
妻木頼黄は辰野金吾と迎賓館を設計した片山東熊とともに明治の三大建築家と言われています。
以前辰野金吾についての本「東京、はじまる」門井慶喜を読んで、彼のライバル的存在の妻木にも興味があったところ、こういう本が発売されたのを知って読んでみました。
ただ、この本は妻木の人生を描くという感じではなく、妻木の周りにいた人達を通して見た妻木像を集めているので、どうもどっぷりハマって読むという感じになりにくく、また分厚い本なので、読むのにかなり時間がかかってしまいました。
個人的には、幼い頃からずっと人生を辿った伝記風の方が読みやすくて好きなんですけれどもね。
プライベートな面も少しだけしか触れられていないので・・・若干物足りない感も。
辰野金吾VS妻木という比較部分は、双方に配慮された書き方をされていました。
辰野金吾はガッツがあって野心的で、グループをつくって人を従えるタイプですが、妻木は徒党は組まず、群れず、ひょうひょうとした人という印象です。
職人をリスペクトし、大切に丁寧に接していた処がとても好印象でした。
完璧を目指してやり直ししたり、手抜き工事等もっての他!な体質も良かった。
妻木さんは元来頭が凄く良く、仕事が早く、前もっての段取りも万全で、人扱いがとても上手です。
妻木は旗本の長男(徳川側の幕臣の子)でした。勝利した側の佐賀(唐津藩)の辰野や曽根とは逆です。
妻木は幼くして両親を失い、屋敷を処分したお金を持って10代で単身渡米してしまいました。それも特に目的もなく、ふらっとです。
アメリカのNYで知り合った日本人つながりで建築に興味を持つようになり、彼の才能を感じた人達のお陰もあって(お世話になった人に、そっけないなあと思うシーンが多々あったけど)、建築家になる、とっかかりを得た感じです。
彼は江戸に育ち、江戸の町は美しかったという江戸への愛情を持っていて、明治の文明開化により欧風の建物が唐突に出来て町が変わっていくのを複雑な心境で見ていたのかもしれません。彼は欧風の建物と日本ならではの和風建築要素を混ぜ合わせた美しい町を作りたいと思っていました。
妻木の代表作といえば、横浜レンガ倉庫、日本橋、旧横浜正金銀行本店(現・神奈川県立歴史博物館) ですが、残念ながら私が読んでみたかった横浜レンガ倉庫や、神奈川県立歴史博物館については語られてなかったです。
横浜商銀本店(現・神奈川県立歴史博物館)

尚、短期間で仕上げた広島臨時仮議事堂や、大審院、旧日本勧業銀行本店(現 千葉トヨペット本社)については書かれていました。
東京府庁

旧日本勧業銀行本店(現 千葉トヨペット本社)

尚、辰野も妻木も、国会議事堂を手掛けたい!という強い執念がありました。
双方譲らずな態度でしたが、妻木が先に亡くなり、その後辰野も亡くなってしまい、どんどん工事着工が遅れ、結果16年をかけて昭和11年にやっと完成しました。
その設計から建築を手掛けたのは、亡くなった妻木頼黄に育てられた人たち(矢橋賢吉、大熊喜邦)でした。
この明治維新の頃の建築家のお話、いつか大河ドラマでやってもらえないかなー。
個人的には、曽根達蔵がお気に入りです!
辰野金吾は役所広司さんあたりかな。
剛心 2021/11/5 木内昇
日本近代建築の雄、妻木頼黄(よりなか)。
幼くして幕臣の父を疫病で亡くし、維新後に天涯孤独の身となり、17歳で単身渡米。
のちにコーネル大学で学んだ異才は、帰国後にその力量を買われ、井上馨の「官庁集中計画」に参加。以来、官吏として圧倒的な才能と情熱で走り続ける妻木の胸には常に、幼い日に目にした、美しい江戸の町並みへの愛情があふれていた。闇雲に欧化するのではなく、西欧の技術を用いた江戸の再興を。
外務大臣・井上馨、大工の鎗田作造、助手を務めた建築家の武田五一、妻のミナをはじめ、彼と交わった人々の眼差しから多面的に描き出す
以前辰野金吾についての本「東京、はじまる」門井慶喜を読んで、彼のライバル的存在の妻木にも興味があったところ、こういう本が発売されたのを知って読んでみました。
ただ、この本は妻木の人生を描くという感じではなく、妻木の周りにいた人達を通して見た妻木像を集めているので、どうもどっぷりハマって読むという感じになりにくく、また分厚い本なので、読むのにかなり時間がかかってしまいました。
個人的には、幼い頃からずっと人生を辿った伝記風の方が読みやすくて好きなんですけれどもね。
プライベートな面も少しだけしか触れられていないので・・・若干物足りない感も。
辰野金吾VS妻木という比較部分は、双方に配慮された書き方をされていました。
辰野金吾はガッツがあって野心的で、グループをつくって人を従えるタイプですが、妻木は徒党は組まず、群れず、ひょうひょうとした人という印象です。
職人をリスペクトし、大切に丁寧に接していた処がとても好印象でした。
完璧を目指してやり直ししたり、手抜き工事等もっての他!な体質も良かった。
妻木さんは元来頭が凄く良く、仕事が早く、前もっての段取りも万全で、人扱いがとても上手です。
妻木は旗本の長男(徳川側の幕臣の子)でした。勝利した側の佐賀(唐津藩)の辰野や曽根とは逆です。
妻木は幼くして両親を失い、屋敷を処分したお金を持って10代で単身渡米してしまいました。それも特に目的もなく、ふらっとです。
アメリカのNYで知り合った日本人つながりで建築に興味を持つようになり、彼の才能を感じた人達のお陰もあって(お世話になった人に、そっけないなあと思うシーンが多々あったけど)、建築家になる、とっかかりを得た感じです。
彼は江戸に育ち、江戸の町は美しかったという江戸への愛情を持っていて、明治の文明開化により欧風の建物が唐突に出来て町が変わっていくのを複雑な心境で見ていたのかもしれません。彼は欧風の建物と日本ならではの和風建築要素を混ぜ合わせた美しい町を作りたいと思っていました。
妻木の代表作といえば、横浜レンガ倉庫、日本橋、旧横浜正金銀行本店(現・神奈川県立歴史博物館) ですが、残念ながら私が読んでみたかった横浜レンガ倉庫や、神奈川県立歴史博物館については語られてなかったです。
横浜商銀本店(現・神奈川県立歴史博物館)

尚、短期間で仕上げた広島臨時仮議事堂や、大審院、旧日本勧業銀行本店(現 千葉トヨペット本社)については書かれていました。
東京府庁

旧日本勧業銀行本店(現 千葉トヨペット本社)

尚、辰野も妻木も、国会議事堂を手掛けたい!という強い執念がありました。
双方譲らずな態度でしたが、妻木が先に亡くなり、その後辰野も亡くなってしまい、どんどん工事着工が遅れ、結果16年をかけて昭和11年にやっと完成しました。
その設計から建築を手掛けたのは、亡くなった妻木頼黄に育てられた人たち(矢橋賢吉、大熊喜邦)でした。
この明治維新の頃の建築家のお話、いつか大河ドラマでやってもらえないかなー。
個人的には、曽根達蔵がお気に入りです!
辰野金吾は役所広司さんあたりかな。
剛心 2021/11/5 木内昇
日本近代建築の雄、妻木頼黄(よりなか)。
幼くして幕臣の父を疫病で亡くし、維新後に天涯孤独の身となり、17歳で単身渡米。
のちにコーネル大学で学んだ異才は、帰国後にその力量を買われ、井上馨の「官庁集中計画」に参加。以来、官吏として圧倒的な才能と情熱で走り続ける妻木の胸には常に、幼い日に目にした、美しい江戸の町並みへの愛情があふれていた。闇雲に欧化するのではなく、西欧の技術を用いた江戸の再興を。
外務大臣・井上馨、大工の鎗田作造、助手を務めた建築家の武田五一、妻のミナをはじめ、彼と交わった人々の眼差しから多面的に描き出す
考えて見れば人物としては重厚なタイプの辰野金吾と軽快で飄々とした妻木頼黄。作品の雰囲気と人物像が逆転しているのも面白いですね。
『東京、はじまる』
http://blog.livedoor.jp/todo_23-br/archives/23367771.html
『剛心』
http://blog.livedoor.jp/todo_23-br/archives/27706460.html
順番的に先に「東京、はじまる」で、その次に本作っていうの、なかなか良いですよね。
両方楽しめました。
ただ、勝手に私は横浜レンガ倉庫などの裏事情とか読めるのを楽しみにしていたので、あらー全然無いのね・・・って勝手にがっかりしちゃったんです。
以前TV番組で「美の巨人たち」だったかな? 横浜レンガ倉庫について30分やっていて、とても面白かったんですよ。
今は、良きライバル=篤い友情みたいなのを望む風潮なので、原作の通りは無理かもしれないけど観てみたいなぁ。
妻木には綾野剛さんか少し若いところで磯村勇斗さんとか。
「大奥」
見逃していた初回分、再放送で観ました。
吉宗、素敵でした。
やっぱ強いリーダーが欲しいですね。
>妻木には綾野剛さんか少し若いところで磯村勇斗さんとか。
おおー、ナイスキャスティング!
大奥なのですが・・・
確かに1話はダントツで面白くて好きだったのですが、先週の綱吉の回から、なんだか見る意欲が落ちてしまって・・・。とりあえず見ますけれども・・・。
なんかこのところ、挫折していってるドラマが多くて、、、、