「食堂かたつむり」小川糸
表紙とタイトルが可愛らしいな~と思って、早々に図書館にリクエストしていた本。その後「王様のブランチ」などで紹介され、本屋さんでもベスト10にランクインしたりして、評判が凄くいいので、ワクワクして順番を待っていました。
リクエストするのが早かったせいか、早く回って来て、さっそく読んだのですが、、、、、う~~ん、想像していたのとは違った小説でした。自分とは、あまりなにか、こう・・・合わない本だったな・・・。正直、あまり好きな小説ではなかったです。
もっと、温かい感じのふんわりしたハートフルな内容かな?と思いきや・・・。表紙と内容が違うぞー!というか・・・。(あくまでも私個人の感想)
世間では良い評判しか聞こえて来ないみたいなので、私だけ?と、ちょっと肩身が狭いですが・・。
冒頭、インド人の彼がある日突然、コツコツと主人公と2人で溜めたお金と、大切に少しづつ集めた料理器具など家財全部持ち逃げする・・・って設定が、かなりヒドイ・・・。別にインド人じゃなくても良いのでは?とも思ったりするんだけど・・・。その失意の主人公は、故郷の母が隠していただろうお金を、もし見つけられたらば持ち逃げしようとする・・・という発想が好かんです・・・。
そして故郷に帰って再会した熊さんも、アルゼンチン人の奥さんが娘と出てっちゃってる・・・。
★以下 ネタバレです 白文字で書いています★
主人公がショックで言葉を話せなくなり、それが最後に自然と治る・・という経緯も、凄く納得が行くほどでもなく・・・最後の母の手紙も、私にはあまり心に響かなかった。このお母さんは反省してるみたいだけど、やっぱり、娘の倫子は、こんな風に育てられて可愛そうだったなあ・・・と思ってしまった。名前「倫子」の由来にしても、今教えてくれないで、小さい時に教えてあげれば良かったのに・・・。
そもそも、お母さんとその恋人が結ばれず、お母さんは投げやりになって、処女のまま水鉄砲で誰かの子供を宿すって・・・。で、今になって偶然の再会。しかもお母さんは末期癌・・・相手はその時のお医者さん・・・めでたく今になって結婚する・・・。う~~む・・・。
で、何よりも「豚のエルメスを食べちゃう」ってのが衝撃だった。こういう展開は目新しいものの、自分は甘ちゃんなので、可愛がって来たペット同然の動物を殺し、解体し、食べるなんて・・・・私には耐えられない。
あと、お料理に○毛が入ってた・・(わざとなんだけど)って描写が、なんか想像すると、吐き気がしそうになった。以上
とにかく、ふんわりした温かい文と内容を期待していた自分としては、違った作品で、しかも、なんとなく色々な部分が、しっくり来ず、期待外れの小説だったようでした。すいません・・・。
ただ、一杯出て来るお料理は美味しそうでした。ものすごい一杯色々なメニューが出て来ます。
あと、56頁に出て来る「女系家族の気質というのは、隔世遺伝するのではないだろうか?」の説は言えてるかも、と思いました。
「別にインド人でなくても…」とか「あれば母親のお金を持ち逃げするつもりだったというのが好かない」というご指摘、とってもとっても共感します。
こんな不自然なストーリーでは、やっぱり、泣けません。
ところで、「お料理の描写」という意味では、
「禁断のパンダ」(拓未司著 宝島社)が秀逸です。
16日の読売夕刊で紹介されていて、早速、購入した次第です。まだ、途中までしか読んでいませんが…個人的には、「食堂かたつむり」の料理描写とはレベルが違います(もしかしたらレベル違いではなくて、単に、私好みのテイストということなのかもしれませんが…)。
作者の料理や味覚に対する知識の深さが、文章に反映されていて、圧巻なのです。タイトルは一見、おふざけっぽいですが、実は、かなり硬派な小説みたい(なにしろ、まだ、途中までしか読んでいないので)
です。
コメントありがとうございました
この本、王様のブランチとか、世間でも、泣ける~とかって評判ですよね・・・。
それだけに、う~~ん、、、困ったー!自分だけ違うみたい・・どうしよう?って思っていたのですよ。
そんな時に、おりおんさんの記事を読んで、ほっと安心しました。
別にインド人じゃなくても・・・や、お母さんのお金持ち逃げ・・の部分にも反応して下さって、嬉しいですー
私は上記の部分が書かれてる最初の方の部分を読んだあたりで、早々に「うむ~もしかしたら、ダメかも・・」というイヤ~な予感が頭をよぎり、その嫌な予感は的中してしまったようでした。
「禁断のパンダ」(拓未司著 宝島社)
情報ありがとうございます!「このミステリーがすごい!」で受賞した作品なのですね。表紙も印象に残ります。是非今度読んでみたいと思います~!
お料理にしても、好みのテイストが自分と合うか、合わないか?って重要ですよね。
食堂かたつむりに登場するメニュー、それほど私のツボにぐぐっ!と来るものが、あまり無かったんですよ・・・。
読みかけの状態で「禁断のパンダ」を推奨してしまいましたが、ちょっと、微妙です。
途中までは、確かに、超絶賛モードで読んでいました。しかし、最終コーナーを回ってから雲行きが怪しくなり、正直、読後感爽やかとは言えない作品でした。私個人としては「フツー、そこまでやんないでしょう。ありえなさすぎ!!」と突っ込みを入れながら読み流せますが、もしかして、めちゃめちゃ気が滅入るというか…気分悪くなる人もいると思います。「気持ち悪い系」が苦手な人には、おススメすできません。
でも、料理の描写は、“迫真の”と形容したくなるようないい文章です。私は、下戸なので理解が及びませんが…ワイン好きの人なら、料理に合わせたワインの記述も楽しいかもしれません。それだけに、後段のあまりにもクレイジーな展開が、ちょっと…という感じでした。
>途中までは、確かに、超絶賛モードで読んでいました。しかし、最終コーナーを回ってから雲行きが怪しくなり・・
解ります!!そういうこと、ありますよね
でも、おりおんさん、良い方だ~~
凄く嬉しかったです^^
私もお酒は飲めない口なのです・・・。
そういえば、さっき「王様のブランチ」を見ていたら、小川糸さんが出てました・・・。
うむ~あのオジサマ(王様のブランチでいつも本を紹介して下さる良い感じの人)も絶賛されている・・というのが、げに悲しい・・・
こんにちは。私も、王様のブランチ見ましたよ!
小川糸さん、別の意味で「あ、イメージ通りだ…」と思ってしまいました。(ちょっと意地悪?)
私の友だちも「絶賛するほどでもないけれど、まあまあ、いいじゃん」と言ってたし、やっぱり、少数派なんでしょうかねぇ。
ま、なにはともあれ、グチグチ言っているよりも、次なる楽しい本を見つけたいと思います!
今朝は座れたでしょうか~?
おりおんさんもブランチ見てたんですね?
ふふふ・・・私も同じ事思ってましたw
ところで「ゴキブリコンバットのテレビCMにも文楽人形」あれがそうなんですね?!
やたら怖いので、あれって何なんだろうね?って家族でしゃべっていたんです。そうか~楽しい情報ありがとうです!
ますます「仏果・・」を読む楽しさが増しました
表紙とタイトルの可愛らしさについ、温かい物語を期待しちゃいますよね。
表紙と内容のあまりの違いに落胆なさったみたいで、残念な読書でしたね。
白文字部分は私も納得できることでしたから、決して肩身が狭い思いはされなくても。
読み手が清濁併せ呑むことを必要とされたような気もします。
ちょっと毒がある・・みたいな事を先に知っていたら、心の準備(なんだそりゃ・・)みたいのがあったと思うのですが・・・
それでも、そういうことを、いちいち突っ込まずにさ~っと入り込めて読めたら、楽しめた作品だったのかもしれません。残念でした。
稀少な同意見のレビューを発見した日には、嬉しくて、通り過ぎることが出来ませんでした
毛の部分や水鉄砲の処も抜き出して書いていらっしゃって、うお~~同じ事を思った方が~~!と
この作品全てダメって訳じゃないのですが、色々な部分で、どうも引っかかってしまいました。