Daryl Hall & John Oates、彼らほど、現在の評価が不当なグループも珍しいのではないか?
マイケル・ジャクソンが「キング・オブ・ポップ」などと称されるのには違和感しか感じない。
アルバムで言えば、通して聴けるのは「オフ・ザ・ウォール」「スリラー」「BAD」の3枚しかない。
パフォーマンス含めれば偉大だが、純粋に音楽的に考えると、彼の曲で心踊ったことはない。
言うなれば、キング・オブ・コマーシャル。僕から見れば、商業音楽のトップでしかない。
マイケル・ジャクソンて、当時は聴いているのが恥ずかしい、いや、好きというのがはばかられるアーティストだったのだ。
その後の幼児虐待で、リアルタイムの人間はすべからく離れた。
それが、彼の死後、レーベルの力によって持ち上げられ、伝説化された。
対してホール&オーツは、1972年のデビュー作「Whole Oates」から1988年の「Ooh yeah!」まで、すべてが傑作で外れなし。
ジョン・オーツのパフォーマンスはどこかコミカルだが、楽曲はどれもCOOLなのである。
80年代ポップスで、ホール&オーツとプリンスが私にとっては2大巨頭。
そして、そのかっこよさはいまだ色褪せない。
残念ながらホール&オーツは生きているがために伝説化されていないし、プリンスは亡くなってもマイケル・ジャクソンより偉大であるという扱いは受けなかった。
さてさて、そんなホール&オーツの好きなアルバムをランキングしているサイトをたまたま見つけた。
これが、自分の中の評価とは全然違っていて面白かった。
そこで、自分の中のベスト10と寸評をWEBに残しておきたいと思った。
どのアルバムも傑作なので、出会い方や思考によって順位がバラバラになるのは当然のことだ。
僕は日本語タイトルが嫌いなので、すべて原題で書いておく。
1位 Private Eyes
レコードで言うと、B面の流れが完璧。
2位 War Babies
プロデューサーのトッド・ラングレンを切り口に語られがちだが、そんなこと抜きにして、徹頭徹尾最高にクールで色褪せない作品。
3位 Big Bam Boom
A面1曲目からブチ上がり、最後のジョン・オーツ曲でしっとりと締めくくられる。
4位 H2O
一聴するだけでは単調にさえ思えるのだが、不思議と何度も聴きたくなり、いつのまにやら虜になってしまう不思議な魅力。
5位 Beauty on a Back Street
アルバム根底に流れるダークな雰囲気がかっこいい。
トータルな空気感が一貫している点では、H2Oに並ぶ傑作。
6位 Along The Red Ledge
とにかく佳曲揃い。疑似ステレオの録音技法が使われていたり、敢えて古臭い音作りになっているが、それを含めて心地よい。
7位 Daryl Hall & John Oates
セルフ・タイトルを冠したRCA移籍第一弾アルバム。
ソウルの要素が強いが、それは元々彼らのルーツにあるもの。
どちらかと言うとロック・ダンスの要素が強いアルバムの方が好きだが、この作品はジャンル的考察など受け付けない完成度だ。
8位 Voices
80年代における彼らの躍進の始まりを告げた記念碑的作品。
9位 X-Static
次作「Voices」で原点回帰要素を取り入れて快進撃を実現する彼らが、その直前に放ったPOP作品。
売れたいと言う思いが伝わってくる、軽くて世間に迎合したかのようなサウンド。
しかし、楽曲自体のクオリティーがすこぶる高い。
10位 Ooh Yeah!
80年代における彼らの快進撃の終わりを告げた作品。
どことなく漂う停滞感に寂しさを禁じ得ないが、楽曲自体はクオリティーを保っている。
期待に応えることはできたが、超えることができなくなってしまった感じ。
日本の東京ドーム公演では桑田佳祐をゲストに呼ぶという苦し紛れの愚行さえ。。。
ベスト10から外しても構わないアルバムなのだが、僕は彼らを否定できなくて当時何回も聴いた。
思い出加算でランクインさせた。