ずっと以前、有吉佐和子さんの
「恍惚の人」が、衝撃的だったのを思い出す。
あの頃は、痴呆症と言っていた。言葉が良くないから認知症に変わって久しい。
母の認知症は、少しずつ進んでいるような…
時々、正気に戻るのか驚くようなことを言う。
私がいろいろ仕事をしていると、
「夜中に何度も起こされるから、今のうちに寝ておいた方がいいよ」
う~ん、誰が起こすかわかってる?
湯タンポやアンカやいろいろ工夫しても
「寒い、寒い。子供らの愛情だけじゃ暖まらない」
愛情は感じてるわけだ…
先日、なんとも不憫になったつぶやきは、
「このまま、この家でお世話になっていていいのかなー」
7年前、父がなくなって、兄夫婦のいる実家から、わけありで、
私のところに来たわけだが、ずっと住んでいた家を思いだしたのだろうか。
この家は、お母さんが住んでいる家だから、ずっーといていいんだよ、といったら、
「ここは、私の家じゃない」
と言う。
じゃあ、どこなの? と聞くと
「わからない」
10月に草津に行ったとき、
草津白根で撮った雲海の写真
母の頭の中は、こんな感じなのかなーと思った…
いろいろ家の中を片付けたら、
以前に作った人生時計が出てきた。
人の一生を1日にたとえた時計だ。
私の場合、午後9時。
そろそろ眠くなるけど、静かに読書をするのに最適な年齢かもしれない。
でも、これは80歳寿命で作ったからねー
母は、もうすぐ99歳。
人生時計を作り変えた方がよさそうだ。