日本書紀 巻第二十九
天命開別天皇 六十
・軍事についての詔
また詔して、
「凡そ政の要は軍事である。
ここをもって、
文武官の諸人は、
務めて兵(つわもの)を用い、
及び乘馬を習うように。
則ち、
馬と兵、
あわせて身に当たる裝束の物は、
務めて具にたくわえ、
足すように。
その馬がある者は、
騎士(うまのりびと)として、
馬がない者は、
步卒(ほそつ)とする。
並びに試練に当たり、
聚(あつ)まり會(あ)うとき、
障(さわ)りとなることなかれ。
もし、
詔の旨に忤(さから)い、
馬、兵に不便があり、
また裝束に闕(かけ)があるなら、
親王以下、諸臣にいたるまで、
並びに罰する。
大山位より以下の者は、
罰するなら罰し、
うつべきなら杖とする。
それ務めて習い、
能く業を得た者は、
もし死罪といえども、
則ち二等減らそう。
ただ、
己の才に恃(たの)みに、
故に、犯した者は、
赦す例にならない」
といいました。
・兵(つわもの)
武器
・步卒(ほそつ)
徒歩で従軍する兵士。 歩兵。 足軽
(感想)
(天武天皇13年4月5日)
また詔して、
「およそ政治の要は軍事である。
そこで、
文官・武官の諸人は、
務めて武器を用い、
および乗馬を習うように。
すなわち、
馬と武器、
あわせて本人の装束といった物は、
務めて十分にたくわえ、
補充するように。
馬がある者は、
騎士として、
馬がない者は歩兵とする。
騎士・歩兵は、
並びに試練に当たり、
軍の集会するときには、
障害がないように。
もし、
詔の趣旨に反して、
馬、兵をととのえず、
また装束にかけがあるようなら、
親王以下、諸臣にいたるまで、
並びに処罰する。
大山位より以下の者は、
罰するなら罰し、
うつべきなら杖の刑とする。
それ務めて習い、
武術・乗馬の業を成し遂げた者は、
もし、
死罪をおかしたとしても、
その時は、
罪二等を減らそう。
ただし、
己の才をたのみに、
故意に罪を犯した者は、
許す例にならない」
といいました。
明日に続きます。
読んでいただき
ありがとうございました。
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