日本書紀 巻第二十九 天命開別天皇 七十九
・俗の供養
・大蔵省での失火
九日、
三綱(さんごう)、律師(りっし)、
及び大官大寺の知事、佐官、
あわせて九僧に請うて、
俗の供養をさせました。
なお、絁(ふとぎぬ)、綿、布を
施しましたが、各々差がありました。
十日、
諸王卿、
各々に袍袴(きぬはかま)・一具を
賜りました。
十三日、
諸々の才人(さいじん)、博士、陰陽師、
醫師(いし)者、
あわせて二十餘人を召して、
食及び祿を賜りました。
十四日酉時(とりのとき)、
難波の大藏省で失火しました。
宮室が悉く焚(や)けました。
或いは、
「阿斗連薬
(あとのむらじくすり)の家から失火して、
引いて宮室に及んだと」
いいました。
ただ、
兵庫職(つわもののつかさ)は、
焚けませんでした。
・三綱(さんごう)
仏教寺院において寺院を管理・運営し、僧尼を統括する上座(じょうざ)・寺主(じしゅ)・都維那(ついな・維那とも)の3つ僧職の総称
・律師(りっし)
僧官の一つ。僧都(そうづ)の次
・袍袴(きぬはかま)
衣服令による朝服の上衣と袴
・才人(さいじん)
頭がよく、学問・芸能にすぐれた人。才子
・醫師(いし)
律令制で、典薬寮(てんやくりょう)の職員。治療と医生(いしょう) の教授をつかさどった者
・酉時(とりのとき)
午後6時
(感想)
(朱鳥元年春1月)
9日、
三綱、律師、
および大官大寺の知事、佐官、
あわせて9人の僧に請願して、
俗人の供養をさせました。
そして、絁、綿、布を施しましたが、
各々差がありました。
10日、
諸王、卿、各々に袍袴・一具を与えました。
13日、
諸々の才人、博士、陰陽師、医師、
あわせて20人余りを召して、
食、および禄を与えました。
14日午後6時、
難波の大蔵省で失火しました。
宮室がことごとく焼けました。
ある者は、
「阿斗連薬の家から失火して、
引火して宮室に及んだと」
いいました。
ただ、
兵庫職の蔵だけは、焼けませんでした。
明日に続きます。
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