
星新一っぽい短編SF+イジメ みたいなお話でした。
加害者側の視点で語られるお話は珍しいですね。
短編とはいえ、後日談(30年後とか)に繋がってるお話が複数ありました。
うーん、、、木皿泉さんの今まで読んだ小説が、たまたまなのか、あったかいお話が多かったので・・・、これは今までの作風とは、ちょっと違った風合いで、若干戸惑いながら読みました。
イジメとか集団心理のコロコロ変わる怖い感じとか上手いですね・・・
書いている作家さんたちは、若くないし、確かお子さんはいらっしゃらないですよね・・?なのに、こういう中学生の心理とか現代っ子の事を書けるっていうのはリサーチ?凄いです。
でも、結構読んでいて後味が悪かったり、胸が痛くなるお話も多くて、再読したくなる感じじゃなかったです。自分は、いじめのお話とか、あまり進んで読みたいと思わないので・・・
面白くないわけじゃないのですが、あまり私の好みではありませんでした。
面白かったお話は「めぇ」
高齢の女性が、友人から痴呆老人を演じるバイトを10万円でやってみないか?と言われるお話。
まさかの展開に驚き。
印象に残った部分は
イジメで、猫の足先を切れ、と言われ、本当に切ってしまうシーンはビックリ・・・ぞっとしました。その足先をずっとカバンに入れて持ち続けている・・・
「ゆび」で、もう先が長くない女性が最後に望む何か?が、若い頃、毎日のように電車で痴漢に遭っていた女性が、とある男性の指の触り方が・・って・・・・。
これは気持ち悪い・・・ たとえ1万人に一人、こういうレアなケースがあったとしても、こういうのを書くと、それを真に受ける奴がいそうなので危険だと思う。辞めて欲しい。
あわわ・・・
気がつけば、嫌だった部分が目立ってますが、良いなあと思うセリフとか文章も時々ありました。
カゲロボ 2019/3/22 木皿 泉
内容紹介 今日も、誰かがささやく。「あいつがカゲロボらしいよ――」。いつも、誰かに見られている……。最初は他愛のない都市伝説の筈だった。しかし、イジメに遭う中学生、周囲から認知症を疑われる老人、ホスピスに入った患者、殺人を犯そうとする中年女性など、人生の危機に面した彼らの前に、突然現れた「それ」が語ったことは
さざなみのよる
「昨夜のカレー、明日のパン」
これがあの『昨夜のカレー、明日のパン』『さざなみのよる』の木皿泉さんかと、ちょっと驚きました。
うーん、やっぱり、同じ感じでしたか・・・。
まあ、色々な作品を書けるっていうのは、多才な才能がある証拠なのでしょうけれども・・・
でも、また他の木皿泉作品を読んでみようと思っています。