弥生から古墳へ
紀元前1世紀頃の列島の様子を、
中国の歴史書
『漢書(かんじょ)』「地理志(ちりし)」
は、こう記述しています。
「夫(そ)れ楽浪海中に倭人有り。分かれて百余国が分立し、なかには漢に朝貢する国もあり」と
その頃の日本列島には
「クニ」と言われる集団が
100以上もあり、
それぞれの地域で自治を行っていた、
ということになります。
時代は下り、
各地方では戦いが繰り広げられ、
統治が進んでいきました。
また、
列島内で覇権争いをするだけでなく、
大陸との関係から
自らの地位を確保しようとする
王も出現しました。
『後漢書』「東夷伝」には
こんな記録が残されています。
「建武中元(けんむちゅうげん)(紀元57年)倭の奴国、貢を奉じて朝賀す。(中略)光武(こうぶ)、賜ふに印綬(いんじゅ)を以す」
倭の奴国の王が後漢に朝貢し、
後漢の王である光武帝から、
倭国の王だと認められた印を授かった、
とあります。
この金印を授かった奴国の中心地では、
中国鏡30枚以上、
武器形青銅器(銅矛・銅剣・銅戈)が
10振以上、
ガラス壁、ガラス勾玉、ガラス管玉など、
目が眩むほどの副葬品があったと言います。
つまり、
金印を授かる前から、
奴国は強大な勢力を持ち、
大陸と交流しいていたことが、
この副葬品をみるだけでもわかるのです。
奴国(なこく)
弥生時代に福岡県博多付近にあったと
考えられている小国です。
・金印
江戸時代に、
博多湾の志賀島(しかのしま)で
農作業中に偶然発見されたと
伝えられています。
1954年(昭和29年)、
国宝(金印)に指定されました。
金印は一辺やく2.3センチ、
重さ108gの純金製。
印面に「漢委奴国王」の五文字が
刻まれていることから、
漢の皇帝が奴国王に与えた
印であることがわかります。
権力の象徴・墳丘墓から前方後円墳へ
弥生時代の特徴のひとつに、
特別なひとり、つまりその集団を支配した、
たったひとりのために、
多くの人々が時間と労力を
つぎ込んで作り上げる、
特別なお墓作りが始まったことが
挙げられます。
これが「墳丘墓」であり、
その先の「前方後円墳」へと続く
源流となるのです。
卑弥呼が眠る墓だとも言われる
奈良県の箸墓古墳は、
最古の前方後円墳です。
このお墓は、
卑弥呼が生きている時から
作られ始めたと考えられています。
水田稲作を基礎に作り上げられた
弥生時代の社会は、
縄文時代とはまったく違う
社会秩序を作り出しました。
争いや身分の差、
持てるものと持たざるものという貧富の差が
ハッキリと生まれたのがこの時代です。
感想
今、日本列島に関して書かれている
中国の歴史書について勉強している最中です。
歴史書を研究している方の本を読むと、
意見が真っ二つ。
中国の歴史書は、
正確に書かれていると主張の肯定派と
いや、
結構いい加減に書かれていると主張の否定派。
個人的には、
否定派ですね。
"倭人・倭国伝全釈 鳥越憲三郎"
では、
『漢書』地理志、
『三国志』魏志・東夷伝・倭人、
『後漢書』列伝・東夷・倭など
六つの中国歴史書の冒頭を比べています。
い〜や、
その六つ、冒頭がほぼ一緒。
実際、日本列島に来て
調べて書いたものではないのが丸わかりです。
そう考えると歴史書を
まるっと信じてよいのか疑問です。
また、歴史書は、
自分の都合の良いよう
捏造したりしていますしね。
そして、
歴史書内の記述に矛盾な点がいくつかあり、
倭人≠日本人では無いのではないか。
倭人=長江文明を担っていた人々の末裔
ではないかと鳥越氏は述べています。
この論、かなり納得。
何故なら、
倭人の風俗に関しての記述が、
長江文明を担っていた人々の風俗と
ほぼ同じだからです。
黥面
(顔のイレズミ)、
断髪
(頭頂部に一房残し、
その他の場所は短く切った髪型)などなど。
つまり、
倭人伝の中の倭人。
その一部は、
日本列島に住んでいた人々のことを
書いたのではなく、
黄河文明の人々におされ、
故郷を追われ四方離散した
長江文明の末裔の人々を書いたものであり。
その人々はやがて日本列島に渡来。
クニを作った。
その人々は、
長江文明の風俗を色濃く残していて、
倭人と呼ばれた。
やがて縄文人と混じり合い
日本国が出来ていったのでは?
ないでしょうか?
個人的には、
渡来した人々が九州に作ったクニが
倭国で、
近畿にあったクニ。
縄文人が集結して作った連合国が
邪馬台国=大和政権ではないかと
妄想。
さて、弥生時代シリーズ。
今日でとりあえず終了です。
ちょっと時間がなかったので
銅鐸、纏向遺跡など調べきれなかった。
こちらは、
気になるのでいつか詳しく調べていきたい。
その際には、記事にしたいと思っています。
今日はこの辺で。
最後まで読んで頂き
ありがとうございました。
参考)
・知られざる弥生ライフ 著者 譽田亜紀子
監修 大阪府立弥生文化博物館
・中学生の歴史 帝国書院
・中学 諸説用語&資料集 社会 受験研究者
・日本史B
・日本国紀 百田尚樹 幻冬舎
・倭人・倭国伝全釈 鳥越憲三郎