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「母さん、ごめん。 50代独身男の介護奮闘記」①と② 松浦晋也

2022-12-23 | 小説・漫画他
①の自宅介護編と ②のグループホーム編を読みました。ネタバレで書いています。

この方、優秀な理系研究者の方なのだけれど、介護とか福祉の事とかって、それまで全く触れる事が無かった為に知識が殆ど無かったのですね。一人で奮闘されていて・・・。
これは大変過ぎる・・・と思いましたよ・・。
お母さんの認知が進み、排便等も難しくなったら、自宅で一人で世話をするのは、もう無理でしょう・・・。

彼には独身の弟さん、ドイツにいる妹さんもいるけれど、同居している彼が一手に母親の面倒を見ています。お母さんは優秀で知的な人だったけれど、認知になってしまったら病気なのでしょうがないんです・・・。
色々大変な出来事があった中、やっぱり一番は排便の失敗の片づけ等・・・。本当にキツかっただろうと読んでいるだけで辛かったです。

また同じころロンロンという愛犬も寿命で最後の時を迎え、そちらの世話もダブルで・・・。
お仕事がまともにできなかった状態っていうのも、もっともだし、つい手をあげてしまった・・・というのも理解できますよ。追い詰められて精神状態もギリギリだったんですよね。

・・・・・・・・・・
続編も出版されていたので、そちらも読んでみました。

いやぁ・・・ほんと大変ですね・・・。
松浦さん、よく頑張った、頑張っていらっしゃるって思いましたよ・・・

そして介護のお仕事をされている方々、本当に頭が下がります。凄いです。こんなハードなお仕事をされていて、お給料をもっと上げて欲しいです。保育所もだけど、どうしてこういう重大なお仕事をしてくださる方のお給料が安いのか? もっと上げなくてはいけないと思います。

1巻と違って、グループホームの事や、ホームに預けたらもう安心って事は無い事、病院に入院するような事になったらホームから家族が面倒を見る事にまた戻る事等が書かれていました。
色々知らなかった事もあって、ためになりました。

あと、一つ良かったなあ・・・って思ったのが、お母様がホームに入った後、とある男性と恋愛関係になるんですよ!!
それまで帰りたいとか食事がマズイとか言っていたのが彼の事ばかり話す様になって、手を繋いでお散歩に行ったって・・・
いやぁーーー素晴らしいじゃありませんか!期間は短かったけれど、お母さんの晩年にこんな素晴らしい経験や思いが出来たってことだけでも、本当に救われる気持ちに私はなりましたよ。

それと、松浦さんがバイクに乗っている時に事故に遭ってしまい、相手の女性がシングルマザーで介護職をしていて、なんと保険に入ってなかった!!という・・・・ これにも絶句でした・・・。
それまでバイクで、あちこち小回りきいていたのに怪我しちゃったから、バスで3倍もの時間をかけての面会とか病院とか大変過ぎる。
解るわー。私の住む処もそうだから。一度自宅から駅までバスで出て、そこからまた乗り換えて・・なのよね。バイクや車が無いと本当に移動が大変。ただ車だと渋滞や駐車場の問題もある。駅の側に住んでる人が羨ましい。

お母さんは何度も、もうダメかもしれない・・って状態になるのに奇跡の復活をされて、未だ生きていらっしゃる。
他のご家族も長生きされていて、健康で強い血筋なのかしら。

それにしても、しょっちゅうホームや病院に通って、差し入れをされたり、本当に親孝行な良い息子さんですよね・・・
なかなか、こんな事は出来ないと思いますよ。
独身でフリーランスだから・・・と書かれていらっしゃるけど、本当に大変だと思う。

何時いきなりホームや病院に来てくれと呼び出しが来るかもわからないから、いつでも行ける心づもりをしてなくてはいけない。
そのため、運転するためにはお酒を飲めない、映画やコンサートに行けない、というの凄く解ります。
私も父が入院やら具合が悪かった時、そういう緊張状態がずっと続いていた。

そして彼なりの寝たきりになっている人に関しての安楽死に関しても考えを書かれていて、私とはそこは違っていました。

あと、読みながら、なーんか松浦さんの住んでいる処って、土地の感じや電車の感じから、もしや・・・って軽く検索してみたら
やっぱり、茅ヶ崎だった!
弟さんは逗子に住んでるのね。

この後③も書かれるのかな・・・。
介護する側の松浦さんもこの数年で体や精神を相当消耗されていらっしゃるかと思います・・・。
なんと言っていいやら・・・
ズドーンと重くなる本で、精神状態の良い時に読まないとダメな本かと思います。

「母さん、ごめん。2 ― 50代独身男の介護奮闘記 グループホーム編」 2022/6/23
松浦晋也
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4 コメント

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Unknown (わぐま)
2022-12-24 13:20:05
こんにちは^^
少し前にコメント頂いてから、この本の事が気になってたので、ブログに書いてくれて嬉しいです。
いや・・・壮絶です。
うん、私には読めないです。現実だけでも重苦しいので、本の世界でも重苦しかったら・・・無理!
安楽死については、詳細が書かれてないので言い切れませんが、私は賛成派です。ウ○コ漏らして、暴言吐いて人を傷つけてまで生きていたくないから。自分が自分だと認識しているうちに、この人生を終わらせたいです。
茅ヶ崎?実家の、めっちゃ近くです。
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わぐまさん☆ (latifa)
2022-12-25 07:33:06
わぐまさん、こんにちは!
クリスマスですねー

これ、読むのがとても辛いんですよ・・・。
だから人にはお薦めしにくいです・・。
かつて介護等を体験した人で、その渦中を過ぎた人が読むと「やっぱり皆大変だったんだなあ・・」ってなるかと思うのですよ。

ただ作者の方は、全然こういう事について知識がなかったからここまで苦労してしまったけど、もうちょっと早く地域の福祉や介護のセンターを活用したり、相談できる事を知っていたら・・と後悔されていたので、それを多くの人に伝えたかったのかなーと思いました。

その点では、わぐまさんのご実家の方は既にそこはクリアーされているわけで。
藤沢と茅ヶ崎は近いですよねー。
近くても市によって細かい処は違ったりするのかな。
藤沢、とっても良さそうですよね。

私も他人事ではないので、読むのが憂鬱だったんですが、②についてはホームに親を入れる・入れた後という事は?って事を予備知識としてどんな感じなのか?を少しでも知っておくほうが良いかも・・(殆ど知識が無かったので)と思って読みました。

安楽死については私もわぐまさんと同じです。
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介護って壮絶ですよね。 (todo23)
2022-12-25 15:51:55
私自身が直接では無いのですが、長い間そのすぐ横に控えて来ました。
一つ一つは大したことが無くても、それが毎日続くとボディーブローのように効いてきて、おかしくなって来ます。
そんな経験をして来たら、最近よく見かける介護施設や保育所の虐待問題も、もちろん許されることでは無いのですが、一歩間違えば、私も切れていたかもと思うと、TVのコメンテーターの様に上から目線で批判できなかったりします。
もう随分昔になりますが、寝たきりの母を抱えた父親が大手術という事態になった時、市の福祉に相談してずいぶん助けてもらいました。もう、30年程も前の話ですから、いまならさらに充実しているでしょうね。
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todo23さん☆ (latifa)
2022-12-26 09:07:53
todo23さん、こんにちは!
コメントありがとうございます。

そうでしたか・・・、todo23さんもすぐ身近な処で介護が側にあった経験者さんだったのですね・・・。
長寿になった現在の日本では、全く介護等に無縁の人の方が少ないのかもしれませんね・・。

そうそう、毎日続くとおかしくなってしまうっていうの、その通りですよね。

虐待問題についてですが、家庭内で診ている人だと逃げ場も無いし、一日中気を抜く事も出来ず(一時的にデイケアとかお泊りとかに頼めたとしても、それでも数時間や数日だけの事で開放されることは決して無いし)
通常ならば家族に手を出したり暴言を吐きたい人は絶対いないのに、そうなってしまう程に精神がやられてしまったって事ですもんね。

お母様寝たきりでいらして、お父様がお世話を日々されていたのかな・・・。
介護者の方が入院されたり体調を崩してしまうとね・・・。でも、当時の市の福祉に助けられたとのこと、良かったです。
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