リートリンの覚書

日本書紀 巻第二十 渟中倉太珠敷天皇 十一 ・蝦夷の叛乱 ・新羅、使者を派遣する



日本書紀 巻第二十 渟中倉太珠敷天皇 十一

・蝦夷の叛乱
・新羅、使者を派遣する



十年春閏(うるう)二月、
蝦夷数千が、
辺境に侵入しました。

これによりて、
その魁帥綾糟(ひとごのかみあやかす)
召して、
(魁帥は、大毛人(おおえみし)です)

詔して、
「これ、
爾(おれ)ら蝦夷は、

大足彦天皇
(おおたらしひこのすめらみこと)の世に、

殺すべき者はころし、
許す者は赦した。

今、朕は、
彼の前の例に従い、
元悪(げんあく)を殺そうと思う」
といいました。

ここにおいて、
綾糟等は、

懼然(くぜん)し、
恐懼(きょうく)し、

すなわち、
泊瀬の中流に下り、

三諸岳(みもろのおか)に面して、
水をすすり、
盟(ちか)って、

「臣等、蝦夷は、
今から以後、
子々孫々、
(古語は云う、生児八十綿連(うみのこやそつづき)と)

清明の心を用い、
天闕(みかど)につかえ奉ります。

臣等がもし、
盟いに違えば、

天地諸神及び天皇靈が、
臣の種を絶滅するでしょう」
といいました。

十一年冬十月、
新羅は、
安刀奈末(あとなま)、
失消奈末(ししょうなま)を遣わして、
調を進(たてまつ)りました。

納めず還しました。



・魁帥(ひとごのかみ)
賊徒のかしら。魁首・巨魁
・爾(おれ)
相手を卑しめていう。貴様。おのれ
・元悪(げんあく)
悪人たちのかしら。転じて、大悪人。元凶。
・懼然(くぜん)
おそれるびくびくする。おそれ
・恐懼(きょうく)
おそれ、かしこまること
・三諸岳(みもろのおか)
三輪山



(感想)

敏達天皇10年閏2月、

蝦夷数千が、
辺境に侵入しました。

これによって、
その賊徒のかしら綾糟らを呼び出し、

詔して、
「これ、おのれら蝦夷は、

景行天皇の世に、
殺すべき者は殺し、
許す者は許した。

今、朕は、
かの前例に従い、
元凶を殺そうと思う」
といいました。

この時、
綾糟らは、

おそれびくびくし、

恐れ、
かしこまり、

すなわち、

泊瀬川の中流に下り、
三輪山に対面して、
水をすすり、

ちかって、
「私ども蝦夷は、
今から以後、子々孫々、

清明の心を用い、
帝につかえ奉ります。

私どもがもし、
盟いに違えば、

天地諸神及び天皇靈が、
私の種族を絶滅するでしょう」
といいました。

敏達天皇11年冬10月、

新羅は、
安刀奈末、失消奈末、を派遣して
調を献上しました。

日本はこれを納めず帰国させました。

前回に引き続き、

日本は、
新羅の献上を拒みました。

昔から
朝廷の意に背き続けてきた新羅ですから、

拒む気持ちが
分からない訳ではないのですが、

今後が心配です。

どうなっていくのでしょうか?

明日に続きます。

読んで頂き
ありがとうございました。


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