『ミナトホテルの裏庭には』で寺地はるなさんを知り、お気に入りの一冊となったので、
遡って一つ前の著者デビュー作品である『ビオレタ』を読んでみました。
う~ん、好きです(*´ω`)
あらすじから。
婚約者から突然別れを告げられた田中妙は、ひょんなことから雑貨屋「ビオレタ」で働くことになる。
そこは「棺桶」なる美しい箱を売る、少々風変わりな店だった……。
人生を自分の足で歩くことの豊かさをユーモラスに描き出す、心にしみる物語。
ミナトホテルでもそうだったのですが、
ところどころで、ちょっと泣きそうになるんですよ。。。
(あ、最近ちょっと何かと涙もろくなっているかも…笑)
ふっと心が軽くなるような、そんな感じ。
あ、こんな言葉をかけてもらいたかったんだな…って気付くこともしばしば。
フフと笑ってしまうようなユーモアもあるんですが、軽すぎず重すぎずで、
私にとってはちょうど良いのですよ。
「棺桶」なる美しい箱を売る雑貨屋、しかも女性の店主がちょっと変わり者。
お客さんは、行き場のない思い出や記憶をその棺桶に入れ、庭に埋めます。
その店で働くことになった妙ちゃんが、これまたいろいろ抱えていて、
他人から見れば大したことじゃないでしょということでも、
本人はウジウジといつまでも悩んだり不機嫌になったり不安定になったり。
変わり者だけど本当は優しい人たちに囲まれているうちに、
妙ちゃん自身ちょっとだけ成長します。
最初は周りの人たちを羨んだりして、ますます自分がダメ人間に感じられた妙ちゃんですが、
最終的には自分の足でしっかりと立って歩きだしています。
店主の菫さん、菫さんの元夫で今は妙ちゃんとお付き合いしている千歳さん、
菫さんと千歳さんとの子供である蓮太郎くん、そして棺桶を買い求めるお客さん、
みんなちょっと風変わりですが魅力的です。
みんな魅力的だけど、それぞれ行き場のない思いを抱えていたり、
弱さを見せないようにしているというところに気付けた妙ちゃん。
あと、家族と気持ちのすれ違いがあったのも、
自分の心持次第というところにも気付けたのかな~。
本音って家族でももしかしたら言わないもんだし、
だから勝手にいろいろ推測して余計こじれたりするんだよね~。うん。
お父さんと会話するところでジーンと来ました。
心にしみるストーリーをお求めの方にはお勧めしたい一冊です。
先日、友人に冒頭読んでもらったら、ちょっとびっくりしていましたけど(^^;)
病みそうになったら(それじゃ遅いか!)、読みたい本です(笑)
最新の画像もっと見る
最近の「BOOK」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事