今まで読んだ西さんの小説の中で、この本が一番私は面白かったです。4つ★半~5つ★
短編だったのが残念。それぞれ5つ★つけた章を長編で読みたかったかもしれません。
短編にしておくのが、もったいない!ってお話が何編も含まれていて、凄く盛りだくさんな魅力ある本です。
それにしても、西さんって写真やTVで何度か見たことがあるのですが、結構美人な人なのに、どうしてこう、女性の美貌についての劣等感的な内容のお話が多いのかな・・・と、不思議に思う・・。それとも、逆に「トロフィーワイフ」的に、西さんが小さい頃から美人だった側で、それが故に何か苦労した経験から、こういう文章を書くに至ったのかな?
それと、今回の短編集を読んで、もしかしたら、自分か友人の中に、長年つき合ってきた彼氏が、自分を捨てて別の女子の方に行ってしまった・・・という経験があるのかな?そのショックから、引きこもり気味になってしまったのかな?とか推察してしまいました。
「太陽の上」
太陽という中華料理屋の上は、アパートになっている。
2階には、太陽の夫婦が住んでいて、白桃の様な40代の女将さんは、大将の留守中に、アルバイトの男の子と情事をしている。3階に住んでいるあなたは、3年間、一歩も外に出ずに暮らしており、その時の女将さんの発する言葉をノートに綴っている。
中華料理屋で働く様な男子は、2種類にわけられ、性欲旺盛な人と、無い人と・・ってのが笑った~ホントかな?(^^ゞ
「空を待つ」 これ凄く良かったです。5つ★
ある日、小説家の女子は、携帯電話を拾った。届けようと思っていたが、ふとした遊び心で、来たメールに返信してしまった。送信者はあっちゃん。段々そのメール交換が自分を支えてくれる様になり・・・
「甘い果実」
実生活で、山崎ナオコーラさんとお友達らしいですね
「炎上する君」これも凄く可笑しく面白かったです 5つ★
梨田と浜中は高校時代からの親友。現在30過ぎの独身で資産運用などで生活力はある。学生時代にそれぞれ、おかっぱ頭と赤い頬、おさげ髪に黒い眼鏡ということで、「戦後」、「戦中」「学徒動員」と呼ばれてバカにされていた過去を持つ2人は、それぞれのスタイルをかたくなに変えないまま現在に至っている。2人は「大東亜戦争」というバンドを組み成功するも、ライブは没頭するよりも、こなすものとなり、みなさんの期待を裏切ってはいけない、演じなければならないという気持ちの方が強くなり、感動出来ない様になってしまった。そんな2人が唯一感動出来るのが銭湯と、「足が炎上している男」だった。
「トロフィーワイフ」 5つ★
トロフィーワイフとは、若い頃苦労して仕事して、年を取ってから成功した男の人が、今まで苦労を分かち合ってきた年を取った妻と別れて、若くて、綺麗な女の人をもらうこと。そのトロフィーワイフであった宇津木ひさ江、そして孫の江里子は、一緒に暮らしている。
可愛がられ甘やかされる綺麗な家猫と、野良猫を、女性に重ね合わせて比較する所は、猫好きの西さんらしい、絶妙な表現でした。ネズミやコオロギをつかまえたい、醜くてもいいわ・・・。と後悔するひさ江・・。
「私のお尻」
ちょっとシュールで、面白いお話でした。お尻が「きゅう」と泣く?のが可笑しかったー
「舟の街」
3年間つきあってた彼からふられた。なんと2年10ヶ月前から、まきちゃんとつき合ってたなんて。酷い、酷すぎる・・・。
「だって・・・何よりもおっぱいが大きいんだよ」
ガーン・・・貧乳の人間には一番ショックなセリフです、これ・・。
「ある風船の落下」 これも凄く面白かった 5つ★
風船病なるものが世界に広がって来た。溜め込んだストレスがガスとなり、体を膨張させる奇病で、やがて風船病患者は段階を踏んで、空の彼方へと浮遊していく。帰還した者はいない。
炎上する君/西 加奈子 / 2010-04-29
表紙のイラストは、ご本人が描いたそうです。すごい!絵の才能もあるなんて。
私は図書館で借りたため、知らなかったのですが、なんでもこの本の帯に又吉の推薦が書かれてあるとか?
「あおい」「さくら」感想
きりこについて
西さんの作品は、短編も好きなんですが、この作品は難解すぎたのか、私の好みに合わなかったのか、よくわからなかったというのが正直な感想です(苦笑)
なんだか、独特ですよね~~
個性的で好きですが(笑)
えっ!、そんな、もうすぐ買いに行っちゃうんですか?
うぬ~~どうしよう・・・
気に入って頂けると良いのですが・・・。
ちょっと小川洋子さんっぽいお話もありましたよ♪
今まで読んだ西さんのお話よりも、ちょっとシュールな感じのお話があった気がしました。
小川洋子さんとかが書きそうな、不思議系なお話というか・・・
そういうのが私は結構好きなので、大丈夫だったのですが、西さんの普段の大阪弁の下町っぽい感じ?の話は少な目だったかしら・・・
キリコ~に負けないくらい忘れがたい作品になりそう。
又吉さんのコメントは以下です。
「読者としての僕を満足させながら、芸人としての僕を不安にさせる」
又吉さんのブログに本書に関する記事をみつけました。流石又吉さん、といった内容でしたよ。
\(~o~)/
凄く良かったなんて、嬉しいなー!
私も、キリコも、こちらも大好きな小説です。
又吉さんのコメント、教えてくださって、ありがとうございます!そうか、そんな風に書かれていたんですね?
又吉さんって、最近知ったのですが、なかなか凄い人だったんですねー。おみそれしました。
最近夜中に目が覚めてしまいます。
この前 ピース又吉が紹介していた 最近気になる本の一つにあげていて、面白そうだなって思っていました。
ひょっとしてと思って探してみるとlatifaさんが読まれていたので、ちょっと感動しました。
まだ読んでいませんけれど、これもそのうち(笑)読みたいと思っています。
そうらしいです。又吉が、とても気に入っている本らしいです。
すごく私も好きな本です。
短編が幾つか入っているので、多忙な方でも気が向いた時、ちょこちょこ読めて良いかな、って思います。
是非!
梅雨の合間で過ごしやすい曇り日なんですが、読みかけのまま放置していたこの本が出てきて、先ほど読み終わりました。ここに書いてから1年も経ってました^^
最初はなんだろうなーって思っていたんですが、最後の「ある風船の落下」には驚きました。これ凄い小説ですよね。
面白かったです。また彼女の作品をlatifaさんのを参考にしながら選んで読んでいきたいと思います。
おお~1年が経っていましたか。
最近は年月の経つ感覚が早いです。
最後のお話、面白いですよね。
短編が幾つか入っていると、途中で辞めて、また続きは後日読めばいいか~って、感じで、全て読み終わるのに時間がかかったりします。
この本は娘も最近読んだみたいですが、やっぱり最後の風船の話が一番面白かったと言っていました。