リートリンの覚書

日本書紀 巻第三十 高天原廣野姫天皇 四十五 ・雨乞い ・坐贓



日本書紀 巻第三十
高天原廣野姫天皇 四十五

・雨乞い
・坐贓



夏四月十七日、
大夫、謁者(えっしゃ)を遣わして、
諸々の社に詣でて、
祈雨(きう)をしました。

また、
使者を遣わして、
廣瀬の大忌神と龍田の風神を祀りました。

二十二日、
詔して、
「內藏寮(うちのくらのつかさ)の
允の大伴男人(おおとものおひと)が
坐贓(さぞう)した。

位を二階、降ろし、
見任官を解く。

典鑰(かぎつかさ)の
置始多久(おきそめのおおく)と
菟野大伴(うのおおとも)も、
また坐贓した。

位を一階、降ろし、
見任官を解く。

監物(けんもつ)の
巨勢邑治(こせのおおじ)は、

物を己に入れないとしても、
その情を知りつつ、盗ませた。

故に、
位を二階、降ろし、
見任官を解く。

然るに、
置始多久(おきそめのおおく)は、
壬申の年の役(えだち)に勤労した、

故に赦す。

ただし、贓(ぬすみもの)は、
律(のり)に従って、
徴収し納めるように」
といいました。



・謁者(えっしゃ)
取り継ぐ人。取次ぎ
・祈雨(きう)
降雨を神仏に祈ること。雨乞い
・內藏寮(うちのくらのつかさ)
令制で、中務省に属し、金銀・珠玉・宝器を管理し、供進の御服、祭祀の奉幣などをつかさどった役所
・坐贓(さぞう)
律に規定された、賄賂など不当に財物を得る罪
・典鑰(かぎつかさ)
=てんやく・律令制で、中務 (なかつかさ) 省に属し、監物 (けんもつ) とともに諸司の倉の鍵をつかさどった役
・置始多久(おきそめのおおく)
=置始大伯
・監物(おろしもののつかさ)
=けんもつ・律令制で、中務 (なかつかさ) 省に属し、大蔵 (おおくら) ・内蔵 (うちくら) などの出納を監督し、諸庫の鍵を管理していた職
・贓(ぬすみもの)
1・不正な手段で金品を手に入れる。また、その金品。わいろ。「贓罪」「贓物」 2・かくす。盗んだ金品をかくす。



(感想)

(持統天皇7年)

夏4月17日、
大夫、取次ぎを派遣して、
諸々の社に詣でて、雨乞いをしました。

また、
使者を派遣して、
広瀬の大忌神と龍田の風神を祀りました。

22日、
詔して、
「内蔵寮の允の大伴男人が
賄賂など不当に財物を得る罪を犯した。
位を二階下げ、現在の官職を解任する。

典鑰の置始多久と菟野大伴も、また、
賄賂など不当に財物を得る罪を犯した。
位を一階下げ、現在の官職を解任する。

監物の巨勢邑治は、
物を自分の物とはしなかったが、
その実情を知りつつ、盗ませた。

こういうわけで、
位を二階下げ、現在の官職を解任する。

しかし、
置始多久は、
壬申の年の役で勤労した、
故に赦す。

ただし、
盗んだ物は、律に従い、
徴収し納めるように
といいました。

明日に続きます。

読んでいただき
ありがとうございました。





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