kurogenkokuです。
591冊目は・・・。
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【kindle版】
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いまこそ、ケインズとシュンペーターに学べ ― 有効需要とイノベーションの経済学
吉川 洋 著 ダイヤモンド社
ケインズとシュンペーター。両者の主張の違いを現在の経済で起こっている様々な事象と照らし合わせながら読み進めていくと非常に興味深く感じるところがあります。
例えば、不況期に資本設備の稼働率が低下すると、ケインズ経済学の立場では失業と並んで稀少な生産手段の遊休を生み出す元凶と捉えている点に対し、シュンペーターの視点では技術進歩が速いほど資本の稼働率は低くなり、過剰設備が出るのは当然で、過剰設備が出るのはむしろイノベーションが進んでいる証拠と捉えます。
またケインズもシュンペーターも「モノやサービスに対する需要は必ず飽和する」という点について共通認識を持っていますが、その先について、ケインズは需要不足は与えられた条件だとして政府による政策を考え、シュンペーターは需要が飽和したモノやサービスに代わって新しいモノを作り出すことこそが企業家の役割(新しいモノが生み出されるから恒久的に飽和することはない)としています。
(注)ケインズとシュンペーター、実は同年生まれで、最後まで互いを認めようとしなかったそうです。。。
その他にも本書では、ワルラスの均衡論に対する両者の考え方の違いであったり、貨幣数量説や景気循環論に対する考え方の違いであったり、経済学を別の角度から眺めることができる点が非常に参考になります。個人的には超おすすめの本です。
最後にケインズとシュンペーター、二つの経済学を統合することが、現代経済学にとって大きなチャンスを生むというのが著者(ケインジアン)の考えです。
【目次】
第1章 いまなぜ、ケインズとシュンペーターか?
第2章 シュンペーターの処女作
第3章 ケインズの処女作
第4章 第一次世界大戦がもたらした転機
第5章 シュンペーターの主著『経済発展の理論』
第6章 ケインズ三部作(1)『貨幣改革論』
第7章 ケインズのロシア行
第8章 ケインズ三部作(2)『貨幣論』
第9章 忘れられた経済学者シュピートホフをめぐって
第10章 世界大恐慌の始まり─二人のファースト・リアクション
第11章 ロバートソンと需要の飽和
第12章 ケインズ三部作(3)『雇用・利子・貨幣の一般理論』
第13章 シュンペーター『景気循環論』─忘れられた大著
第14章 人口減少と経済─天才が考えたこと
第15章 天才二人の経済学
第16章 シュンペーター『資本主義・社会主義・民主主義』─資本主義は生き延びうるか?
第17章 ケインズ、最後の対米交渉
第18章 日本に与えた影響
第19章 二人の遺したもの
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