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「去年の冬、きみと別れ」ネタバレ  中村文則

2014-04-16 | 小説・漫画他
なかなか、ドッキリさせられる予想外な事実だったのですが、だからといって、素晴らしい名作!と感心する程の作品ではないような・・・。4つ★

最初読みながら、ちょっと頭がごちゃごちゃ。
途中から、何度も前に戻って再読したりしました。

★以下ネタバレ 白文字で書いています★
実際に死刑囚は彼が言うとおり、彼が直接手を下して殺したわけではないというのは事実でした。
2人の女性が死んでいて、両方とも焼死。最初のは事故での焼死でした。
最初の女性が焼死した時、その時の写真を上手に撮れなかった事を後悔していた男は、二度目のチャンスに飛びつくだろうと予測しての計画に、まんまと引っかかった。
2回同じ様な事件が起きれば、彼が殺人犯人だと思われるし、1人なら死刑にならないが、2人だと死刑になる。

そして、一番最大のキーは、最愛の姉が焼死していた。(すりかえられていた)ということ。
でも、この姉が、とんでもない悪女です。

結局死刑囚の男にインタビューした男性は2人いるんですよね。
「編集者」⇒ライターに仕事を依頼した人間。
この「編集者」は死刑囚と会った事がなくて、文章でのやりとりをしただけ。この男が計画主犯。
この男の元彼女(盲目の美女)が、死刑囚の姉に誘拐されて、死刑囚の男の元で焼死した最初の女性。
この編集者の男は、盲目の彼女を失った後、死刑囚の姉と関係を持つのですが、直後に姉から「実は私があなたの彼女を誘拐した張本人なのよ、おーほほほ!!」という衝撃の事実を知る。
男は復讐のために色々計画を練る。姉に恨みを持つ弁護士さんと共同で。
死刑囚の姉に似た体格の、入れ替わりになれる身柄の女性を探しあてて、計画を実行する。

もう一人の正規?の主人公「ライター」は、死刑囚と直接会って話をしている人で、死刑囚のお姉さん(実は別人で、焼死した姉と入れ代わった借金抱えていた女性)にインタビューに行って、誘惑されて、関係を持ってしまう男。
ただ姉が盲目の女性を誘拐してきた・・って処ですが、そこのシーンとかも詳しく描かれてないので、えっ・・って感じです・・・。
以上

この写真家の、変態欲求「燃え死ぬ途中の女性」について、芥川龍之介の「地獄変」を引き合いに出していて、実は「地獄変」って全然知らずにいたので、えー!凄い内容だ!と思い、この「去年の冬、きみと別れ」を読み終えた後、読みました。
「地獄変」は短編でしたが、旧ひらがな?書きなので、ちょっと読むのに苦労しましたが、面白かったです。すごい話ですね・・・。でも、焼けていく渦中の最愛の娘を芸術として極めるために描き上げた、嫌われ者の絵画氏は変態ではなかったわけで・・・。それより、立派な人と慕われている大殿が、絵師の娘を火の中に入れた、というのがなんとも・・・。

去年の冬、きみと別れ (2013/9/26)
中村 文則内容(「BOOK」データベースより)
ライターの「僕」は、ある猟奇殺人事件の被告に面会に行く。彼は、二人の女性を殺した容疑で逮捕され、死刑判決を受けていた。調べを進めるほど、事件の異様さにのみ込まれていく「僕」。そもそも、彼はなぜ事件を起こしたのか?それは本当に殺人だったのか?何かを隠し続ける被告、男の人生を破滅に導いてしまう被告の姉、大切な誰かを失くした人たちが群がる人形師。それぞれの狂気が暴走し、真相は迷宮入りするかに思われた。だが―。

「何もかも憂鬱な夜に」「土の中の子供 」「惑いの森」

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6 コメント

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Unknown (寝湖世)
2014-04-17 19:33:24
度々、お邪魔します。

先日、「無印の杏仁豆腐」が製造終了、
とお知らせしましたが、本日、無印にて
発見いたしました。う~ん、よくわからん。
買いだめした私は、なんだったのぉ~!

お値段は、上がっておりました…が。
単に、値上がりのための、旧製品の
製造終了、ってことかい?
でも、私がお店の方にお訊きした時には、
杏仁豆腐は、しばらくつくられないかも…
的なお話だったので、慌てたのに~~~。

先走った情報をお知らせして、お騒がせ
いたしました。

…ところで、「去年の冬、君と別れ」ですが、
非常に評判が良さげ、だったので、その内
是非読みたい、と思っていました。
latifa-さんの感想では、微妙…な感じ、
ですかね。


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寝湖世さん☆ (latifa)
2014-04-18 11:36:30
寝湖世さん、こんにちは
こちらは久しぶりの雨です。

再度、杏仁情報、ありがとうございます!
そうなんだ・・・。どういう事なんでしょうね・・。
今までも、無印の商品で、消えてしまったのか・・・って物があったなぁ・・・。

ところで、この作品。
トリックとかは、凝ったものがあると思います。ちょっと読み難かったですが・・。
でも、じっくり人物の心理描写を深く描く、みたいなお話が私は好きなので(かつて読んだ中村文則さんのお話は、そういった内容が多かった)、もうちょっとトリック以外の、そういう部分を期待しちゃって、少々物足りない感があったというか・・・。
トリックがまず先に有りき!な小説だった気がしてしまいました。

でも、ありきたりじゃない内容だし、面白い本だと思います。寝湖世さんの感想もぜひお聞きしたいです。
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う~ん・・・。 (真紅)
2014-05-19 21:25:22
latifaさん、こちらにもお邪魔します。
最近、読んだ本の感想全然書く時間がなくて、こちらのコメ欄に来てしまってごめんよ~。
で、この小説なんだけど。。。
最初、すんごい面白そう! って期待したんだけど、後半に行くにつれて失速してしまったような・・・。
なんか、後半種明かしっていうか、トリックの説明分を読んでいるみたいな気分になったよ^^;
作家さん、ミュージシャンもそうだけど、いい作品を生み出し続けるって並大抵のことじゃないと思う。
すごいプレッシャーよね~。特に芥川賞とか、大きな賞もらって期待されたり、注目された人は。
中村さんは才能ある作家さんだと思っているので、あまり無理せず、じっくりいい作品を書いて欲しいなと思います。
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真紅さん☆ (latifa)
2014-05-20 12:05:52
わーい、真紅さん、こっちにもありがとう
真紅さんは、確か中村作品、結構好きだったよね? 
私も、これは後半以降、失速してしまった感があったよ・・・。

>トリックの説明文を読んでるみたいな
そうそう、そうなんだよね・・・。
小説を読むときに、トリックを重視するとか、トリック好きな人なら、問題無いのかもしれないね。

そうだよねー、作家さんもミュージシャンも映画監督も、画家さんも、デザイナーさんも、とにかく何か作る職業の人って、本当に大変だと思う。これが最後って無いわけで、良いものを作っても、また次に、それより良いものを作らねばならないでしょう?
毎回ネタも工夫して変えたり、新たなことに挑戦もしなきゃならないしね、精神も病む人もいるだろうなぁー。

そうそう、アーティストではないけど、真央ちゃんもお休みすることにしたみたいだね。
期待とかプレッシャーとか、大変な重圧だよね・・・。

中村さんの今後の作品も注目して行きたいね
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Unknown (寝湖世)
2015-05-28 08:47:44
latifa-さん、こんにちは。

中村さんですが、西加奈子さんと
ピース・又吉と3人で「僕らの時代」に
出てらしたのを拝見しました。
なかなか興味深い人物だな、と。

純文学の作家さんも、そこそこ売れるため
には、ミステリー色とかも付けないと
いけない、のかもしれないけど
う~ん、それなら、もうちょっと頑張って
欲しかった気がします。

全然関係ないけど、「乙一さん」は
どうしているのかなぁ・・・
以前の、ヒヤッとするような作品は
もう書けないのでしょうかね、
幸せ過ぎて・・・


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寝湖世さん☆ (latifa)
2015-05-28 11:47:42
寝湖世さん、こんにちは!
あっ、以前にもコメント頂いていたんですね^^
「掏摸」は、読んでいないんですよ。評判が良いんですね。

私もその3人の回、途中から気がついてみました!とても仲が良くて、楽しそう。微笑ましかったです。
そうそう、最近又吉さんの「花火」を読んだんです。昨日ちょうど感想を下書きに入れた処だったんです。

あんなに仲良くなってしまったら、本音の率直な(友達の書いた本の)感想とかは言えなくなってしまうよなあ・・・なんて思っちゃいます。

乙一さんね・・・。
私もファンなんですけども・・。
最近は別名での活動がメインみたいで。
この前、他の作家さんとのコラボで出された小説を読んだのですが、あまりインパクトなかったなあ・・・。

アーティストさんって、やっぱり不幸な方が素晴らしいものを生み出せるのかな・・悲しいことですね・・。
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