また角田光代さんの本を次々と読んでいます。「いつも旅のなか」「誰かのことを強く思ってみたかった」を先に読見終わって感想も殆ど書き終わっていたものの、そちらは、普通・・に読んでしまったので・・・。その2冊よりも、後に読んだ「presents」が私は好きだったので、今日は「presents」と「夜をゆく飛行機」を先にアップします。
「Presents」 角田光代 絵:松尾たいこ (2005年11月)
12編の短編集、あたたかくて良い小説♪
今まで読んだ角田さんの小説の中で、ベスト3に入りそう。
「名前、ランドセル、初キス、鍋セット、うに煎餅、合い鍵、ヴェール、記憶、絵、料理、ぬいぐるみ、涙」の12個の小説の中で、私が特に好きだったのは、「名前」と「合い鍵」かな。「ランドセル」「鍋セット」も好きでした。
「うに煎餅」は、角田さんらしい感じがしました^^私なら、悟君よりも、健介君に行っちゃうところだけど(^^;)
「名前」
春子という名前に思い入れもなく行きて来た私が、龍二⇒大地という名前の男と交際の後「面倒くささという点で結びついている」平凡な名前のノリオと結婚する・・・。そして妊娠して、母から名付け本が送られてくる。そこには・・・。
短編なのに、あ~解る!という部分と、ちょっとした暖かいドラマがあって、しかも明るいラストという処が好きです。
「合い鍵」
8年付き合って来たのに別れることになる・・・。でも恨む訳でもなく、すごい昔に合い鍵を初めてもらったあの時の喜びを、大切な思い出として・・・って部分とか、好きですね~。
(追記)
今度このpresentが映画化されるそうです!!
present 映画化について 配役など
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「夜をゆく飛行機」(2006)
谷島酒店の末っ子里々子(語り手)には、3人の姉と生まれなかった弟がいる。普通の庶民な一家を描いた小説。
角田光代さんといえば、「空中庭園」が有名ですが、それとはまた違った柔らかい感じ。私は、空中庭園の方が、より面白く読みましたが、「夜をゆく飛行機」も普通に面白く読みました。空中庭園 映画と小説比較
直木賞を受賞後に書いた初めての長編小説だそうです。「恐怖の大王が降臨するはずだった1999年・・・。でも、結局何も起きずに世界は普通に今日も回ってる」こういう下りが、以前読んだ角田さんの本にも何度か出て来た。私達世代は、幼少のころから、1999年で世界が終わってしまうかもしれない・・という恐怖?と覚悟を、心のどこかにいつも潜めながら、大人になった処があった気がします。それは今となっては、笑い話かもしれないけど。。。。
「夜をゆく飛行機」(内容・あらすじ)
谷島酒店の4姉妹、しっかり者で面倒見のいい長女、有子。彼女は高校の頃、駆け落ちして戻って来た過去がある。その時の男とは別れ、その後、別の人と幸せに?結婚して家を出てはいた。実家には、ちょくちょく遊びに帰ってくる。 次女の寿子は無口でおとなしいのだが、周囲の人間を苛立たてしまう処があり、学校では孤立、石になりたいと願う様な暗い毎日を送っていた。大学卒業して今はアルバイトをしている。 大学四年生の素子はファッションにお金をかけて行動的、今度谷島酒店の側にopenする大型ショッピングセンターに対抗すべく、実家の酒屋をワインに詳しいお店にしたいと願い、ソムリエスクールに通うようになる。
末っ子の里々子、受験を控えた微妙なお年頃。まだ恋愛未体験。
ある日、姉の素子が書いた小説が文学賞を受賞してしまう。その小説とは、小説というより、家族のメンバーの過去や姿をノンフィクション気味に書いた内容だったから、大変!!という内容。
その他の角田光代さんの小説色々、感想まとめ
私は「鍋セット」がツボでしたが、「名前」と「合鍵」もよかったですよね・・。思い出してじーんとしてきちゃいました。
「夜をゆく飛行機」は未読なんですが、おもしろそうですね。図書館に予約入れてみます♪
うわっ!juneさんも、健介君に行っちゃいますか?w
ちょっと、ほっとしたりして・・・。
もったいな~い!!!って本を読みながら言っちゃった私です(^^;)でも、角田さんらしいな、って。
鍋セットも良かったですね。一人暮らしをするようになった私の不安な気持ちが、すっごく伝わって来て。
お母さんが人混みの中、去って行く後ろ姿のシーンを一生忘れないかもしれない・・・(←随分違うかも)って処が、映像で浮かび上がる様でした。
その後の人生で、その鍋を、色々な場面で使いふるして行く部分も・・・ほんと良い話しでしたね。
夜をゆく飛行機は、私は普通におもしろく読んだって程度で・・・、むしろ空中庭園の方が、深層心理で痛い部分をつついて来る?みたいな小説も好きな私にとっては、好みだったりします(^^;)
でも、juneさんと同じく、ダークな感じの角田さんも好きですが、「presents」や、「この本が世界に存在することに」が、より好きです
「うに煎餅」の結末、あのアイテムが二人の仲を取り戻すというのが、
少しホロリとさせられるというか、こっちがヤキモチしちゃうような(笑)
でも、全体的に心が温かくなるような一冊ですね。これからの季節にピッタリかも。
「夜をゆく飛行機」も、またいつか読んでみたいな…と思います。
また、よろしくお願いします!
こちらこそ、ありがとうございました!
うに煎餅、そして一般的な目で見たら、ダメ男?というか・・・条件良くない男性を、優しい目で見つめてしまうサガ?の角田さんですネ^^
男性にご馳走してもらう、おごってもらう、って恋愛関係をあまりしたことがなかった・・・って以前エッセイで読んだので、こういう小説が、なにか実体験と繋がっているのかな~?なんて想像しちゃったりして・・・
夜をゆく飛行機は、4人の名前がすぐに覚えられなくて、紙に書き出してしまいました
初めてのご訪問先でコメント記入後にトラバしても届かなくて、悲しい思いをしたことから、
反映を確認してからコメントするつもりでしたが、先にトラバ返していただいて
・・・ありがとうございます(汗)。
「夜をゆく飛行機」、わずらわしさや、うとましさがあっても、
家族それぞれの思いや、つながりが感じられて、良かったですね。
また合う記事がありましたら(たぶん過去分になっちゃいますけど)
コメント、トラバさせてさせていただけるとうれしいです。
latifaさんからも、合う記事がありましたら、トラバお気軽にどうぞ。
またきますね。
そういう経験私も有りますよ~^^全然気にしないで下さいまし!TBだけでもコメントだけでも嬉しいし、ダブルで頂けると、更にです。
夜をゆく飛行機、女姉妹がいない私から見ると、羨ましかったりする部分がありました。兄弟が多いと、それぞれにドラマがあって??小説が1本書けちゃうっていうのも解りますネ
藍色さんちは、すっごく一杯小説のレビューがありますよね!私なんて最近本を読み始めたばかりの超初心者なので、是非是非色々これから読む際に参考にさせて頂きたいと思っています。また、今後も宜しくお願いします~
面白いんですね。やっぱり読んでみようかな。
latifaさんも、1999年の恐怖の大王におびえてたんですね。
私もです(笑)。子供の頃は、あぁ私が30歳ちょっとの時に世界は終わってしまうのかもしれないんだって、思ってました。
さすがに1999年の7月にはもう大人だったので信じてはいませんでしたが、今となっては笑い話ですねぇ。
空中庭園は、私自身は面白かったんだけど、回りにお薦めして、読んだ方の評判がいまひとつ・・・なんですよ・・・。ちょっと痛い部分も有りかな・・。
こちらの夜をゆく飛行機の方が、そういう痛いという点では、読みやすかったかも・・・。おもに姉妹に視点がおかれていて、空中庭園は、家族、それぞれが・・という感じでした。ん~。でも、やっぱり、私個人的には、空中庭園の方が、こちらの作品より面白かったかも。
juneさんも、ノストラダムス・・におびえていたんですね~お仲間発見で嬉しいな☆
あと、ひとりっこ⇒ぼーっとしてる は、家の子に、すっごく当てはまってます。あれは、、何をしているんですか・・ね? 考え事でしょうか?それとも、単にぼーっと漂ってるんでしょうか