リートリンの覚書

日本書紀 巻第二十九 天命開別天皇 八十三 ・天皇の病 ・大赦する



日本書紀 巻第二十九 天命開別天皇 八十三

・天皇の病
・大赦する



五月九日、
多紀皇女(たきのひめみこ)等が
伊勢から至りました。

この日、
侍醫(じい)の百濟人の億仁(おくに)が、
病のため臨死(りんし)でした。

則ち、勤大壹位を授けました。
かさねて百戸を封しました。

十四日、
勅して、
大官大寺に七百戸を封しました。

乃ち、税を三十萬束納めました。

十七日、
宮人等の爵位を増加しました。

二十四日、
天皇は始めて體が不安となりました。

よってもって、
川原寺で藥師經を説かせました。
宮中で安居させました。

二十九日、
金智祥等を筑紫で饗(もてな)しました。

祿を賜りましたが、
各々差がありました。

卽ち、筑紫より退きました。

この月、
勅して、
左右の大舍人等を遣わして、
諸々の寺堂塔を掃き清めさせました。

則ち、天下に大祓しました。

よって、
囚獄(しゅうごく)が
すでに空となりました。



・侍醫(じい)
律令制で、典薬寮に属し、天皇を診察し、医薬を奉った医師
・臨死(りんし)
死の瀬戸際
宮人(きゅうじん/くにん)
律令制において宮中に奉仕する女性職員のこと。
・囚獄(しゅうごく)
囚人を入れておく獄舎。 牢獄 ろうごく 。 牢屋。 牢



(感想)

(朱鳥元年)

5月9日、
多紀皇女らが伊勢から帰りました。

この日、
医師の百済人の億仁が、
病のため死の瀬戸際でした。

そこで、
勤大壹位を授けました。
かさねて100戸を封しました。

14日、
勅して、
大官大寺に700戸を封しました。
税を30万束納めました。

17日、
女官たちの爵位を増やし加えました。

24日、
天皇の身体が重病となりました。

よって、
川原寺で薬師経を講説させました。
宮中で安居させました。

29日、
金智祥らを筑紫で饗応しました。

禄を与えましたが、
各々差がありました。

そして、筑紫より退去しました。

この月、
勅して、左右の大舍人らを派遣して、
諸々の寺堂塔を掃き清めさせました。

また、天下に大祓しました。
よって、牢獄が空となりました。

明日に続きます。

読んでいただき
ありがとうございました。





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