日本書紀 巻第二十九
天命開別天皇 七十八
・とよのあかり
・なぞなぞ
朱鳥(あかみとり)元年春正月二日、
大極殿(だいごくでん)に御して、
宴(とよのあかり)を諸王卿に賜りました。
この日、
詔して、
「朕は、王卿に、
無端事(はしなきこと)を問う。
なお、答えが實(まこと)を得られたなら、
必ずや賜りものがある」
といいました。
ここにおいて、
高市皇子(たけちのみこ)は、
問われて、
實を答えました。
蓁揩(はりすり)の御衣(よそひ)・三具、
錦の袴・二具、
あわせて絁(ふとぎぬ)・二十匹、
絲(いと)・五十斤、
綿・百斤、布・百端を賜りました。
伊勢王(いせのおおきみ)も、
また實を答えました。
卽ち、
皁(くりそめ)の御衣・三具、
紫の袴・二具、絁・七匹、
絲二十斤、綿・四十斤、布・四十端を
賜りました。
この日、
攝津国の人の
百済新興(くだらのにいき)が、
白い馬瑙(めのう)を
献(たてまつ)りました。
・無端事(はしなきこと)
なぞなぞ
・蓁揩(はりすり)
染料をつけて麻布の上に押捺したもの。はにすり。はじすり。榛木染(はりのきぞめ)
(感想)
※朱鳥
(しゅちょう、すちょう、あかみとり)
日本の飛鳥時代の元号の一つ。白雉の後、大宝の前。大化以降3番目の元号。686年を指します。
朱鳥元年春1月2日、
天皇は、大極殿に出御して、
諸王、卿と宴会をしました。
この日、
詔して、
「朕は、王、卿に、なぞなぞを問う。
なお、
答えがまことであったなら、
必ずや物を与えよう」
といいました。
このとき、
高市皇子は、問われて、
まことを答えました。
蓁揩の御衣・3具、錦の袴・2具、
あわせて絁・20匹、糸・50斤、
綿・100斤、布・100端を与えました。
伊勢王も、
また、まことを答えました。
そこで、黒い御衣・3具、紫の袴・2具、
絁・7匹、糸・20斤、綿・40斤、
布・40端を与えました。
この日、
摂津国の人の百済新興が、
白いめのうを献上しました。
明日に続きます。
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