リートリンの覚書

日本書紀 巻第二十 渟中倉太珠敷天皇 十二 ・百済に使者を派遣する



日本書紀 巻第二十 渟中倉太珠敷天皇 十二

・百済に使者を派遣する



十二年秋七月一日、
詔して、
「我が先の孝(おや)天皇の世に、
属していた、

内官家(うちつみやけ)の国を
新羅が滅ぼした。

(天国排開廣庭天皇(あめくにおしはらきひろにわのすめらみこと)の二十三年に、任那は新羅のために滅ぼされました。故に、新羅が我が内官家を滅ぼしたといったのです)

先の孝天皇は任那を
復(かえ)そうと謀ったが、

果たせずに崩じて、
その志を成すことができなかった。

ここをもちて、朕は、
まさに神謀(しんぼう)を助け奉って、
任那を復(ふたた)び興そう。

今、百済に在る、
火葦北国造阿利斯登
(ひのあしきたのくにのみやつこありしと)の子、

達率日羅(だちそちにちら)は、
賢くて勇がある。

故に、朕は、
その人と相計(あいはか)りたいと思う」
といいました。

すなわち、
紀国造押勝
(きにくにのみやつこおしかつ)

吉備海部直羽嶋
(きびのあまのあたいはしま)とを

百済に遣わして、
喚(よ)びました。



神謀(しんぼう)
神のはかりごと。また、神業(かみわざ)のような巧妙なはかりごと。
・火国(ひのくに)
肥の国(火の国)。古代の九州の地域名の一つ。のちの肥前国,肥後国,現在の熊本,佐賀,長崎の各県に当たる地域を指す。
・葦北(あしきた)
葦北郡(あしきたぐん)は、熊本県(肥後国)の郡。
・相計(あいはか)
相談する。共に企てる



(感想)

敏達天皇12年秋7月1日、
詔して、
「亡き父・欽明天皇の世に、
内官家(うちみやけ)の国・任那を、
新羅が滅ぼした。

(欽明天皇の23年に、任那は新羅のために滅ぼされました。ですから、新羅が我が内官家を滅ぼしたといったのです)

亡き父・天皇は
任那を復興しようと謀ったが、

果たせずに崩じ、
その志を成すことができなかった。

そこで、朕は、
まさに神業(かみわざ)のような
巧妙なはかりごとの助けを送り、

任那を復興させよう。

今、百済に在る、
火葦北国造阿利斯登の子、
達率日羅は、
賢くて勇がある。

であるから、
朕は、その人と共に企てたいと思う」
といいました。

すぐに、
紀国国造押勝と吉備海部直羽鳥とを
百済に派遣して、

日羅をよびました。

任那の復興を目指す敏達天皇。

そのために
百済にいる、
火葦北国造阿利斯登の子、
達率日羅を召喚します。

さて、
日羅は召喚に応じるのでしょうか?

明日に続きます。

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