「二百十日」
立春から数えて二百十日で、
そのあたりは風が強いので注意しなければならないということで、
雑節(二十四節気以外の暦日)になっているそうです。
ちなみに今年の二百十日は8月31日。
というわけで、題名に惹かれて漱石を購入。
豆腐屋の圭さんと連れが阿蘇に投宿しそこで繰り広げる対話形式。
ただただ湯に入って、
美味しいものをいただいて、
褞袍でその辺散歩、
とはいかないのが漱石流。
一介の豆腐屋の圭さんが社会批判を繰り広げ、
翌日二百十日の強風すさぶ中、
自らの革命精神を阿蘇のマグマに投影すべく登ったはいいが、
途中道に迷い、深い穴におち、
生爪はがすケガまでして・・。
1906年の作だから
明治維新から38年、
フランス革命からは117年。
西南の役は1877年だから
それからは29年かー。
「御一新とはいうけど、なんとなーく不公平なんじゃね?」
っていう社会の不満がぶすぶすしてたんだろうなというのは
よくわかるお話でした。
題名に惹かれ読み始めたけど、
革命、華族、金持ち、社会の悪徳などという語句にメンタルが柔なワタシは鼻白んでしまい・・・。
が、主題ははっきりしていたので読みやすかったです。
ちょっと賢くなれたかしら?
漱石さんには思慕の念を感じますね。