悲しみがあれば流すためにあなたはあった－－ 追悼・吉本隆明さん

『記号の森の伝説歌』より－－ 　巣を出なかった女の幻と 巣を捨ててしまった男の幻よ 　舟の形が産み落とされる 　　　　恋はこえる 　　　　愛もこえる 　　妄執はただ走るだけ 　　　　　　　　　（舟歌） 　　　　　　水をくだる 　　　　　水の都にはいる 　　明るすぎるゲートの支柱に 　　　「欅」という舟をつなぐ 　　　　裸足になった魚が けっしてとどかない渇望のように 　　　ガラスの空を泳ぐ . . . 本文を読む

蘇れ金狼

　まだら狼。金狼。12月22日、交通事故で引退していた上田馬之助さんが亡くなった。71歳だった。 　ヒールの素顔は、心優しい好人物が多い。少なくともプロレスラーに関してはそうだ。『ママはヤシの実わり』の鶴見川五郎こと鶴見五郎さんは、野獣(！)のような外見に似合わず、料理が上手でケーキを焼くのも得意。ベビーフェイスの方が、ゼニに汚いイヤなやつが多いともいう。 　Wikipediaより上田馬之助さ . . . 本文を読む

同志永田をおくる

　同志永田洋子の獄死。 　しかしわれわれは、これで「事件の歴史に幕」というわけにはいくまい。 　帝国主義の権力は同志永田を「病死」に任せるしかなく、われわれもまた同志永田を「奪還」することができなかった。 　同志永田ならびに連合赤軍の同志諸君のあやまちは、弁護のしようもないものだった。しかし彼女の獄中３９年のたたかいは、戦前の共産党の「獄中１８年」より長く深く重い。 　７０年代のテロリズムは廃墟し . . . 本文を読む

森毅さんを悼む

　７月２５日、数学者の森毅さんが亡くなった。享年８２歳。 　昨年、調理中に大やけどを負ったというニュースに、「あの年齢で料理なんてたいしたものだ」と感心するとともに、「大丈夫だろうか」と心配した。ついに復帰はかなわなかった。 　森さんの名前を知ったのは、２５年前、臨教審を特集した朝日ジャーナルの別冊だった。森さん風にいえば「間違ったっていいじゃないか」という文脈だったのだろう。「京大にはひどい . . . 本文を読む

叛軍兵士・同志佐藤備三を送る

　今日は、チャイルドマス（罪なき嬰児殉教の日　Childmas，Innocents' Day）だという。 　この日、ヘロデ王がキリストの誕生を恐れて、ベツレヘム周辺の2歳以下の男の子をすべて殺害するように命令した。罪なく殺された幼な子たちが無邪気に天国で遊ぶことを祈って、ミサがあげられる。 　「Ｑ２７　戦争は子供たちにどのような影響がありますか？ 　１９９０年代だけで２００万人以上の子供が死 . . . 本文を読む

ふるさとを捨てず雪解けある限り

最後の越後瞽女・小林ハルさん、１０５歳で大往生 　最後の越後瞽女（ごぜ）として知られる新潟県黒川村の小林ハルさんが２５日午前２時１０分、老衰のため、同村内の特別養護老人ホームで亡くなった。１０５歳だった。 （読売新聞） - 4月25日11時47分更新 . . . 本文を読む

また明日

12月7日、10年来の仕事仲間のIさんが帰宅途中の駅で、心筋梗塞に倒れ、そのまま帰らぬ人になりました。まず心よりご冥福をお祈りいたします。 血圧が高いということ以外に、体が悪いなんて聞いたことがなかったので、なおさらショックです。あの日の夜、そう、倒れるつい3時間ほど前に、デザインカンプを持ってきていただいたのが最後になりました。 見た瞬間、「これはどうだろう」と訂正をいいだしそうなのに、困っ . . . 本文を読む