リートリンの覚書

日本書紀 巻第二十九 天命開別天皇 五十三 ・天瑞 ・明神御大八洲倭根子天皇の勅命



日本書紀 巻第二十九 
天命開別天皇 五十三

・天瑞
・明神御大八洲倭根子天皇の勅命



十二年春正月二日、
百寮が朝庭で拝しました。

筑紫大宰の
丹比真人嶋(たじひのまひとしま)等が、
三足の雀を貢ぎました。

七日、
親王以下、及び群卿までを、
大極殿の前に喚び、
宴(とよのあかり)をしました。

なお、
三足の雀を群臣に示しました。

十八日、
詔して、
「明神御大八洲倭根子天皇
(あきつみかみとおおやしましらすやまとねこのすめらみこと)
勅命を、

諸々の国司、国造、郡司、及び百姓等よ、
諸々聴くがよい。

朕が、
初めて鴻祚(あまつひつぎ)に登って以来、

天瑞(てんずい)が、
一や二つではなく、
多く至った。

傳聞(でんぶん)によると、
その天瑞は、

行政(まつりごと)の理(ことわり)が、
天道に協(かな)い、
則ち、応えたのだと。

これ今、朕の世に当たり、
年ごとに重なり至った。

一つ、則ち懼(おそ)れ、
一つ、則ち嘉(よ)いとした。

ここをもって、
親王、諸王、
及び群卿、百寮、
あわせて天下の黎民(れいみん)よ、

共に相、慶ぼうではないか。

すなわち小建以上に、
祿を給わるが、
各々差がある。

よってもって、
大辟罪以下を皆、赦すこととする。

また、
百姓の課役(かえき)を並びに、
これ免(ゆる)すこととする」
といいました。

この日、
小墾田儛(おはりだのまい)、
及び高麗・百濟・新羅の三つ国の
樂(うたまい)を庭の中で奏しました。



・鴻祚(あまつひつぎ)
天皇位
・天瑞(てんずい)
天のくだしためでたいしるし
・傳聞(でんぶん)
人から伝え聞くこと
・黎民(れいみん)
一般の人民。 庶民。 あおひとぐさ
・課役(かえき)
律令制における課である調と役である傭と雑徭
・小墾田儛(おはりだのまい)
田舞の系統を引く歌舞



(感想)

天武天皇12年春1月2日、
百寮が朝庭で拝礼しました。

筑紫大宰の丹比真人嶋らが、
三足の雀を献上しました。

7日、
親王以下、および群卿までを、
大極殿の前に呼び、
宴会をしました。

かさねて、
三足の雀を群臣に示しました。

18日、
詔して、
「明神として大八洲を統御する
倭根子天皇の勅命を、 

諸々の国司、国造、郡司、
および百姓たちよ、
諸々に聞きなさい。

朕が、
初めて天皇位に登って以来、

天のくだしためでたいしるしが、
一や二つではなく、
数多く現われている。

人から伝え聞くと、
その天瑞は、

行政の理が、
天道にかなうと、

これに、
応えが現れると。

これ今、
朕の世に当たり、
年ごとに天瑞が重なり現われている。

一方では、
恐れかしこみ、

一方では、
喜ばしいと。

そこで、
親王、諸王、
および群卿、百寮、
あわせて天下の人民よ、

ともに喜びあおうではないか。

すなわち小建の位以上に、
禄を与えるが、
各々差がある。

そして、
死罪以下を皆、
許すこととする。

また、
百姓の課役をみな、
これ免除する」
といいました。

この日、
小墾田儛、
および高麗・百濟・新羅の三つ国の歌舞を
庭の中で演奏しました。

明日に続きます。

読んでいただき
ありがとうございました。





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