面白かったです。劇団とかってあまり興味が無いので、大丈夫かなあ・・・と思ったのですが、面白く読めました。劇団の裏事情などが解ったり、兄弟愛とか、仲間のやりとりなどが微笑ましかったり。読んでいる最中も読み終わった後味も爽やかです。いまどき珍しく悪人とか殺人とかそういう物騒な事は何も出て来ないお話なのも良いです。
そして、いかにして節約して利益の上がらない劇団を黒字に持っていくか?経費削減や切り詰め方など興味深かったです。こういう無駄をなくして利益向上にがんばる~みたいお話は面白いですね。
私はいつも見る側からの視点でしかお芝居とかを見ていなかったのですが、主催者側とか、脚本を書く側は、なるべく劇団全員それぞれに華を持たせてあげて、出番もそれぞれある作品を書いてあげたくなる・・のが人情なんですね。
私は登場人数が少ない作品の方を好む性分だったのですが、そういう事情を、全然今の今まで気がつかずにいました。三谷幸喜さんの作品の凄い処っていうのは、そういう処にもあるのかもしれませんね。沢山の人をそれぞれ華を持たせて配置する・・・って点で・・・。劇団の脚本を書く作業って、すごい大変だなぁ~。面白い話を作るというだけじゃなくて、そういう処にも気を使わなくちゃならないんだ・・・。
あと、途中から参加することになった人気声優の羽田千歳(名前がナイス!)が、子供の頃から、そっとその場を抜け出す・・というのに慣れていて、どこか淋しげで遠慮深いエピソードなども印象に残りました。でも一番好きだったのは、弟と兄の関係かな。良いお兄ちゃんだよ~司は!
あとがきに、有川さんがこのお話を書くに至った経緯が書かれていて、ゼロのところから、たった3ヶ月弱でこの本を書き上げたというのにはびっくり! アニメ版の図書館戦争の声優さんが劇団に所属していて・・・というつながりで、劇団事情に詳しくなったんですね。
この小説、文庫版なのですが、以外と短いんですよね。2倍の厚さにして、その分もうちょっと牧子が追いかけさせる?エピソードなども読みたかったな。
沢山登場人物が出て来るのですが、さらっとしか触れられてない人が数人いたりするし(せっかくキャラは作っているのに)、これ1作だけで終わってしまっては、もったいない感じです。もっとそれぞれの登場人物をメインにした作品の寄せ集め・・みたいのもあったら面白そう。出来たら、また続編を書いて欲しいな。千歳と司さんは良い感じになるんだろうか? ドラマや映画にしても面白くなりそうですね。4つ☆
あと・・・この表紙はいかがなものか・・・。(すいません・・・)
表紙開いてすぐ登場人物のイラストが出ているのも、ちょいとびっくり。
シアター! (メディアワークス文庫) 有川 浩 2009-12-16
有川さんの他の本の感想
「フリーター、家を買う。」恋愛部分は無い方が・・・
「レインツリーの国」 「ラブコメ今昔」感想
阪急電車
「三匹のおっさん」感想
まだまだちょっとしか登場しないキャラもいるし今後のシアターフラッグの行方も知りたいし、これは是非シリーズ化してもらいたいですね。
司ももっと今後劇団に絡むんだろうしー千歳の存在感も描いてもらいたいし・・
登場人物紹介はビックリでしたね。
イラスト入りだし漫画みたいだし・・・最初あれ?これ子供向け文庫でした?と思ってしまった。
本慣れしていない若い子にも読んでもらいたかったのか、舞台パンフをイメージしたのか?
劇団の裏事情、面白かったですね。
ちょっと突き放した優しさの司、すごく素敵でした。
続編、あるといいですね。
有川さん、ほんとノリに乗ってるって感じがしますね。どれを読んでも勢いがあるし、外すことが無いです。
私もシリーズ化大賛成です。
>イラスト入りだし漫画みたいだし・・・最初あれ?これ子供向け文庫でした?と思ってしまった。
沢山登場人物が出て来る時に、人物名とおおよそのキャラクターの説明が書かれているのは、読んでいる最中に混乱した時とても役立つのですが、まさか観音開きで、あんなカラーのイラストがあるとは
司みたいなお兄ちゃん、良いなぁ~!
でも、もしかしてこの小説で私が一番ツボだったのは、子供の頃イジメられっこで、お家でお兄ちゃんと戦隊人形で遊ぶ事だけが唯一の楽しみだった少年が、人気劇団の脚本家になるに至る・・という経緯だったかもしれません。
すごく納得がいったんです。
続編あるといいですねー。
現実にしっかり根を張るタイプの・・・
おかん的な、リアルさを持った人が。
あの「時をかける少女」のコメント読みました。
また落ち着いて書き込みに来ますね。
今夫が風呂で、とりあえず今日はこれだけ。
何かすごい宿題で大変らしいです。
私も有川さんが好きな男子のタイプ、好きです
でも、実際は自分は、長男キャラより、どうも少々たよりない弟キャラの方が自分と合うみたいなんだよな・・・。
有川さんご自身が、きっと、男前というか太っ腹な性格なんじゃないかな? とっても有川さんって良い人で、人から頼られて好かれる・・って気がする。(本読んでて感じるだけだけど・・)
旦那様、忙しくて大変そうですね・・・
有川さんは、出会った人やものからどんどん刺激を受けて、新しい小説の題材を見つけてくる才能がある方なのだと思います。だから次に何がでてくるのか本当に楽しみです。( ̄▽ ̄)
これ、面白かったですよね。
続編が読みたいです。
>有川さんは、出会った人やものからどんどん刺激を受けて、新しい小説の題材を見つけてくる才能がある方
ほんとその通りだと思います。そういう点では、三浦しをんさんも、もしかしたらそういうタイプなのかな?
有名人気作家さんになって、どんどんこれからも色々なジャンルの人と出会うチャンスがあると思うので、期待したいですね。
PS 「聖☆おにいさん5」が発売になったんですねー 日月さんちでさっき知りました。