両方読んで思ったことは、桜庭さんは文章を書くのが凄く上手だということと、読者をぐぐっと小説に引き込ませる力量があるという事でした。私は桜庭さんの「私の男」を最初に読んで、他の作品も読んでみようと思ったのです。今は手元に「書店はタイムマシーン」というのを借りてきています。とっぱじめから、百年の孤独とか、「パフューム」(映画・小説とも結構お気に入り)が出て来て嬉しい☆「赤朽葉家の伝説」は半年以上待ってますが、まだ回って来ない・・・。
私が図書館で借りたものは、2007年3月に単行本として富士見から再出版された本で表紙も一番上の写真のようにシンプルなものなのですが、2004年頃に最初に発刊された富士見ミステリー文庫の表紙はいただけないなぁ~。これじゃ少女萌え系というか、美少女オタク?をターゲットにした小説だと思われてしまう・・。
同様に推定少女の方のファミ通文庫の表紙もしかり・・。最近再出版された文庫の表紙は普通の表紙になっている。
でも、「か細い、まだ幼さの残る10代前半の美少女、しかも死の匂いのする。そして不思議系のキャラ」って子が出て来るお話なので、その表紙があながち全く無関係!って事は無いのですが・・・
でもむしろ2冊とも、美少女側ではなく、主人公の普通の少女側の心理描写の細やかさ、あの時代の複雑な不安やいらだちみたいのが、凄く上手だな~っと感心しました。(特に「推定少女」)そして「砂糖菓子」の方は、砂糖・・、弾丸・・、貴族・・(ひきこもりの美形の兄のことをこう表現)などの言葉の使い方が面白いな~と思いました。あのウサギを殺したのは一体どっちなのかな?誰か解る方、教えて下さい。 両方とも3つ☆半
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★以下、2冊のネタバレ含みます★
柿の腐ったような匂いのする義父を、間違って殺してしまった?ってのと、実の父から虐待され続けた少女が殺される、という内容。
「私の男」でも実の父と・・という内容だし、偶然図らずも似たようなお話を読んでしまいました。キーワードは、まだ幼い少女、グロテスクなバラバラ殺人・血の匂いのするシーン、暴力・・。他の桜庭さんの作品もこういうのが多いのかな・・? 個人的にあまり好き・・なお話ではないのですが、こういう感じじゃない桜庭さんの小説を是非読んでみたいな~と思いました。
砂糖菓子の弾丸は打ちぬけない
(内容)鳥取の片田舎に生きる女子中学生・山田なぎさ。父は他界し、母のパート代でなんとか暮らしている。どこにでもいる少し不幸な少女と、自分を「人魚」だと語る、謎多き転校生との奇妙な友情を描く青春暗黒ミステリー。
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推定少女
(内容)とある事情から逃亡者となった"ぼく"こと巣籠カナは、逃げ込んだダストシュートの中で全裸の美少女・白雪を発見する。黒くて大きな銃を持ち、記憶喪失を自称する白雪と、疑いつつも彼女に惹かれるカナ。2人は街を抜け出し、東京・秋葉原を目指すが……幻の未公開エンディング2本、合計3種類を収録。
「私の男」苦手でした・・・と、表紙の絵「マルレーネ・デュマス」
「砂糖菓子」は痛々しくて切ないお話でしたね。
実は「私の男」と近い作品なので、この読み順に驚きです。
桜庭さんの特徴をすぐにつかんで、続けて読まれてるので感心しました。
こうゆうキツイ?内容は、あと「少女には向かない職業」くらいのはずです。
別物としては、「荒野」や「少女七竈と七人の可愛そうな大人」がいいかもです。
「書店はタイムマシーン」の記事あります。
「推定少女」がまだ読めてないので、読んだら、うかがいますね。
?荒野?は、借りようかな?と思ったら、順番待ちが凄くて諦めたんです。「少女七竈と七人の可愛そうな大人」を今度借りて来ようと思います
「書店はタイムマシーン」読みました藍色さんちのレビューは既に拝見させて頂いちゃってました^^
私は、悲しくも、この本に出て来る本を知らない・未読・・が9割でした
なので、本の内容をよく把握出来ず・・・残念でした。さすが桜庭さん海外ものから日本のものまで、幅広く読まれていらっしゃいますねー。
フィリップKディックとか、サンリオSF文庫とか、やし酒飲み、とか、家の旦那の愛好するタイトルが色々出て来てたのがおおっ・・と思いました。
「推定少女」は読みたいと思いつつ未読でした。
この表紙なら安心して手にとることができます。
でも内容は痛そうですね・・。
「荒野」読みましたが、「荒野」はみずみずしい気持ちがたくさん入った作品でよかったですよ。
少女マンガっぽい設定ではありますが、おすすめです。
>少女の不安だとか苛立ちを書くと本当にうまいなぁと思います。
ほんとほんと。自分が14歳くらいの頃の気持ちとか今も忘れずにずっと持ち続けていらっしゃるのかな?とか、異常に記憶力が良くて、また更にそれを上手に言葉で表現出来る力も備え合わせていらっしゃるんでしょうね。
この後「書店はタイムマシーン」を読んだら、学生時代の桜庭さんは休み時間は友達とワイワイお喋りして、本は授業中に読む、というスタイルを取っていたそうです。私が勝手に漠然と頭の中で想像していたのとは違った学生時代を過ごされていたようでした。
推定少女は、砂糖菓子とは違って、そんなに痛くないから大丈夫です。でも3つ☆~3つ☆半って処なので、そんなに是非読んで見て欲しい!って本ではないかも・・・。
「荒野」やっぱりなかなか評判が良いですね。順番待ちが酷すぎるので、順番が落ち着いてからかりてみます