最近本屋さんで平積みになっている本に「AI VS 教科書が読めない子どもたち」というのがあります。
何となく気になっていた分野の本だったので、早速買い求め、一気に読んで、ことの他ショックを受けました。これは国立情報研究所の教授、新井紀子さんの著書です。
新井紀子さん、と言ってもピンと来る方の方が少ないでしょう。でも、「東ロボ君のチームリーダー」と言うと、ああ・・・・と思う方がおられるかもしれません。
東ロボ君とは「ロボットは東大入試を突破できるか?」というテーマのプロジェクトです。数年の目覚しい改良ののち、昨年、テレビのニュースでは「東ロボ君、東大入学をあきらめる」と報道されていました。
このプロジェクトは進化し続けるAIに、今何が出来て何が出来ないかを検証するためのものです。
そして東ロボ君は東大入学こそはあきらめはしたものの、MARCH(明治、青山、立教、中央、法政)クラスの大学に合格できる能力を身につけた、とあります。
やった!これでロボットに面倒なことを任せて悠々自適だ、と思いますか?
そうは問屋がおろしません。今の雇用の半分はAIに取って代わられ、町には失業者があふれる、と彼女は書いています。AIに出来ない仕事をする人の慢性的な人手不足と、失業者で、深刻な事態になる、とあります。
今やYahooの検索も、銀行のATMの指紋認証も、クレーム処理のオペレーターの対応選択もみんなAIがやっています。
24時間働けてしかもミスをしない。
生身の人間はかないません。
昔イギリスで産業革命が起こったとき、機械に職を奪われた大勢の失業者と、管理する側のいわゆるホワイトカラーの人材不足で大混乱した、とあります。
AIの席巻はその影響が地球規模になることを意味していますから、不均衡はもっと大きくなるでしょう。
では、AIに出来ない事って何でしょう??
実はAIは読解力がありません。
統計的に次に来る言葉を捜して、それらしい答を作ることは可能ですが、意味がわかっているわけではないのです。
ですから、類推して答えたり、文章を頭の中で映像化したり、ということはとても苦手です。それなのに、明治大学や法政大学に合格してしまう・・・・。
新井さんの疑問は、「では子どもたちはちゃんと読めているのか?」ということでした。
新井さんのチームは中学生高校生対象の大掛かりな調査を行いました。そして、そこでわかったことは、とてもショッキングな事実でした。実は教科書レベルの文章を正しく読めない子が結構な割合でいる、というのです。
① 幕府は、1639年ポルトガル人を追放し、大名には沿岸の警備を命じた。
② 1639年、ポルトガル人は追放され、幕府は大名から沿岸の警備を命じられた。
この①②の文を「同じ」と誤答した中学生は43%、高校生でも28%。高校生になっても3分の1近くの子が正確に読み取れないのです。
メジャーリーグの選手のうち28%はアメリカ合衆国以外の選手であるが、その出身国を見ると、ドミニカ共和国が最も多く、およそ35%である。
(4つの円グラフが提示されて、そこから選択します)
この問題に至っては中学生12%高校生28%しか正解できていません。つまり、AIのような読みかたしか出来ない子が沢山いる、ということです。
新井さんはこの実験でもうひとつの発見があった、と書いています。
「高校の旧帝大進学率(東大、京大、東北大、阪大、明大、北大、九大)」と、この基礎的な読解力テストに非常に大きな相関関係があった、と言うのです。
基礎的読解力は実は人生を左右する、と書いています。
論理的に読むことの訓練は、読書では付かない、とも。
公文の国語教材は、理論的に読むための非常に優れた教材です。
少しでも沢山読んで、AIとは違う読み方が出来るようになって欲しいと思います。
何となく気になっていた分野の本だったので、早速買い求め、一気に読んで、ことの他ショックを受けました。これは国立情報研究所の教授、新井紀子さんの著書です。
新井紀子さん、と言ってもピンと来る方の方が少ないでしょう。でも、「東ロボ君のチームリーダー」と言うと、ああ・・・・と思う方がおられるかもしれません。
東ロボ君とは「ロボットは東大入試を突破できるか?」というテーマのプロジェクトです。数年の目覚しい改良ののち、昨年、テレビのニュースでは「東ロボ君、東大入学をあきらめる」と報道されていました。
このプロジェクトは進化し続けるAIに、今何が出来て何が出来ないかを検証するためのものです。
そして東ロボ君は東大入学こそはあきらめはしたものの、MARCH(明治、青山、立教、中央、法政)クラスの大学に合格できる能力を身につけた、とあります。
やった!これでロボットに面倒なことを任せて悠々自適だ、と思いますか?
そうは問屋がおろしません。今の雇用の半分はAIに取って代わられ、町には失業者があふれる、と彼女は書いています。AIに出来ない仕事をする人の慢性的な人手不足と、失業者で、深刻な事態になる、とあります。
今やYahooの検索も、銀行のATMの指紋認証も、クレーム処理のオペレーターの対応選択もみんなAIがやっています。
24時間働けてしかもミスをしない。
生身の人間はかないません。
昔イギリスで産業革命が起こったとき、機械に職を奪われた大勢の失業者と、管理する側のいわゆるホワイトカラーの人材不足で大混乱した、とあります。
AIの席巻はその影響が地球規模になることを意味していますから、不均衡はもっと大きくなるでしょう。
では、AIに出来ない事って何でしょう??
実はAIは読解力がありません。
統計的に次に来る言葉を捜して、それらしい答を作ることは可能ですが、意味がわかっているわけではないのです。
ですから、類推して答えたり、文章を頭の中で映像化したり、ということはとても苦手です。それなのに、明治大学や法政大学に合格してしまう・・・・。
新井さんの疑問は、「では子どもたちはちゃんと読めているのか?」ということでした。
新井さんのチームは中学生高校生対象の大掛かりな調査を行いました。そして、そこでわかったことは、とてもショッキングな事実でした。実は教科書レベルの文章を正しく読めない子が結構な割合でいる、というのです。
① 幕府は、1639年ポルトガル人を追放し、大名には沿岸の警備を命じた。
② 1639年、ポルトガル人は追放され、幕府は大名から沿岸の警備を命じられた。
この①②の文を「同じ」と誤答した中学生は43%、高校生でも28%。高校生になっても3分の1近くの子が正確に読み取れないのです。
メジャーリーグの選手のうち28%はアメリカ合衆国以外の選手であるが、その出身国を見ると、ドミニカ共和国が最も多く、およそ35%である。
(4つの円グラフが提示されて、そこから選択します)
この問題に至っては中学生12%高校生28%しか正解できていません。つまり、AIのような読みかたしか出来ない子が沢山いる、ということです。
新井さんはこの実験でもうひとつの発見があった、と書いています。
「高校の旧帝大進学率(東大、京大、東北大、阪大、明大、北大、九大)」と、この基礎的な読解力テストに非常に大きな相関関係があった、と言うのです。
基礎的読解力は実は人生を左右する、と書いています。
論理的に読むことの訓練は、読書では付かない、とも。
公文の国語教材は、理論的に読むための非常に優れた教材です。
少しでも沢山読んで、AIとは違う読み方が出来るようになって欲しいと思います。