錆を育てる。
24年も錆をどう伝えるのか?
考えている
今もずっと考えている。
脆く、煩わしい、汚ないという
イメージをどう?変えて、
鉄の表情のひとつとして
鉄の衣として、
錆のことを
好きになっていただけるのだろうか?
シャビーシックな
インテリアやエクステリアが
最近ではカッコいいと
錆も少しずつ受け入れられてきたので、
僕も作品制作がしやすくはなってきた。
でも、その価値観は、
エイジングによる加工であったり、
敢えて似せてる錆風も多く、
本来の鉄の表情は
曖昧なイメージの中で
受け入れ易いカタチに
なりつつある。
それはそれで、
風合いに惚れてくれる方々が
増えてくれるから、
嬉しいことではあります。
ホンモノの錆から
感じる時間を
僕は伝えていきたい。
ちょっと扱いづらいけど、
ひと癖、ふた癖あるけれど、
手間のかかる
めんどくさいことに
鉄がくれる時間ってものがあるから、
そこは、
僕にしか出せない錆がある。
ギャラリーに並ぶ僕の作品は、
完成形ではない。
そこが、わかりづらいのは
わかっている。
けれど、
暮らしへ連れていってくれた方と
一緒に錆を育てたいと願っている。
錆は環境で色んな表情を
つくってくれる。
色も質感も、
お天気でも毎日違った表情をする。
それを伝えたくて、
未完成であり続けたいんです。
それを、これからも
ずっと表現していきたい。
錆を育てて24年。