素幾何学(複素多様体:この分野は代数学、幾何学、解析学が渾然一体となる桃源郷のように美しい光景が広がっているそうです。)、群論、作用素環論、非可換幾何学、数論、代数幾何学などの数学の分野があげられます。
これは不思議なことです。現代物理学に詳しい数学者は少ないですし、数学者たちは物理学を意識して研究を進めているわけではないからです。現代数学と現代物理学がどのように結びついているかは次の記事をお読みになるとわかります。
- 感想: NHK数学ミステリー白熱教室
- 見えざる宇宙のかたち:シン=トゥン・ヤウ、スティーヴ・ネイディス
- 素数に憑かれた人たち ~リーマン予想への挑戦~:ジョン・ダービーシャー
- ヒルベルト空間と量子力学:新井朝雄
- 量子力学の数学的構造 I:新井朝雄、江沢洋
- 量子力学の数学的構造 II:新井朝雄、江沢洋
- ゲージ理論とトポロジーの年表
- 理論物理学のための幾何学とトポロジー I:中原幹夫
- 理論物理学のための幾何学とトポロジー II:中原幹夫
- アラン・コンヌ博士の非可換幾何学とは?
- 幾何学から物理学へ: 谷村省吾
- 相対論とゲージ場の古典論を噛み砕く: 松尾衛
数学には代数(数論)、幾何、解析という大きな3つの島があり、それぞれ別々に発展してきました。それらの起源はそれぞれ古代人が経験していた「種類別に物を数え上げること」、「図形を描くこと」、「長さ、広さ、大きさなどを測ること」にあります。そしてそれぞれ「個数が多い少ない」、「形やそのつながり方」、「量の大小」という抽象的な概念の獲得につながり、計算すること、数式に表すことにより3つの領域で数学が生まれ発展していきました。
ところが1960年代以降、代数(数論)、幾何、解析という大きな3つの島に不思議なつながりがあることが次々と明らかになってきたのです。この不思議なつながりのことをラングランズ予想(ラングランズ・プログラム)と呼んでいます。
「不思議なつながり」というのは、たとえば代数の難問に対応する問題が、まったく違う姿で解析の問題として存在するということです。解析の問題としては難問ではなくなり解くことができる場合があります。これを解くことでもともとの代数の問題も解けてしまうということなのです。なぜこのような対応関係があるのかはわかっていません。
不思議な対応関係と考えられているもののひとつに「フェルマーの最終定理」の証明があります。17世紀フランスの数学者ピエール・ド・フェルマーが著書の余白に残した「フェルマー予想」は数論(代数島)の問題として提示され、350年以上たった1994年にやっと証明されて「定理」になったわけですが、これを解く鍵になったのが「志村・谷山・ヴェイユ予想」という調和解析(解析島)の問題でした。「志村・谷山・ヴェイユ予想」の証明がなされたことが「フェルマー予想」の解決につながったのです。
そして、さらに意外なことがわかってきました。数学の大統一とも呼ばれているこのラングランズ予想を研究するうちに、数学の3つの島が現実世界の物理現象とも結びついていることがわかってきました。数学という壮大なパズルのピースを「発見し」、ピースとピースのつながりを「解明していく」と未知の物理現象や物理法則が見つかりそうです。このような期待のもとにラングランズ予想は超弦理論との関係があるのかどうかも含めて現在研究が進んでいます。
なんだかとんでもないことになっているのだなぁとここでも思うわけです。ラングランズ予想については「感想:NHK数学ミステリー白熱教室」という記事で紹介しました。そしてこの番組の関連書籍「数学の大統一に挑む:エドワード・フレンケル」に詳しく解説されています。
また、2020年4月には数学の世界は無数にあるというIUT理論を提唱した京大の望月教授が、この理論を使って世紀の難問「ABC予想」を証明したという衝撃的なニュースが報道されました。詳細は「宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃: 加藤文元」という記事でお読みいただけます。
数学は宇宙が始まるはるか以前から存在する世界のように感じられます。数学者は数学を創り出すのではなく、もともと存在しているものを発見しているにすぎないのでしょう。(参考記事:「数学の定理は「発見」か?それとも「発明」か?」
このようなわけで勉強を進めれば進めるほど数学の抽象的で美しい数式や論理で記述される世界のほうが本質で、私たちが五感でとらえている物理世界のほうが影絵のようにあやふやなものに思えてくるのです。物質や空間、時間、力やエネルギーは本当に存在しているのでしょうか? これについては「実在とは何か? (別冊日経サイエンス)」という記事に書いておきました。物理学で「実在とは何か?」という疑問に最初に出会うのは量子力学を学ぶときです。実在することの不思議の鍵は量子力学の基礎方程式にあらわれる虚数 i にあったのです。虚数はもともと物理とは関係なく、代数方程式を解くために500年も前に発見されていました。(参考記事:「虚数は私たちの世界観を変えてしまった。」)
「まとめ記事」の紹介
本を1冊読んでは感想記事を書くということを12年続けています。始めてから6年後には感想記事が200冊ぶんに達しました。そこまでの経験は「200冊の理数系書籍を読んで得られたこと」という記事にまとめてあります。200冊ぶんの書名は「最初に読んだ理数系書籍200冊の書名一覧」でご覧いただけます。
それから3年4カ月後には感想記事が300冊に達しました。201冊めから300冊めについては「300冊の理数系書籍を読んで得られたこと」という記事にまとめてあります。
それから2年11カ月後には感想記事が400冊に達しました。301冊めから400冊めについては「400冊の理数系書籍を読んで得られたこと」という記事にまとめてあります。
超弦理論まで時間を無駄にすることなく学んでみたいという方のためには「超弦理論への最短ルート: 40冊の物理学、数学書籍」や「超弦理論に至る100冊の物理学、数学書籍」という記事にまとめておきました。
このほか高校生や大学1、2年生向けには「高校生にお勧めする30冊の物理学、数学書籍」や「大学で学ぶ数学とは(概要編)」がお勧めです。また数式がまったく苦手という方のためには「文系の読者にお勧めする理数系書籍リスト」という記事を書いて科学教養書を紹介しました。
地道な読書を続けた結果、始めてから1年後には相対性理論と量子力学を、6年後には量子テレポーテーションをかろうじて理解でき、7年後には超弦理論の入門書を、11年後には素粒子物理学の入門書を読み始めることができました。それぞれ次の記事に得られた感動を書いています。
- 時空の幾何学:特殊および一般相対論の数学的基礎
- 量子光学と量子情報科学:古澤明
- 初級講座弦理論 基礎編:B.ツヴィーバッハ
- 初級講座弦理論 発展編:B.ツヴィーバッハ
- 素粒子標準模型入門: W.N.コッティンガム、D.A.グリーンウッド
- 初級講座 ループ量子重力: R. ガムビーニ 、J. プリン
そして最初の10年間の進捗の概要は「祝: とね日記はおかげさまで10周年!」でお読みいただけます。
分野別に記事を探したい方は「記事一覧(分野別)」からお入りください。
高校生向けのお勧め記事
このようなわけで、ほとんどは本の感想記事なので物理学や数学を学べるわけではありません。けれどもそれらの面白さを高校生レベルの読者に伝えることはできないだろうかという観点から、いくつか記事を書いています。お勧めは次のような記事です。
数学:
- 因数分解って何の役に立つの?
- 高次元空間の隙間の大きさ
- キス数
- "5" で現れる不思議な形 (フェルマー点の話)
- 多次元空間へのお誘い(連載記事)
- 宇宙の形、ガウスの曲面論と内在幾何(連載記事)
- 虚数は私たちの世界観を変えてしまった。
- 虚数や複素数に大小がないのはなぜ?
- 複素数 a+bi のプラス記号は「足す」という意味?
- 複素世界は実世界とつながっている
- 種あかし: 複素世界は実世界とつながっている
物理学:
- 「理科復活プロジェクト」始動!
- 地球を8000万個に分割してみた - 重心と質点の話
- 半地球の重力場を描いてみた - 重心と質点の話
- ストッキングを使った極小曲面、最小面積曲面の実験
- 鉛筆はどれくらいの時間立っていられるか?
工学、コンピュータ:
- 量子コンピュータ、量子アルゴリズムを学びたい高校生のために
- 安田寿明先生の「マイ・コンピュータ」3部作(ブルーバックス)
- NEC TK-80やワンボードマイコンのこと
- 電卓を作りたいという妄想
理系の高校生、大学受験生向けには、次の記事を書いています。
- 復刻版 チャート式 代数学、幾何学(数研出版)
- 大学への数学(研文書院)
- 寺田文行先生の「数学の鉄則」シリーズ
- 学習参考書が電子書籍化され始めている件
- 出題者心理から見た入試数学: 芳沢光雄
- 改訂版 関数のはなし〈上〉:大村平
- 改訂版 関数のはなし〈下〉:大村平
- 改訂版 微積分のはなし〈上〉:大村平
- 改訂版 微積分のはなし〈下〉:大村平
- 改訂版 行列とベクトルのはなし: 大村平
- 数学の教科書が言ったこと、言わなかったこと:南みや子
- 数学する精神―正しさの創造、美しさの発見: 加藤文元
- 大学で学ぶ数学とは(概要編)
- 中学生から読めるNewtonライト
- 高校の勉強に役立つNewton別冊
- 難しい数式はまったくわかりませんが、微分積分を教えてください!: たくみ
- はじめて学ぶ物理学 上、下 学問としての高校物理: 吉田弘幸
数は少ないですが、生物学系の記事も書いています。
- 二重螺旋 完全版: ジェームズ・D. ワトソン
- DNA (上)―二重らせんの発見からヒトゲノム計画まで: ジェームズ・D. ワトソン
- DNA (下)―ゲノム解読から遺伝病、人類の進化まで: ジェームズ・D. ワトソン
- 多次元空間へのお誘い(14):DNAの複製について
人気記事
本の感想記事以外では、次のような記事がよくアクセスされています。
- どうして鏡は左右を逆に映すのに上下はそのままなの?
- 物理学、数学の動画: 相対性理論、量子論、電磁気学、超弦理論など
- 大学で学ぶ数学とは(概要編)
- 線形代数学入門のための教科書談義
- 解析学入門のための教科書談義
- ファインマン物理学(英語版)が全巻ネット公開されました。
- 英語版「ランダウ=リフシッツの理論物理学教程」がオンラインで無料公開された。
- 無料で学べる統計学入門サイトのリンク集
- ちょっと気になる常微分方程式の本
- 一般相対性理論に挑戦しよう!
- 重力波の直接観測に成功!
- ファインマンの経路積分に入門しよう!
- 解説:NHKスペシャル「神の数式」第1回:この世は何からできているのか
- 解説:NHKスペシャル「神の数式」第2回:宇宙はどこから来たのか
- 番組告知:NHK宇宙白熱教室(ローレンス・クラウス教授)
- 感想: NHK数学ミステリー白熱教室
- カラビ-ヤウ空間を見てみよう!
- 大栗先生の超弦理論入門:大栗博司
- 「9次元からきた男」ブロガー特別試写会の感想
- エキゾチックな球面: 野口廣
- 算数チャチャチャ(NHKみんなのうた)
学ぶことの意義、なぜ学ぶのか?
とね日記はこのようなブログです。理数系本の読書を続けていてもノーベル賞や文化勲章がもらえるようにはなりません。町内会のナントカ賞ももらえません。研究をしているわけではありませんし、論文も書いていないわけですから。だから少し悔しいと思うわけです。それならば自分が「賞」をもらう側ではなくあげる側になってみてはどうか。自分で賞を作ってみてはどうだろうかと思って2010年に始めたのが「とね日記賞」です。その年に読んだ本のうち特に素晴らしいと思った本に賞をあげてしまおうというわけです。小さいながらもひとつの「価値の創出」には違いありません。とね日記賞は毎年12月10日、スウェーデンのストックホルムで開催されるノーベル賞授賞式の日程に合わせて発表しています。
ブログの紹介をしながら、リンクでたくさんの入口をつけてみました。10年以上続けていますからブログの中は迷宮のようにリンクでつながっています。ぜひ興味のある入口からお入りください。
年をとるにしたがい人は経験を積み、人生や世の中のことがよくわかるようになります。けれども自然や宇宙についての知識や理解はみずから学ばない限り、けして得られるものではありません。
さあ、勉強を始めましょう!読書や勉強から得られる知識や発見、高揚感はお金では買うことのできない価値のひとつです。
超弦理論には否定的で、繰り込み理論も認めがたく思っていますから、偉い権威の先生方からは一笑に付されるかもしれませんが。
とねさんは恐ろしく多読の様ですから、宣伝になりますが、論文を紹介させて下さい。
統一場理論に関心のある方には興味深いと思います。
https://vixra.org/hep/2404
Physics> High Energy Particle Physics>2024 - 2404(2) viXra:2404.0033 [pdf]
3部構成で各部の関心事・main themeは、以下の通りです。
partⅠ:統一場の原理と方法
partⅡ:発散の困難の克服
partⅢ:量子重力理論・宇宙論
はじめまして。コメントありがとうございます。
幾何学の本は紹介していませんが、以下のような本をお勧めします。
文系の読者にお勧めする理数系書籍リスト
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/7dee199fe31ca60820a4698e9e553cfe
ブログ少し拝見させていただきました。私が前橋に行ってから11年経っていることがわかりました。
梨園ジャズライブ@前橋
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/f536eeaa7c250bc2a465175735bdbec3
これからも、よろしくお願いいたします。
詩の父は数学だと、根拠もなく信じるものです。というのは、良い詩はときに見事な幾何学模様を感じるときがあるからです。そして、詩にも詩次元といいたくなるような世界とことばの旅でたまに遭遇することがあるからです。多くを直感から出発するのですが、何だかオカルティックな陶酔に陥らないように、数学(特に幾何学)を学びたいなと常日頃思っているのですが、言葉には何とかついていけるのですが、記号が出てくるとさっぱりわからずお手上げです。(ネットサーフィン(死語かな)しているうちにここに辿り着きました。)とねさんのブログで少しずつ勉強させていただきたいです。ヘンテコな闖入者をご容赦くださいませ。ご挨拶まで。
コメントをいただき、ありがとうございます。私も1962年(10月)生まれで、60歳です。
ブログを拝見させていただきました。物理学、数学だけでなくフランス語も共通の趣味なのですね!
僕がブログを始め、物理学、数学の勉強を始めたのは44歳のころですが、そのころに「還暦も過ぎ」ということばを聞くと「ずいぶん先のことなのだなぁ」と思えていました。ところがあっという間に60歳を迎えてしまいました。でも自分が高齢者だとはあまり思っていなく、自覚もありません。44歳のころよりも体力は落ちましたが、理解力はまったく変わっていません。
これから楽しみながら、数学、物理の世界を堪能していきましょう。応援しています。
まだたどり着いただけで、中身は殆ど拝見していないのですが、今後の学習の参考にあちこちから読まさせていただこうと考えています。
ちらほらみたところでは、凄く参考になりそうで、楽しみです。
本ページ、少し前のコメント欄から、同い年のように思えます(1962年生まれです)。学び始めるのは十数年違うようですが、勝手に同級生のお仲間と思い、とねさんのように楽しみながら学んでいきたいと思っているところです。
はじめまして。
いただいたコメントの公開が遅くなり、申し訳ござませんでした。seneさんのブログの記事も読ませていただきました。「2.1 とね日記が経緯」という箇所で、僕のブログを紹介していただき、ありがとうございました。その中で「この本の元は、ファインマンの講義を録音し、それを文字に起こして整えたもの」とお書きになっていますが、ご存じだとは思いますが、その録音は昨年一般公開されました。以下の記事で聴き方を紹介しています。日本語版の本を読みながら録音を聴くと、英語が苦手な方でもついていけるくらいのレベルです。
『ファインマン物理学』の名講義のオーディオが公開されている
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/12206b7ef997402678f4f55ce863a4fc
これからも、よろしくお願いいたします。
これからもとねさんの記事を参考に物理学の探究をしていこうと思います。
ためになる記事、ありがとうございます!
はじめまして。コメントをいただき、ありがとうございます。古希といっても昔とは違い、まだまだ若いですね。私も来年は還暦だとはとても信じられません。
このブログで紹介しているような読書生活をもう15年続けていますが、始めたころより体力の衰えを実感してきました。読書し始めると、とても興味がある本なのに眠り込んでしまうことが増えてきました。
僕の方も3歩進んで2歩下がる感じです。これだけたくさんの本を読んで紹介記事を書いていますが、2年以上前に読んだ本の内容は忘れています。これは人間であるかぎり仕方のないことです。
ですので、焦らずじっくり楽しみながら進めるのがよいと思います。
こちらこそ、今後ともよろしくお願いいたします。
最近は、YouTubeで『予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」』を見たり、少し前になりますが、NHKで放送された「神の数式」や村山斉さんの「最後の講義」なども興味深く拝見しました。
書店ではブルーバックスの書棚を必ず確認しますが、事前に講談社のブルーバックスのサイトを見てから手に取るようにしています。
フランス語は、少しでも知識がある英語をもっと勉強したほうが良いと判断しストップしています。一時、同時進行させたのですが、私の頭では無理でした。
私からすると、とね様は英語とフランス語の原書が読めて、理数系の知識が豊富という、うらやましい限りの人生を歩まれていると思います。
今から、とね様に追いつくのは無理にしても、まだ10年は勉強できるかなと思っています。いずれにしても基礎が重要と考えていますので、3歩進んで2歩下がる状態ですが、少しずつ進んでいこうと思っています。これからもこのブログを楽しみにして拝見させていただきますので、今後ともよろしくお願いいたします。
はじめまして。コメントありがとうございます。
読書にかけた時間は測っていませんが、1万時間は確実に超えていると思います。
大学院に進学して研究者を目指してというのは、僕の現在の状況ではほぼ考えられません。趣味で学んでいる方が楽しいですし、専門的に学ぶともっと狭い分野だけの勉強に集中してしまいます。これまでのように幅広く学ぶスタイルのほうが自分に合っているようです。
ぜひ、大学院に進学して研究者を目指して欲しいです。
はじめまして。うれしいコメントをいただきありがとうございました。こちらこそ、よろしくお願いいたします。
後藤様のブログはこちらですね。とても面白そうなので読ませていただきます。
gontanoe
https://gontanoe.muragon.com/
gontanoeを検索です。もしかしたら以前見て頂いた事あるかもしれませんが。今後とも宜しくお願い致します。
そうですね。この本は入門者が量子論全体を手軽に俯瞰するにはちょうどよいです。
ただし入門書にはコペンハーゲン解釈の不思議さを強調することがずっと続いており、近年の量子情報理論から見れば不思議でないこともわかってきたことを考えると、今後入門書も書き換えられていくのかもしれません。
ありがとうございます。
佐藤勝彦先生の"量子論を楽しむ本" (PHP文庫)は、数式が殆どなく、大学以降で学ぶ専門的用語を殆ど使っていません。
「量子論を使える人は多く居るが、理解している人は一人も居ない」とファインマン先生の言葉が紹介されていますが、この本全体で、決定論が主流の古典物理学では理解できない量子論を、20世紀の科学者達がどのように発展させてきたかを紹介することで、このファインマン先生の言葉を主題にしているように感じました。
解釈問題はそれとして議論を残しつつ、応用やより根本的な統一理論の進展が大切で、場合によっては今後の進展が解釈問題を解決する可能性を示唆されています。
シュレディンガーの猫は未だ解決していないという記述があり、まだ疑義を残している問題だと佐藤先生がお考えなのだろうか?と感じました。
量子論全体を私のような入門者が俯瞰するには良書だと思います。
とはいえ、私は量子化学は一応は授業で学んでおり、後半での量子化学に関する記述は、平易な表現にすることで却って分かりにくい、逆に言えば、学んでいないと理解できないように思いました。
Googleから「書名 とね日記」で検索するのがいちばん早いと思います。あとブログをパソコン表示させてからカテゴリーの「記事一覧(分野別)」から探す方法もあります。
残念ながら佐藤勝彦先生の"量子論を楽しむ本" (PHP文庫)は読んでいません。立ち読みはしたことありますが、とてもよい本ですよ。量子論入門者には最適だと思います。
書名から、とねさんがお書きになった過去記事を検索できますか?
今、佐藤勝彦先生の"量子論を楽しむ本" (PHP文庫) を読んでいます。
もしこの本の記事をお書きになっていたらば、読んでみたいと思っています。
学研の「計算と図形」はとてもよい本です。このように優れた本をなぜ絶版にしてしまったのかはわかりません。
視覚障害をお持ちなのですね。「活字より絵のほうが見やすい」とのことですので、少しは見えるわけですね。以前、ツイッターで全盲の学生(現在は数学専攻の大学生)と知り合いになったのですが、彼だけでなく全盲の理数系人の役に立つかなと思って記事を書いたことがあります。
視覚障害者が読める理数系書籍や学習環境について(リンク集)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/4eff04be772bb5d20f62a886c2502a5f
数式を効率的に点字入力する方法の調査(1)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/e50b547ed716581ffbfa1d399de5572e
僕自身も30年以上前、大学生のときに点字サークルに入ってボランティアをしていたことがあります。茜様は点字での読み書きは必要がないのだと思いますが、点字は6つの点で1文字をあらわしますから、数式を点字にするのはとても困難です。数式に関しては世界統一がされておらず、各国が違う点字システムを使っている状況です。だから全盲の数学科の学生は、日本語流と英語流の数学点字を覚えなければならないわけです。
「計算と図形」が茜様のお役に立つことを願っています。
さっそくのお返事、恐れ入ります。そして本の情報をありがとうございます。「計算と図形」買ってみます。視覚障害のため、私の場合活字より絵のほうが見やすいので格好の参考書になるとおもいます。
これから自分の前に、どんな世界が広がるのかとても楽しみです。家族には、学のないヤツが考えるな、無駄だと馬鹿にされますが、思考や真実を求めることはとうてい止めることなどできません。幸い?と申しますか、療養中のため時間はたくさんあります。この贅沢な時をあじわいたいと思います。行き詰まることがあっても、その答えがでたときの清々しさや、あらたに湧き出た発想のとうとさは分かるつもりでおります。なににも代えがたい価値あるものです。
今回のとねさんのお返事の内容、とてもよく解りました。お心遣いありがとうございます。
コメントありがとうございます。ブログの記事がご期待に沿えるようでしたら、とてもうれしいです。
小学校の算数から学び直していらっしゃるのですね。1冊だけ算数の本の紹介記事を書いたことがあります。絶版ですがいま確認したところアマゾンの中古では692円からでているようです。
満点学習まんが 計算と図形(学習研究社)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/aed5928178455afa15c414d6eb8ee14e
中学生向けだとこちらになります。
増補改訂版 語りかける中学数学: 高橋一雄
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/d2cd4449fdf1c34ccc8690e32a89eb2f
時間とは?「存在する」とはどういうことなのか?星は人が生まれる前から有るが、それを自分が見られるのはなぜなのか?これは見え得ないはずのものが見えているのか、などに関心をお持ちなのですね。
哲学、宗教、心理学など、これらのことをとらえる方法はいろいろあります。僕のブログでは科学(数学)からの理解を目指しているわけですが、多角的に関心をもたれることも一理あると感じています。自然現象を数式でとらえるにはA=BやA≧Bのように、たいてい方程式か不等式になります。これは数式を使う理解の方法だと、かならず2つ(あるいは3つ以上)のものの関係ということでしか理解できないということを意味しています。
数式を使ったおかげで理解したことのうち、いちばん驚いたのは3次元空間では4つに見える物理現象を4次元時空から見ると1つに見えるということです。たとえて言えば3次元空間では4人の違う人が4次元時空だと同一人物になってしまうようなものですね。これについては次の記事に書いておきました。
マクスウェル方程式を1本にまとめたのは誰?
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/226568b2c27822fb9fdfdb088e7018d3
道のりは長いと思いますが、じっくり楽しみながら取り組まれるとよいと思います。
数式が苦手な方に対しては、次のような記事を書きました。
文系の読者にお勧めする理数系書籍リスト
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/7dee199fe31ca60820a4698e9e553cfe
これからも、よろしくお願いいたします。
はじめまして。今日初めて貴ブログに出会いました。とてもうれしくてコメントを投稿させていただきました。
正直に申しあげて、この紹介記事をよんでも私にはほとんど理解できませんでした。でも、なんて引き込まれる文体と、お考えなのでしょう。私は中学しか出ておらず、いまは30半ばにして小学校の算数からやりなおしをしている最中です。最近になって物理に興味をもち、なにで勉強したらいいか…と思い、とねさんの「200冊理数系書籍…」の記事を見つけて拝見しました。面白そうな本ばかりでわくわくしました。
日頃考えているのは、時間とは?「存在する」とはどういうことなのか?星は人が生まれる前から有るが、それを自分が見られるのはなぜなのか?これは見え得ないはずのものが見えているのか…など。数年前からかじっている哲学とは別の分野からこれらを考えることができると知ったときの喜びといったら、表しようがありません。やはり算数からでもいいから続けようと思いました。
そのようなわけで、これからこっそりととねさんのブログを応援したいと思います。理解できるようになりたいです。世界がどうなっているのか知りたい。ほんとうのことを知りたい。せめて真実に近い仮説を解りたいです。
とりとめもなくなってすみません。お許しください。 茜
5周年おめでとうございます!僕のブログがアクセスアップの役に立っているのですね。よかったです!
ということは、僕のブログをもっとアクセス増やせば、やすさんのブログのアクセス増にもつながるわけですね。頑張らねば!
これからも、よろしくお願いします。
私のブログ e-Gadget が5周年で、今日から6年目に入ります。累計9万人、累計PVが30万を超えました。とね日記に比べると全く以て大したことは無いのですが、究極のワンテーマブログとしては、よくここまで来たな...といったところです。
e-Gadget に来られる外部リンクは、とね日記がダントツで一位です。なのでお礼申し上げます。
※ e-Gadget 開設5周年
https://egadget.blog.fc2.com/blog-entry-672.html
こちらこそ、お久しぶりです!
理工担当になれてよかったですね!科学系の本への興味がさらに増すことでしょう。
僕は(27年ぶり)に転職したばかりで、新しい仕事に慣れるまで、勉強やブログ記事書きのペースが落ちてしまっています。慣れてきたら以前のペースに戻ると思いますので、それまでお待ちくださいね。
今書店勤務ですが、文具から理工担当に配属されました!
また色々教えて下さいね!
そうですよね。幸い僕は大人になってから入院したことはありませんが、もし長期入院することになったら、次のような本に取り組みたいと思います。
- ぺスキンのAn Introduction To Quantum Field Theory
- ポルチンスキーのストリング理論
- ランダウ-リフシッツ理論物理学教程
- Gravitation(黒電話帳)の英語版
これだけあれば十分でしょう。
とにかく暇ですから教科書を持ち込めば否応無く勉強が進みます。
会社の同僚には交通事故で入院して1ヶ月で一般相対論を制覇した人もいます。(さすがにアキれた)
はじめまして。コメントを投稿いただきありがとうございます。
> 大学時代とは違い、なかなかモチベーションを保てず、罪悪感に苛まれます。
罪悪感を感じる必要はまったくありませんよ。趣味の活動は義務ではありませんから。
自宅ではときどき勉強するだけで、僕はもっぱら土日、祝日に地元のカフェ(エクセルシオールカフェ)で勉強しています。まわりに人がいるほうが意識を集中しやすいです。(家だとついテレビをつけてしまいますから。)
勉強や向上を目的とするだけなら、自分のレベルに合う教科書だけを読めばよいのですが、それでは息切れをしてしまいます。ですので、ブルーバックスのような易しいものから大学院のレベルの教科書のように難易度が高いものまで、かわるがわる読んでいます。あと、分野も物理学、数学、それ以外のものを交互に読むようにしています。
いろいろなレベルの本を読むことで、その本を読もうとしているブログ読者にも参考にしていただけますし、科学への関心をひきおこすことにもつながります。
自分は大学時代、物理学を専攻しておりましたが、社会に出てからは物理学とは別の道を進んでおります。
ですが、最近再び物理学を学びたいと思い、休日を利用して勉強を始めました。
大学時代とは違い、なかなかモチベーションを保てず、罪悪感に苛まれます。
とねさんのように社会人になっても学び続けていくための方法などありましたら、ご教授願えますと幸いです。
また、普段自宅で勉強していることが多いのですが、とねさんはどこで勉強されていますでしょうか?合わせてお答え願えますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
ソフトウェア系の翻訳は用語や表現にばらつきがあるとみっともないので、それらの統一をするのが大変です。翻訳量が多くいちどに複数の翻訳者がかかわることになるので、なおさら難しくなります。
周期表は高校時代に語呂合わせで覚えましたが、英語圏でも同じようなことをして高校生たちは覚えているのかな?と思いました。最近は「元素図鑑」のように美しい写真付きで学べるので、小中学生に興味をもってもらうのに好都合だと思います。
引っ越しを控えていらっしゃるとのこと。腰を傷めないよう、気を付けてくださいね。
重い荷物の持ち方にはコツがあった!! こうすれば持ちやすいです。
http://www.recycle-angel.com/blog/2015/05/31/259
私はメッサチュセッツ州のWestfieldに住んでいます。
今月末に隣の州に引っ越します。
ソウトウェア系の英語は読んでみたいです。
訳した人柄が現れるので面白そうですね。
理科や科学本当に好きなんです。
Periodic tableとかは趣味で覚えたりしてます。
はじめまして。読者登録いただき、ありがとうございます。
アメリカ系のソフトウェア業界に身を置いていますが、大学卒業まで理系の世界に身を置いていました。
その意味で素人ながら勉強をしているのでいつまでたっても自分の理解に満足できないため、威張ることができないのです。w
理解できたことだけ、こんなに面白いことに気づきましたという感じで記事を書いています。
蓮の華さまのブログを少しだけ拝見させていただきました。日ごろ本業(ソフトウェア)関連の英語ばかりですので、自分が読み書きしているのとは全く異なる世界の「対訳」がとても参考になります。折に触れて読ませていただきますね。
上位圏内のブログは何か威張っている感じがしますが、筆者さんのブログは謙虚ですね。読者登録させて頂きました。
学べるあれこれが豊富ですね。
教えていただき、ありがとうございます。これはよさそうな科学史講座ですね。
講師の先生は金沢工業大学ライブラリーセンターの館長さんとのこと。プリンキピアの原本が所蔵されている施設ですね。
アイザック・ニュートン (1642-1727)
自然哲学の数学的原理(プリンキピア)
ロンドン, 1687年, 初版.
http://www.kanazawa-it.ac.jp/dawn/168701.html
ほかにもすごい資料がたくさん!
http://www.kanazawa-it.ac.jp/dawn/title.html#0
「世界を変えた書物-原著で辿る科学知の潮流-」
https://open.netlearning.co.jp/lecture/index.aspx?cid=00013J12
お知らせまで。
お仲間にならせていただきました。もっと前からこうすればよかったなと思っています。
このところ知り合った人にブログを紹介する機会が多かったもので、その都度説明するのが大変でした。
このようにブログの紹介をトップに表示させておけば便利ですね。初めてお読みになる方の利便性も増すと思います。
設定する日付はやはり思いつきやすいのは2020年でしょうね。僕も月日を誕生日に変えるかもしれません。
10月3日に設置しましたが、いまでもこの記事には毎日50アクセスくらいあります。
ここ1ヶ月ほど忙しくしていて、久しぶりに邪魔したところ常にトップに表示されるページが新設されているではありませんか?
私のブログでも、2020年の自分の誕生日の日付けで常にトップに表示される記事を掲載し、ブログ内の道案内(目次)を掲載しています。2020年は日本にとって複数の観点から記念すべき年だと、将来の歴史家が記述をするだろうと思って、この年にしました。
そんなことで、あとで消して頂いても構いませんので、思わずコメントをつけたくなりました。