吉村京花☆歌う門には福来る

Jazz, Bossa Nova, Sambaを愛するシンガー、吉村京花のブログです。

いざ! 平泉 その2

2022年05月12日 | 音楽雑記
5月3日 いよいよ源義経公東下り行列当日です。
ホテルのロビーで昨日の健ラバさんたちと再会。一ノ関駅を8時前発の電車で、総勢6名で平泉に移動しました。
到着して毛越寺に向かうと、すでに入場待ちの長蛇の列。
これは想像以上の人出かも?と覚悟を新たに。
ただ、一緒に並んでくださる友がいると待ち時間も全く苦にならないものです。
入場できてからも、午後いちの行列出発まで5時間くらい待つわけですが、その間も場所確保しながら交代でトイレに行ったりできて、一人では正直どうしようと思っていたことがあっさりクリアできて、ありがたかったです。
メインイベントの開始を待っている間、天候がめまぐるしく変わり、晴れたかと思ったら黒雲から急に雨粒が落ちてきたり、強風が吹いたりでした。
ただそれも、健太郎くん扮する義経公が到着後はすっきりと青空が広がり、晴れ舞台にふさわしい天候が行列の間中続きました。
さすが晴れ男。

いざ行事が始まると、それまでレジャーシートに座っていた観客全員総立ちとなり、目の前は人の頭だらけ。
なんとか掲げたスマホで、もどかしい動画撮影はできたものの、肉眼では確認しづらかったのですが、馬に騎乗して以降は人垣より高い位置にいるお姿をしっかり確認できました。


それはそれは、この世のものと思われぬ美しさ。
NHKドラマ「アシガール」で羽木九八郎忠清、通称・若君を演じられただけあって、堂々たるお姿に美しい所作。本物の義経公が舞い降りたかのようでした。って本物はどんなだったか知りませんが、あくまで脳内で想像するのは、後の世の歌舞伎などで語られた悲劇のヒーロー義経公です。
健太郎くんは平安の武家装束、直垂がこの上なくお似合い。しかもスカイブルーに近い浅黄色のお衣装が青空に映えて、目に入っただけで幸せが押し寄せてきました。
あな尊し。


そこで一句

いにしえの 浄土成り合う 毛越寺

かつて2つの合戦を経て地元の豪族2家系が滅亡した後、戦で亡くなった人々の魂を弔い「この世に浄土を」という思いで、平泉に政治の中枢を置いた奥州藤原氏の願いが成就したような感覚を味わいました。

その後、行列は毛越寺を出て、中尊寺へ向かうルートへ。

門の外の沿道は多くの観客で埋め尽くされているであろうことは覚悟していましたが、想像以上。
主催者発表で過去2番目の24万人!! (ちなみに過去最多は2005年の25万人。その年の大河ドラマで義経を演じていた滝沢秀明さんが出演したときでした。) 


関係者の事前のツイートで、感染予防のため行列に付いて歩くことはNGだけれど、ルートを先回りして待ち受けるのはOKと聞いていたので、そのつもりで忍者(くのいち)の如くひた走るつもりで臨んだのですが、何と人垣で前に進めない。
それでも何とか間を縫いながら、駅前の折り返し地点で義経公のすぐ近くまで追いつきました。

後ろ姿も神々しい義経公に、たくさんのファンの方々が声掛けしています。
呼ばれて振り向いた表情がまた、絵になる。

そこで一句

見返りの 馬上の君に 骨抜かれ

1つ目の踏切を越えた無量光院跡(むりょうこういんあと)あたりで、次の踏切待ちでしばし足止めされる行列。その間、上空に燕が数羽旋回し、健太郎義経公のそばまで下降してくるではありませんか?
彼のファンクラブのシンボルが燕と知ってか知らずか、まるで晴れ舞台のお祝いに駆けつけているかのようで大層感動しました。こんな奇跡めったに起こるものではありません。
空には燕、地上には燕マークをつけたたくさんの健ラバたち。




そこで一句

天に地に 燕も祝う 晴れ姿

ちなみに、このとき目撃した様子をファンクラブ内のラジオ番組に投稿したところ、翌週の番組内で健太郎くんに読んでいただけました。ありがたや。
麗しい義経公のお姿を至近距離で見られただけでなく、奇跡の瞬間にも立ち会えた大満足の一日でした。

深い感動を胸に、行列は中尊寺へ。参道は細く激坂。
規制もあって行列からかなりの遅れをとってしまい、金色堂前に着いたころには先回りした人垣で一杯。ちなみに先回りしたのは、行列追尾をあきらめて近道経由で直に中尊寺へ向かった方々です。

私が確保できたのは、石碑の影に見え隠れする残念な位置取りではありましたが、金色堂参拝の法要の様子と終了後に地元テレビ局にインタビューされているところはしっかりと見届けることができました。


そこで一句
金色の 若武者うるわし 中尊寺


黄金で装飾された祭壇を安置する金色堂で有名な中尊寺。その黄金の輝きにも比肩する神々しさの義経公のお姿に触発されて、お粗末ながら俳句を読んでしまいました。
松尾芭蕉の「奥の細道」の一番の目的地は平泉だったそうで、何か人の創作意欲を刺激する魔力が、この地にはあるのかもしれません。
芭蕉の足元にも及びませんが・・・。

旅はまだ続く。その3もお楽しみに。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いざ! 平泉 その1

2022年05月12日 | 音楽雑記
源義経公東下り行列前日の5月2日。
朝8時台の上野発の夜行列車ならぬ東北新幹線で一ノ関駅へ。
平泉はそこから東北本線で2駅。
平泉より安い一ノ関にホテルを予約し、その日は行列ルートを下見しようという計画でした。

到着してから在来線に乗り換えるまで1時間弱あるので、宿泊予定のホテルに荷物を預けてからお昼でもと駅前のお蕎麦屋さんへ。
東京の感覚だと十分余裕ありと思っていたら、なんとお蕎麦屋さんでの提供が席に着いてから30分以上待ち。
時間の流れが違うのだな~と、モードを切り替え。まあ、約束とかあるわけではないので、あせってもしかたない。
在来線をあきらめ、移動手段を路線バスへ変更。するとバス停で2人の女性が待合中。
私を見るなり、「健ラバさんですよね?」。
健ラバさんとは伊藤健太郎ファンの略称。
私がファンクラブの燕マークのワッペンを帽子とバッグに着けていたのを見つけてくださったのです。
ちなみに燕のマークは健太郎くん自らがデザインしたもので、ご自身が燕好きであること、さらに燕が幸せを運ぶ鳥と言われており、これからたくさんの方々に幸せを運べるような存在になりたいという思いを込めて描かれたものです。

ファンクラブの名称GOLONDRINAS(ゴロンドリーナス)はスペイン語で燕を意味するとのこと。
なにはともあれ、予定通り東北本線に乗っていたらなかったかもしれない出会いをいただきました。これも旅の醍醐味。
バスでお話しながら、お二人も翌日の下見が目的とわかり、行動を共にしました。
平泉に着くと、まずは行列の出発地点である平泉駅から徒歩で約7~8分の毛越寺(もうつうじ)へ。
夢のように美しい毛越寺の浄土庭園。

行列出発前のねぎらいの宴の舞台となる大泉が池では、お寺の関係者が着々と準備を進めていらっしゃいました。

お話を聞くことができて、翌日の場所どりなどについて情報をいただけました。
その後お二人のうち一人は宿のお迎えの関係で別れましたが、お一人と行列のルートを確認がてら歩きました。その途中、別の健ラバさんがワッペンを見つけて声掛けしてくださり、しばし立ち話。こんな交流が広がり、健太郎くんには素敵な出会いを運んでくれてありがとう、すでに幸せを運ぶ燕になってるよと感謝の気持ちを新たにしました。
歴史資産の宝庫平泉。道々、見どころスポットに行き会います。
まずは、宇治の平等院鳳凰堂を模して造営されたとされる無量光院跡(むりょうこういんあと)。


建物は失われているものの、金鶏山を背景に豊かに水をたたえる池を中心とした浄土庭園の跡が再現されており、心洗われる風景を見ました。
翌日この付近で奇跡が起こるのですが、そのときは知る由もなし。
源義経公終焉の地、高館義経堂(たかだちぎけいどう)は時間的に入れなかったので、



行列の到着地点、中尊寺へ。

山一つ分丸ごと敷地の中尊寺の参道はなかなかの激坂でしたが、足腰鍛錬になると思えば何のその。
有名な金色堂は後日のお楽しみとして、敷地内の建物群を見学。

本堂に安置されたご本尊は、まるで健太郎くんを彷彿とさせる面影で美しき。

能舞台がまたかっこよい。

そして一番印象に残ったのは、奥の院的な位置にある大長寿院。
源頼朝はこの寺院を模して鎌倉に永福寺二階堂を建立したそうです。
山門の柱をつなぐ梁に多くの小石が五輪塚のように積み上げてありました。どのような意味があるのか調べそびれましたが、創建当時の人々の思いを表現しているように感じました。


そうこうするうちに、日も暮れそうな様子。
一緒に下見してくださった健ラバさんと夕食を共にし、一ノ関のホテルへ。翌日の本番に向けて万全の準備を整えたのでした。その2へ続く。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いざ! 平泉 その0

2022年05月12日 | 音楽雑記
毎年5月のゴールデンウイーク中に世界遺産の町、岩手県平泉町で開催される「春の藤原まつり」。コロナの影響で中止となった2020年、縮小開催となった2021年を経て3年ぶりに通常開催された今年のお祭りを見物しにいった記録を数回にわたってお届けします。

まずは事始め。

3月末に2022年「春の藤原まつり」通常開催と、メイン行事である「源義経公東下り行列」の義経公役に俳優の伊藤健太郎さんが決定したとのお知らせを受け、これは何が何でもイカネバの娘と化した私。娘じゃないけど・・・(セルフツッコみ)。


2011年に世界文化遺産に登録された平泉。東北の地で平安時代末期に都にも劣らぬ文化が咲き誇った古都のことは以前から気になっていて、いつかは訪れたいと思っていたところへ、今回のこの朗報。
奥州藤原氏が描いた、「この世に極楽浄土を」との思いが約900年の時を経て成就する様子を見届けたいと思ったのでした。
3代目秀衡公は、兄源頼朝に追われ行く手を阻まれていた源義経公を温かく迎え入れ支援したことで知られています。(今年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」でもそのエピソードが出てくるものと思われます)
義経公東下り行列はその場面を再現する催しであり、毎年旬の若手俳優さんを義経役にキャスティングして多くの観客を集めるイベントとなっているのです。

実は伊藤健太郎くんを意識し始めたのはコロナでお家時間が長くなり、ドラマも見るようになってからです。
それまで私は音楽に気を取られドラマはほぼ見ていませんでした。
それが、ステイホーム中にさまざまな名作ドラマが再放送されたこともあり、意識に入って来るようになりました。
NHKドラマ「アシガール」
https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2017081437SA000/index.html?capid=TV60

LIFE!〜人生に捧げるコント〜
https://www.nhk.jp/p/life/ts/99G3NPQNQ5/

日本テレビのドラマ「今日から俺は」劇場版の番宣
https://www.youtube.com/watch?v=qgm3_GDjdls

などで、伊藤健太郎くんの存在に気が付き、
こんなに演技に説得力のある素晴らしい若手俳優さんがいたんだと認識。
すっかり魅了されてしまったのです。
ちなみに最初は「アシガール」の若君と「今日俺」の伊藤ちゃんが同一人物と気づいていませんでした。
それほど、役柄によって違うたたずまいを醸し出せる俳優さんなんですよね。
魅力に気づいて以降は配信系で過去の出演作を見たり(これがまた振れ幅大きい)、
2020年に出演した6本の映画は全制覇。
主演映画「十二単衣を着た悪魔」
https://www.juni-hitoe.jp/

には何度も通い、内面から湧き上がる表情に毎回心揺さぶられていました。
もはや私の中では、いわゆる「推し」となっていったのです。
人生初の推しです。しかも下の娘と同じ学年の男子にです。

彼が2020年10月に起こした自動車事故については、事実として確認しておくと
2021年3月不起訴処分となり、相手方との示談も成立しています。
2021年6月末に復帰と同時にファンクラブが発足。
そのタイミングで私も入会しました。
以前の自分だったら考えられない動き。
それくらい魅力あふれる俳優さんなのですね。
そんなこんなの経緯があり、今回の平泉行きを決意してから、ツイッターでファンの方々や主催者の平泉観光協会の関係者の方々が発信する情報をたくさん参考にさせていただきました。
感謝申し上げます。

藤原秀衡公が逆境にある者に救いの手を差し伸べたように、平泉の町の皆様が伊藤健太郎くんの復帰をあたたかく支え、お祭りと一緒に再生して行こうという心意気を示してくださる。
そんな平泉の皆様に感謝の気持ちを表し応援したいという意味もあって、
普段だったら人混みは絶対避けたいタイプの私が、
敢えて馳せ参じることにしたのでした。
その1へ続く。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする