リートリンの覚書

日本書紀 巻第二十九 天命開別天皇 二十五 ・鳥が空を覆う ・筑紫国での大地震



日本書紀 巻第二十九 天命開別天皇 二十五

・鳥が空を覆う
・筑紫国での大地震



十二月二十七日、
臘子鳥(あとり)が、
天を弊(つい)えて、
西南から東北へ飛びました。

この月、
筑紫国で大いに地が動きました。

地が裂け、
広さは二丈、長さが三千丈あまりでした。

百姓の舍屋(やかず)が、
村ごとに多くたおれ伏し壊れました。

この時、
百姓の一家が岡の上に有り、

地が動いた夕に、
岡が崩れて所が遷りました。

然るに、
家は既に全て破壞していませんでした。

家人は、
岡が崩れ
家が避(さ)けたとは
知りませんでした。

しかし、
会明(あけぼの)の後に、
知り大いに驚きました。

この年、
新羅の使の
奈末(まな)の
加良井山(かりょうじょうせん)、

奈末(まな)の
金紅世(きんぐせ)が、
筑紫に到って、

「新羅王が、
汲飡(きゅうさん)の
金消勿(きんしょうもつ)、

大奈末(だいまな)の
金世々(きんせいせい)等を遣わして、

当年の調を
貢上(こうじょう)しました。

仍、
臣、井山(じょうせん)を遣わして、

消勿(しょうもつ)等を送りましが、

倶(とも)に
海の中で暴風に逢い、

消勿等は、
皆、散ってしまい、
行方が分からなくなりました。

ただ、
井山だけが僅かに、
岸に着くことができました」
といいました。

然るに、
消勿等はついに来ませんでした。



・臘子鳥(あとり)
アトリ科の渡り鳥。日本には冬鳥として秋にシベリア方面から渡来
・舍屋(やかず)
家屋
・会明(あけぼの)
夜明け
・奈末(まな)
新羅の官位のひとつ
・汲飡(きゅうさん)
新羅の官位のひとつ
・大奈末(だいまな)
新羅の官位のひとつ
・貢上(こうじょう)
献上



(感想)

(天武天皇7年)

12月27日、
臘子鳥(あとり)が、
天を覆い、
西南から東北へ飛びました。

この月、
筑紫国で大きな地震がありました。

地が裂けました。
その広さは二丈、
長さが三千丈あまりでした。

百姓の家屋が、
村ごとに多く倒壊しました。

この時、
ある百姓の家が
丘の上にありました。

地震があった夕方に、
丘が崩れて家の場所が移動しました。

しかし、
家は全く無事で、

家人は、
丘が崩れ、
家が難を避(さ)けたとは
知りませんでした。

しかし、
夜明けの後に、
それ知り、
大いに驚きました。

この年、
新羅の使者、
奈末の加良井山、
奈末の金紅世が、
筑紫に到着して、

「新羅王は、
汲飡の金消勿、
大奈末の金世々等を派遣して、
当年の調を献上しました。

かさねて、
私、井山を派遣して、
消勿たちを送りましが、

ともに海の中で暴風に逢い、

消勿たちは、皆、散り散りとなり、
行方が分からなくなりました。

ただ、
井山だけがかろうじて、
岸に着くことができました」
といいました

しかし、
消勿たちはついに来ませんでした。

続きですが、
編集が間に合わないため、
申し訳ありませんが、
日本書紀・現代語訳、
しばらくお休みします。

最後まで読んでいただき
ありがとうございました。


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