
予備知識全くない状態で、木皿さんの新作ってことだけで読みましたが、なかなか良かったです。
雰囲気的に、どこか「すいか」と似た印象を受けました。4つ★半
読み終わった後に知ったのですが、NHKで2016、2017年のお正月に「富士ファミリー」という単発ドラマがあったんですね。
知らなかった・・・・。
この小説は、ドラマ「富士ファミリー」のスピンオフだそうです。
サイトから一部抜粋です
執筆のきっかけについて、和泉さんは「(笑子を演じた俳優の)片桐はいりさんが『これは長い長いドラマの最終回のような気がする』って」。妻鹿さんも「役者さんが世界を作ってくれてたので、去りがたいというか。もうちょっと見てみたい感じが私自身もした」と話す。
読んだ後にキャストを見たら、なるほどー!って、妙に納得が行きました。
特にナスミ。キョンキョンだったのかー。
3姉妹のうち、43歳の若さでガンで亡くなった次女がナスミ(小泉今日子)なんです。
ドラマ版で興味を持ったのは、笑子ばあちゃんを、片桐はいりさんが演じてるっていう事!
これは楽しみー。近々、ドラマ版も見てみようっと。
小説は、一章目はナスミ本人、その後の13の章は、それぞれ彼女の周りの人たちの短編になっていました。
良いなー、と心に染み入る処や、面白いな、って部分がちょこまかあって、あったかいんだけど、ほんのちょっと寂しさを感じるところが、この作家コンビの良さだと思ってるんですけれど、本作もそれは変わらずでした。
夜、駅のプラットフォームのベンチに悲しい気持ちで一人ぽつんと座っていたら、偶然似たような人がやって来て・・・とか、
野球が全てだった少年がそれを失って、からっぽな気持ちでいた時、母を亡くして淋しかったナスミと知り合って・・・とか、そんな風なシーンが琴線に触れるんですよねー
あと小説で印象に残ってる処はといえば、
●4話で、ナスミが人を文字に例えてあだ名つけてるのが面白かったなあ。
ナスミは「ガ」日出男が「キ」、将来生まれて来る子は「ッ」、再婚相手は「と」って風にね。
●ダイヤモンドを、柱に書いた目の処に入れてもらって、そこからいつもみんなを見てるっていうのが、ナイスアイディア、結構な驚きだった^^
●6話の理容院夫婦も良かったなあー。
昔、ナスミと家出を企てたのに結局行けなかった時、一緒に行くはずだった清二がふられた事にならないようにと、嘘を言ってたり(私が高校の頃、こんな気遣いは全くできなかったので、ナスミいい子だなあーーと感心した)
そして、この男の妻利恵も良い女だなあ。
その後9話で、利恵がかつて家出しようとした時があって、ナスミと駅で話した事が解ります。
★以下ネタバレ★
愛子の兄がナスミに気があって、バイクを売ったお金をナスミに工面してあげて、ナスミは毎月お金を返済していたことから、愛子とナスミが知り合いになり、愛子はナスミと交流持って行くうちに好きになり、ナスミみたいな人になりたいって思うのよね。肝心の兄ちゃんは他の女の子と良い仲になってしまうんだけどもね^^
ナスミが亡くなってしまった3年後、ばったり再会した日出男と再婚するに至ってたとはー。
12話 かつてナスミと一緒に働いていた仲間の女性好江が、結構な年になって、仕事や人生にもあんまりうまく行かず・・・。でも、ラストは健康マニアだった彼女がブログからの本を出版するになって・・・というのは良かったねーってほっとしました。待ち合わせのレトロな喫茶店にやって来た出版社の人が、あの事件の由香里だった!っていうのは凄いね^^
ちょっと驚いたのが、14話で、日出男と愛子の子供の光が62歳くらいになっていて、愛子は、もうかなりのご高齢。光の親友の咲ちゃんが亡くなって・・・というお話。なんて未来のお話なんだーと驚きました。以上
さざなみのよる 2018/4/18 木皿 泉
内容・あらすじ ナスミの姉〈鷹子〉、妹〈月美〉、ナスミの夫。そしてナスミの死後、日出男と後にできちゃった結婚する〈愛子〉
東京時代の元同僚〈加藤由香里〉が託されたある伝言など、故人の知られざる横顔が語られてゆく。
木皿泉
さざなみのよる
「昨夜のカレー、明日のパン」
そうか、ナスミは小泉今日子さんですか。
なんか、ぴったりという気がしますね。
ドラマ、ご覧になったことがあったんですねー。
私も、うっすら、こういうドラマが今度あるよ、っていうのは見た記憶があるのですが・・・
確か、あまちゃんのスタッフが手掛けたーとかで、賑やかで、コメディな雰囲気を感じたので、まあ・・いいか・・・って見なかったような・・・(明るく元気なのより、暗くて淋しい雰囲気の作品が好みなので)
でも小説は、好みだったので、ドラマも今度見てみます。
キョンキョン、ぴったりですね。
整形とかしないで、ありのまま年を重ねて行こうって気骨が感じられてカッコイイです。
ドラマ「富士ファミリー」のスピンオフ!!
まったく知りませんでした。
もちろんそのドラマの存在すらも 笑
生きることは決して楽ではないけれど、
でも生きていればきっと良いことはあるよ、
そう語りかけられているような
素敵な小説でしたね (^^♪
追記:そうそう、この本のことを教えてくれたのは、
コメント上記のToda23さんでした!
私もリアルタイムで見たのではなくて、後からネットで転がってるやつを見たのです。
凄く良い出来では無かった気がするので・・、あまり話題にならなかったのではないかな・・・。
「昨夜のカレー、明日のパン」もNHKでドラマ化されたようですが、キャスティングを見て、うーーん・・・と
yoriさん同様、私も小説等の映画化やドラマ化は、あまり喜ばしく思えないですね・・・。
でも映像化作品を先に見てから、原作を読むと、どっちも楽しめたりすることが多いです。
あ!そうなんですね
yoriさんは、Todo23さんと古くからのお付き合いがあったのですねー