モトログ ~ある診断士の終わりなき挑戦~

事例2の「反省」と「気づき」

事例Ⅱの「反省」と「気づき」です。
「結構できた」との声の多い事例ですが、私自身は難しく感じましたし、出来は良くありません。
マーケティング事例は「多数派」に従い、冒険せず、平均点を狙う作戦でいったのですが。。。
それでは。


【第1問】
(再現解答)


(a)限定市場での地域密着型戦略
(b)古くからの居住者をターゲットに「安心、リラックスできる店」を目指して、地域密着型かつ限定市場内での浸透を図る戦略である。

(a)多店舗化と地域貢献を軸とした地域密着型戦略
(b)人口増加に伴い多店舗展開を行うとともに、地域に対する感謝の心を持って地域住民と信頼に裏打ちされた関係を構築する戦略である。

(a)社会貢献型の新サービス開発による事業拡大戦略
(b)人口の停滞に伴いハンディのある顧客に出張美容サービスを手掛けることで、商圏の拡大や社会貢献により事業拡大を狙う戦略である。

(反省と気づき)
人口動態の変化(3段階)について、どこで区切るべきか。
昨日「bukiyowさん」からコメントをいただきました。
http://blue.ap.teacup.com/motokuni/547.html#comment1170

確かに設問文には、人口動態の変化とともにB社が展開した「新しい」戦略について、と書いてあります。
ただ、人口動態の変化を3段階に分けてと考えると、やはり
①開業当時・・・「人口の変化も無く」
②開業から15年後・・・「人口の増加とともに」
③現在or今後・・・「人口の伸びが止まる」
としたほうが自然ではないでしょうか。
「bukiyowさん」がおっしゃるように「新しい」戦略という言葉を重視すれば、②から始まることになりますが、その場合には「人口動態の変化」を3段階に切り分けられなくなってしまいます。
というわけであくまでkurogenkokuの考え方としては、上記の3つの切り口でいいと思います。
ただここで問題なのが、与件1ページの中段、「現在の従業員数は・・・」以降で登場する、本支店のサービスや、コミュニティ形成などを「②開業から15年後」の出来事に含めるのか、「③現在or今後」の出来事に含めるのかという点です。
私は「多店舗戦略」を行いつつ、徐々に導入してきたサービスと捉え、再現解答では「②」に含めています。
与件の読み方によっては「現在の従業員数は・・・」以降に登場しているので、これらの付加価値サービスを③に含めて考えることも可能かと思っています。
専門校の解答を見る限りは、「②」に含めているケースが多いようです。

前置きが長くなりましたが「反省点」です。
B社が採用した戦略について。
(a)具体的な戦略名と書いてあるので非常に悩みました。
始めは「アンゾフ」の切り口でいこうと思ったのですが、「具体的な」が引っかかりました。
試験中、与件最後の「地域密着」のフレーズにかなり引っ張られてしまいました。
その結果、①と②で「地域密着型戦略」が見事にダブっている。。。。

では先ほどあげた「3段階」それぞれについて(再現解答)を見てみると。
①の段階について
人口の変化がないので、「限定市場」という表現は良かったと思う。
またかろうじて「限定市場内での浸透を図る戦略」と書いたので部分点はもらえるかも知れない。
ただ(a)にも「市場浸透戦略」という言葉を含めておけば良かった。
②の段階について
「人口増加に伴う多店舗展開」というフレーズは良いのだが、もっと競合の視点があれば良かった。
また第2問の設問文中に「本店と支店では美容院として業態が異なっている」とあるので「業態化」という言葉を盛り込んでも良かった。
私の解答の「地域貢献」は「地元出身者の採用」や「サロン(地域のコミュニケーションの場)の提供」などから引っ張ったのだが、解答の優先度は著しく低いと思う。
③の段階について
「人口の停滞」は良いと思う。
ここでの解答は「社会貢献」そのものよりも、やはり「新市場開拓」もしくは「多角化」という表現が適当だと思う。
これについては、白書の「社会貢献型企業」に完全に引っ張られてしまった。

60字という字数制限のある中ですべてを盛り込もうとした結果、逆に焦点がぼけてしまいました。
こういうつかみどころのない設問に対しては、「冒険せず素直に行く」ことを心がけなければならないとつくづく感じました。
冒頭に書いた「作戦」を早くも忘れてしまい、試験独特の焦りを今更ながら感じています。



次回に続く。

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コメント一覧

kurogenkoku
bukiyowさん、おはようございます。
http://blue.ap.teacup.com/motokuni/
>あの試験における独特な状況の、たった80分のなかでこれほどの考察を実践されているとは。

そこまでの思考は全くできていませんよ(笑)
X社長のように、右往左往して冷静さを欠いています。
おそらく採点者には見抜かれてしまうと思うので、厳しいと思います。
 ↑
字も汚いし。。。

>ただ、第1段階は、与件を読めば読むほど「もともと」や「人口の変化もなく」の部分はそれ自体削除しても文章は成り立ち、「新しくないよ」、「変化じゃないよ」
というシグナルなのかという懸念は消えません。

これについては難しいですね。
作問者が何を期待しているのか、正直わかりません。
1ついえるのは、多数派の解答に従うのがベストということです。
そういった意味では、私はやや的外れな解答だったかなという気がしています。
bukiyow
kurogenkokuさん。
私のコメントに丁寧なご返答をいただき、誠にありがとうございました。
週末に入り、私事で多忙な状況に陥ったため感謝を述べさせていただくのが遅くなりました。
お名前の件といい、再三のご無礼お許しください。
さて、設問1ですが、kurogenkokuさんの深い洞察力には、ただただ敬服するのみです。
あの試験における独特な状況の、たった80分のなかでこれほどの考察を実践されているとは。
私など本来なら門前払いです。
第3段階のご解答は、B社の経営理念と顧客生涯価値向上というマーケティング目標に沿ったすばらしい解答だと思います。
地域密着型の美容室ですから大変重要な課題であり、「一般的な事業会社とちがいますよ」
という前提が与件文の前~中盤にも込められていると思います。
ただ、第1段階は、与件を読めば読むほど「もともと」や「人口の変化もなく」の部分はそれ自体削除しても文章は成り立ち、「新しくないよ」、「変化じゃないよ」
というシグナルなのかという懸念は消えません。
「変化」、「新しい」における作問者の意図をどのように解釈するか、ですね。
第1問は、時系列で展開された戦略をどこで切り分けるかで模範解答もわれており、かなりの難問だったと私も思います。
長文となり申し訳ありません。
次回以降も参考にさせていただきます。
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