読んだ順番は、今年の初夏に「お縫い子テルミー」、つい最近「蟋蟀」の順です。
栗田さんの本は「オテルモル」と「ハミザベス」を最初に読んで面白かったので、「お縫い子テルミー」も読んでみました。
「お縫い子テルミー」
個人的にはもしかしたら今まで読んだ栗田さんの本の中では「お縫い子テルミー」が一番面白かったかもしれません。
個人的に私も服飾関係の専門学校に行って、服を作るというのが好きだったので、主人公テルミーの気持ちに少し共感出来る部分もあったからかもしれません。
それと、タイトル作ではない「ABARE・DAICO」が、とっても好きでした。
むしろ、このABARE・・の方がより楽しく読めたかもしれない。小学校5年生の男の子が、夏休みにアルバイトをするというお話なんだけれど、お母さん思いの主人公の男の子がとっても良い子だったし、身近なお話でいながら、なんだかワクワクもしました。4つ☆~4つ☆半
内容(「BOOK」データベースより)
依頼主の家に住み込み、服を仕立てる「流しのお縫い子」として生きる、テルミーこと照美。生まれ育った島をあとにして歌舞伎町を目指したのは十五歳のとき。彼女はそこで、女装の歌手・シナイちゃんに恋をする―。叶わぬ恋とともに生きる、自由な魂を描いた芥川賞候補作の表題作。アルバイトをして「ひと夏の経験」を買う小学五年生、小松君のとぼけた夏休みをつづる『ABARE・DAICO』収録。
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「蟋蟀」
難しい漢字ですよね~。これでコオロギって言うんだ。
10個の短編(サラブレッド/あほろーとる/鮫島夫人/猫語教室/蛇口/アリクイ/さるのこしかけ/いのしし年/蟋蟀/ユニコーン)
が入っているのですが、やっぱりちょっと読んでいて、短すぎるかなあ・・・もうちょっと読みたいんだけどな・・・と思っちゃいました。
オチもぼんやりしたものが多く、読んでいるこちらの気持ちが宙ぶらりんなまま・・・な作品も多かった気が・・。
10個の中では、「あほろーとる」がシュールで途中まで面白かった。最後は???だったけど。
「鮫島夫人」は、栗田さんが好んで書くジャンルのお話だな~と思いました。栗田さんの以前の小説でも、普通の男女の恋愛ではない・・、永遠の片想いみたいな、ちょっと切ないお話が上手だと思います。
「さるのこしかけ」の中で、どうやって自殺したら一番良いか?と考えた結果「雷に打たれるのが良い」と行きつくのが、笑っちゃいけないのに、なるほど~!と面白かったです。ただお話としては中盤までは、すごく面白かったんだけれど、オチがそんなんでもなかったかな・・。トータルすると3つ☆
栗田 有起 / 筑摩書房
生き物をテーマにした10の物語集。手を握ったひとの未来が見える占い師の身に起こったこととは?(サラブレッド) 優秀でかわいい秘書は、研究室に大きな水槽を持ち込んだ(あほろーとる)。夫の出世で住むことになった社宅には不思議なサークル活動が(猫語教室)。などなど
栗田有起 「オテルモル」「ハミザベス」感想
私も「ABARE・DAICO」大好きなんです。
ここで描かれる小学生男子がたまらなく好きで・・。
タイトルがユニット名だったというのには大笑いしました。
「蟋蟀」って「コオロギ」と読むんですね。
パッと見でなぜか「ハチミツ」って思いこんでたんですが、ちゃんと見ると全然違いますね(汗)。
こちらはこれから予約です。栗田さんの作品は追いかけてるので楽しみです!
不思議な味わいがあって、楽しい読書タイムになりました。
やっぱり読んでいると短かいなって思ったのですが、こういうぶつ切りの?長さが意図的なのかもって思ったりもしました。
もうひとつのも面白かったんですね。
ちょっと興味がわいてきました。
ここのところ、ちょっと病んだ様な小中学生が出て来る話しは読むものの、こういう元気でカワイイ小学生のお話って、そんなに出会うチャンスが無くて・・・それだけに、この子好き!!って凄く好感を持ってしまいました。
蟋蟀は、実は私も読めないまま、栗田さんの新作ってことで頭にインプットしており、後から「コオロギ」と読むということが解った次第です。確かにハチミツっぽい~~
juneさんの感想も後日楽しみにしていますね☆
>こういうぶつ切りの?長さが意図的なのかもって思ったりもしました。
確かに、確信犯なのかも。
不思議な味わいは、そのぶつ切りの短さによって、アップしていたのかもしれません。
ん~~~。でも、面白い設定だったりすると、やっぱりもうちょっと長く読ませて欲しいぞ~なんて思っちゃったりするんです
今後も栗田さんの作品には注目していきたいです。
実は、「お縫い子テルミー」とっても気になっていました。タイトルのセンスが最高にステキだなぁと思って。でも、栗田有起さんの作品は読んだことなかったので、やや躊躇していた次第。
latifaさんが太鼓判を押しているので、安心して、トライしようと思います!
星が見えやすい季節になってきましたね~^^
お縫い子テルミー、良かったですよ~。タイトル作もですが、もう一つ入っているお話が、また良くて!
私は栗田さんを読むに至ったのは、お友達のブロガーさんからお薦めされてだったのです。最初「オテルモル」を読んで、なかなか面白かったので、次々に手を出してしまっています。短いお話なので、さらっと読めると思います! 図書館とかでは、そんなに待たなくても回って来るかな~と思います
おりおんさんもお好きだと良いなぁ~
「お縫い子テルミー」読みました!
なんか、清清しいストーリーですね。一つ一つのセンテンスが短くて、すっきりした文体であり、でも、それって、テルミーの性格を現しているような感じがしました。
タイトルからは、もうちょっと“甘め”な感じのストーリーを想像していたのですが、甘くない。キリリとした感じが良かったです。ありがとうございました!
わ~!お読みになられたんですね☆
電車の中でもサクサク読みやすい文体ですよね。
私もタイトルからは、もっと甘めなお話なのかな?って連想したのですが、違っていましたね。
「オテルモル」も設定が面白いですよ^^ 内容的にはあんまり・・かもしれませんが、睡眠について、なかなか眠れない・・とか、こういうホテルがあったらなあ・・というのを考えたことがあったらなら・・楽しめるかな~と思います。
ありがとうございます。 「オテルモル」も、そのうち、読んでみたいと思います。短くて、リズム感のある文体が気持ちいいので、ちょっと、気分転換したい時なんかにいいかも…と思いました。
ただ、私、目をつむって3秒後には眠ってしまうんですよねぇ…。
うぬ~~それじゃ、オテルモル、そんなに面白く無いかもしれないな・・・。あまりお薦めしません
これはなかなか眠れない性分の人の方が睡眠という面で強い願いとかあるから、楽しめるかもしれない・・・と思ったんです。
おりおんさん、羨ましいなぁ~~!私は眠れない事で苦しむこと多い人間なので、どこでも寝れる・すぐ寝れるって人が、羨ましくてたまらないです。
ところで、図書館がお近くに無いんですか・・。それは残念ですね・・・。昨日新聞を見ていたら東京の千代田区図書館で、電子書籍?のネット観覧を始めたとかって書かれていて、それだと本を借りたり返したりする必要が無いんだとか! ただ、電子書籍ってどんな本が有るのか?というのを知らないので、あまり読みたい本が無いかもしれませんが・・・。今後こういうシステムが全国的に広がって行くと便利になりますよね。 とりあえず、仕事の関係で千代田区図書館に会員登録出来そうなので、トライしてみるつもりです。