生活習慣病の運動療法
運動療法は、血圧や血糖値を改善したり、HDLコレステロールを増やす効果があります。
生活習慣病には、食べ過ぎや飲み過ぎ、不規則な生活リズムなどの生活の乱れが深く関係しています。運動不足も、生活の乱れのひとつです。そのため、生活習慣病の治療には、食事療法とともに、運動療法が欠かせません。
運動療法にはさまざまな効果がありますが、最近、とくに注目されているのは、運動がインスリンの働きを良くすることです。インスリンは、血糖を調節するホルモンですが、インスリンの働きが悪くなると、血糖が高くなるだけでなく、血圧やトリグリセライド(中性脂肪)、HDLコレステロール(善玉コレステロール)の代謝にも悪い影響を及ぼします。つまり、メタボリックシンドロームにもインスリンの働きが悪くなることが深く関係しています。
運動は、インスリンの働きを良くすることを通じて、血圧、血糖、脂質に良い影響を与えます。たとえ体重になかなか変化が現れなくても、根気強く続けましょう。
なお、運動療法は適切に行わないと効果がないばかりか、かえって体調を悪くしたり、思わぬケガをすることがあります。また、患者さんによっては運動療法が勧められない方もいます。運動療法を始める前に、必ず主治医にご相談ください。