銭湯でアート♨
約16年前、弥富町(現弥富市)にあった末広湯さんが廃業するとお聞きし、リノベーションさせてくださいと直談判してアートイベントを開催した。本当は、この銭湯を遺したかった。銭湯通いしていた僕にとってここは学び場であり、人の営みを感じるコミュニティであり、文化そのものだった。
落語の寄席、男湯にかけられた梯子、女湯を覗くと亀が足掻いていいたり、浴槽にキャンドルが灯されたり、洗い場の鏡には洋画や日本画が映っていたり、コーヒー牛乳、フルーツ牛乳を販売したり、大漁旗のように男湯女湯の暖簾靡かせたり、身長測定器やケロリンの黄色い桶、木製のロッカーにギザギザの鍵と数字の描いてある木板、壁のタイル画も普通に自然体にアート化してくれて、なにもかもが昭和の匂いでした。
ファッションショー、映画上映、音楽ライブ、夜カフェ、金魚ミュージアムとその後の企画をたくさんつくって準備したけど、老朽化による取り壊しが最善策となりました。その時は、残念でしかたなく、悔しかったけど、形が無くなっても、記憶の中にちゃんと匂いや音、人の温度とかも遺せてるってことは、当時のまま色褪せず美化し続けていけるから、それはそれで文化であると思ってます。今みたいにSNSがあったなら?なんて、思うことはありますが。
金魚ミュージアムか
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