リートリンの覚書

日本書紀 巻第十六 小泊瀬稚鷦鷯天皇 四 ・真鳥を討つ ・真鳥の呪い



日本書紀 巻第十六 小泊瀬稚鷦鷯天皇 四

・真鳥を討つ
・真鳥の呪い



冬十一月十一日、
大伴金村連
(おおとものかなむらのむらじ)が、

太子に語って、
「賊の真鳥(まとり)を撃つべきです。
請います。討ちましょう」
といいました。

太子は、
「天下はまさに乱れようとしている。
世に稀なすぐれた雄でなければ、
済(はた)すことはできないだろう。

よくこれをみたす者は、
連であろう」
といいました。

すぐさま共に謀を定めました。

ここにおいて、
大伴大連は、
兵をひきいて自ら将となり、
大臣の宅を囲みました。
火を放って焼きました。

指揮するところは、
雲の如くなびきました。

真鳥大臣は事がならないのを恨み、
身の免かれがたいことを知りました。

計は窮して、
望は絶えました。

ひろく塩を指して詛(のろ)いました。
遂に殺されました。
子弟にも及びました。

詛う時、
ただ角鹿(つぬが)の海塩だけは忘れて、
詛いませんでした。

これによりて、
角鹿の塩は、
天皇の所食(おもの)とし、

余の海の塩は、
天皇の所忌(おおみいみ)としました。



・所食(おもの)
食料
・所忌(おおみいみ)
食べられないもの



(感想)


真鳥大臣は自らが、日本の王になろうと思っていました。
太子の為と偽り宮を造営した後、自らがその宮に住み。
また、太子が馬を準備してくれと要請しますが、返事はしたものの、馬を準備せず。
と、太子を蔑ろにしてきました。

仁賢天皇11年冬11月11日、

大伴金村連が、
太子に語って、
「賊の真鳥を撃つべきです。
どうか、討ちましょう」
といいました。

太子は、
「天下はまさに乱れようとしている。
世に稀な勝れた英雄でなければ、
事を果すことはできないだろう。

よくこれをみたす者は、
連であろう」
といいました。

すぐさま共に謀を定めました。

ここにおいて、
大伴大連は、
兵を率いて自ら将となり、
大臣の宅を囲みました。
火を放って焼きました。

指揮するところは、
雲の如く、人がなびきました。

真鳥大臣は
日本の王となる野望を
果たせない事を恨み、

また、
死から逃れられないことを知りました。

計は窮して、
望は絶えました。

そこで、
広く塩を指して詛(のろ)いました。

そして、
遂に殺されました。
その殺戮は、
子弟にも及びました。

詛う時、
唯一、角鹿(つぬが)の海塩だけは忘れ、
詛いませんでした。

これによりて、
角鹿の塩は、
天皇の食料とし、

余の海の塩は、
天皇の食べられないものとしました。

ついに、
平群真鳥も討伐されました。

まぁ、
公のものを私物化した時点でアウト!
自業自得かな。

さて、
賊を平定した太子の今後は…

明日に続きます。

読んで頂き
ありがとうございました。


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