息子、初のクッキー作りの巻

夜9時過ぎに打ち合わせ先から帰宅すると、台所とリビングに、お菓子作りの器具や材料が点在している。

「母さん、薄力粉がどこにあるか、何度もメールしたのに～」

「ごめんごめん。これから作るの？」

「……」

ihoneのネット情報を見ながら、材料を計り始めている。

この調子じゃ、夜中までかかるな。

「30分でできるクッキーだから」

2時間かかりました。

洗い物が山のように台所シンクにたまっています。

片付けの前に、自分の夕食を軽く済ませる。

息子がバターと砂糖をこねているのを横目に、アイロンがけをする。

1時間後、PCに向かっていると、出来上がりを持ってきた。

バターをふんだんに使い、丁寧にクッキータネをこねているので、自分が作ったものより美味しい。
初めて作ったのに、偉いなあと。というより、自分はいかにいい加減に作っているか、に気づく。
クッキー作り経験30年の名がすっかり泣けてしまった。

だからもっと美味しいお菓子を作ろうという気にもなれず、これから息子が作ってくれれば良いなあ。
どんどん自分で決めて調べてやっていく息子の成長に嬉しくもあり、すこーし、寂しくもあり。
自然、時の流れだね。
健やかな息子の成長に感謝。