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ネタバレ「方舟を燃やす」角田光代

2024-05-06 | 小説・漫画他
角田さんファンだけど・・・
この小説は、私にはあまり・・・でした。
角田さんの、ぐいぐい物語に引き込ませるパワーとか、グリグリと痛い処を深堀りする処とかを感じなかったというか・・・今迄彼女の本でそういうのを色々味わって来ているせいか、ハードルが高くなっちゃってるのかもしれない。

昭和から今に至るまでの、こっくりさんとかノストラダムス、オウム、地震天災、コロナ等が登場するのだけれど、なんだか・・・なんだろうなあ・・・うーん・・・
全部体験している身ではあるものの懐かしいとか感じず・・・

メインのお話は2名を軸に交互に。
飛馬 小学生の頃母がガンで入院手術、立ち話をしている同室の女性が「お腹をあけたけど手遅れだったみたいでそのまま閉じた」のを母の病状だと思い込んでしまい、母の前で泣いてしまったりした。その後母は飛び降り自殺し、母はガンだったものの亡くなる様な症状ではなかったと後から解り、誰にも言えず母の死への責任を感じて生きて来た。

不三子 2人の子供の母親になるが、その後知り合った女性たちの影響で、添加物や自然食品等、ワクチンは毒だと思って生きていく。玄米や茶色い食事を家族に押しつける。

★以下ネタバレ★


結果、長女が成人した後、いきなり行方を告げずにいなくなる。直前に今迄母親がやってきたことの不満?を淡々とした態度でぶちまけて。
母親の事を恨んでいたみたいなのに、なんとその後彼女は自然食や自然農業などの集団に入って九州で暮らしている(びっくり)最後の方はなんだかんだで、絶縁ではなくなり、程々の付き合いに戻る事が出来た・・・っぽいのかな。
かたや息子は母に反抗せずに育つが、結婚・子供が産まれてから、そっけなくなる。
そんな時、「こども食堂」で不三子の作る料理を良い!と褒めてもらえて、参加するようになる。

飛馬の人生はというと、結婚したもののボランティアに入れこみすぎて離婚を経験する。
2人は「こども食堂」で知り合いになる。
ラストの方は、不三子がしょっちゅうやってくる謎の少女(ネグレクトされてるんじゃないか?と心配される)に入れこみすぎて、親切心や心配からなんだと思うけど勝手にお弁当を届けたり、そこまでするか?って感じに暴走してしまう
 以上

ところで、角田さんのインタビューの記事を読みました。
そうだったんだな・・・って、なんか腑に落ちたというか。
きっと次は角田さんらしい小説を読める予感です!期待しています!

以下、一部抜粋コピペです

今後は依頼を受けずに、自分が書きたいものを書いて、書き上げたら出版社に持っていく、ってことをやろうと思っています。数年間『源氏物語』の現代語訳をやった後、以前のようになめらかに小説を書けなくなったと感じていたんです。でもある時ふと、書けなくなったわけじゃないなと気づきました。連載の約束が先まで詰まっていて、いつも慌てて題材をかきあつめ、本当に書きたいのか分からないまま連載を開始し、その連載が終わったらすぐ次の連載が始まる……ということを繰り返していて、この先もそれが続くということに、精神が耐えられないんだなと思って。なので一回、書きたいものを自主的に書いてみることにしました。

昨日の読売新聞にも、これと殆ど同じ様な角田さん発言の記事が載っていました。

方舟を燃やす 2024/2/29 角田光代
オカルト、宗教、デマ、フェイクニュース、SNS。あなたは何を信じていますか? 
飛馬と不三子、縁もゆかりもなかった二人の昭和平成コロナ禍を描き、「信じる」ことの意味を問いかける

角田光代
「笹の舟で海をわたる」「銀の夜」「希望という名のアナログ日記」「私はあなたの記憶のなかに」「坂の途中の家」「平凡」「私のなかの彼女」「空の拳」「口紅のとき」「それもまたちいさな光」「月と雷」感想「異性」「紙の月」「曾根崎心中」「かなたの子」「なくしたものたちの国」「ツリーハウス」「水曜日の神さま」「福袋」「くまちゃん」面白かったです「森に眠る魚」(ネタバレです 注意!)「何も持たず存在するということ」角田光代さんの小説色々感想まとめ 「三面記事小説」「マザコン」「ロック母」「薄闇シルエット」凄く共感、良かった 角田光代 「いつも旅のなか」「誰かのことを強く思ってみたかった」 「presents」「夜をゆく飛行機」「恋をしよう。夢をみよう。旅にでよう。」 「恋するように旅をして」の感想 「対岸の彼女」感想と、全あらずじ  「ドラママチ」 「太陽と毒ぐも」「12星座の恋物語 」感想「八日目の蝉」 角田光代 凄く引き込まれて一気読み
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4 コメント

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今朝のNHK (こに)
2024-05-06 09:53:44
本書とフェイクニュースの話題でインタビューが流れていました。
家事をしながらだったのできちんと聞かなかったのですがお元気そうで安心しました。
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こにさん☆ (latifa)
2024-05-07 12:35:31
こにさん、こんにちは!
コメントありがとうございます

あら!そんなインタビューがTVでやっていたんですね。
そうそう、お元気そうですよね。
角田さん、きっとお幸せなんだろうなーと思っています。
返信する
同感です (ぽこ)
2024-05-15 20:22:18
先日私も読了しまして、同じような感想を持ちました。
私も角田さんの作品がとても好きです。
文章力は素晴らしい作家さんなので、相変わらずよくこんな風に表現できるなと感心する文章でしっかり読ませてくれました。
でも、仰るように痛いところをグリグリと深堀り、、もっと欲しかったです。
また今後の作品に期待しています!
似た感想をお持ちでしたので、ついコメントさせて頂きました。
返信する
ぽこさん☆ (latifa)
2024-05-16 07:51:21
ぽこさん、コメントありがとうございます!
とても嬉しかったです

ぽこさんも角田さんファンで、こちらの本を読まれて同じ様な感想を持たれたとのこと。
そうなんですよねー、その痛い処グリグリは角田さんの真骨頂なので、無いと淋しい
気持に・・・。

長年「源氏物語」を手掛けておられ、やっとまた普通の小説を書いてくれるのを楽しみにしていたのですけれども・・・。

「タラント」とか本書みたいな壮大な?長い時代の沢山登場人物が出て来る小説ではなく、中編位の普通の身近な人のお話をまた読みたいです。

ぽこさん、またお気軽に遊びに来て下さいね
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