「魔女の宅急便」の角野栄子さんの自伝的ファンタジー小説。
主人公は74才の女性イコさん。おばあちゃんとかって言っちゃ失礼な程、アクティブでオシャレ心も忘れない溌剌とした女性。皮のスーツを着て颯爽とバイクでかっとばすのが趣味な、元デザイナーさん。年取ってるから・・って色々決めつけないで欲しいわ!っていう心意気がとっても可愛くて微笑ましいんですよ。
そのイコさんは5才の時母を亡くしてしまったのもあり、それ以来ずっと「死」という事に人並み以上に恐怖心を持って生きて来た。(ここが角野さんご本人とかぶる部分なのでしょうね・・)彼女の手元に一枚だけ残っている母の写真。それは母が12才で赤い水玉のワンピースを着た姿だった。
イコさんは、母の育った実家のある岡山までバイクで行ってみようと思い立つ。そこで12才の姿のままの母のユウレイに会う・・・という内容。
本来の関係とは年齢差が逆で、ユウレイと人間なのに会話が出来るっていうのとかも、なかなか子供でも楽しめる要素が入っています。どことなく、ジブリ映画にありそうな内容。
ただ、後半からの展開は全く予想していなかった方向に行って、ちょっと意外でした。
小さい子供も安心して読める内容です(小学生の3,4年生の女の子がベストかな・・?)
私が一番気に入ったのは、水玉の赤いワンピースというビジュアル。ちょうちん袖で、ふわふわした素材で、神戸の仕立屋さんで作ってもらったハイカラな、最もお気に入りの特別なワンピース。フランス人形が着ていたのと同じ洋服。それを18才になっても、ふーちゃんはサイズを大きくして着ていた。回りの人たちは変な子って思ってたけど、旦那さんになる人は一目見て素敵だねって言ってくれた。娘のイコさんは母亡き後、その人形を受け継ぎ、自分で人形の服を色々作っていて、それが後にデザイナーになるきっかけになっていった・・・というのも、素敵だな~って思いました。
もし映像化されることがあったら、この12才の可愛い娘が、赤い水玉ワンピ+赤い鼻緒のゲタで、スカートの裾をひらひらさせながらバイクの後ろに乗っているシーンは、一部男子には萌え爆裂ではないでしょうか。
日本が舞台なのだけれど、どことなくヨーロッパのにほいを感じる処が、角野栄子さんらしいな~って思いました。
ところで、つい最近何かの雑誌で、角野さんのお家をちらっと見たんですが、と~~っても素敵な色使いにノックダウン!!赤と言っても品のある落ち着いた独特の色合いの凄く素敵なローズレッド色の本棚にクッション、ご本人も同じ様な色合いのメガネフレームに口紅にボブの銀髪に小花柄のワンピース。こんな素敵な日本人のおばあさま、見たことない!
このくらいのお年で、シックな装いで素敵にされている方っていうのは見たことがあったけれど、カラフルでPOPなのに素敵って方は初めて見た気がします。
娘と一緒に「こんな人になりたいねー!」と言い合いました。
「ラストラン」角野栄子/ 2011-01-29
週刊ブックレビューに出演されていましたね
魔女の宅急便も読みたいな~と思いました
楽しみです♪
そうなんですか、週刊ブックレビューに出演されていたんですね? うわ~見たかったなぁ・・。残念
その番組、放映時間が土曜日の朝なんですよね。まだ寝てるか、もしくは起きてても、しっとこ!とか、ベッキーの出てる番組を毎週見ちゃうので、どうしても見れなくて・・・
魔女の宅急便は、何冊かシリーズ?が出ていて、私は2つくらいしか読んだ事がないんですが、なかなか面白かったです。