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「あるものをない」という国家や行政はおかしい、と国家100年の計から立ち上がった前川前次官に「官僚たちの夏」をミタ

安倍VS朝日戦争勃発 首相「加戸発言、朝日は報じていない」ー朝日反論、産経は同調、加計疑惑

2017-10-09 13:24:20 | 日記
8日の日本記者クラブ主催の党首討論会で安倍晋三首相は加計学園の獣医学部新設を巡る疑惑で、朝日新聞の論説委員に「加戸(守行・前愛媛県知事)さんの証言を朝日は報じていない」と批判しました。安倍VS朝日新聞の戦争勃発です。
自分に都合が悪い質問をされると逆ギレして攻撃的になる安倍節の復活で、一連の加計疑惑の追及を受けた7月の都議選の大敗後に「国民に真摯に説明責任を果たす」とおとなしくなっていたのは表面的だったことが明らかになりました。これに対し、朝日新聞は反論、産経新聞は同調する記事を展開しています。

安倍VS朝日で実際にどのようなやり取りがあったかを知るのは実際の映像を見るのが一番でしょう。
朝日新聞)衆院選2017衆院選 討論会の全映像

(写真は朝日新聞の「衆院選2017衆院選 討論会の全映像」の1時間34分8分の瞬間をキャプチャー
ここの1時間32分53秒から朝日新聞の坪井ゆづる論説委員が下記のように質問します。再生してください。一部を書き起こしました。

(1時間32分53秒)
朝日新聞の坪井ゆづる論説委員「朝日新聞で丁寧な説明が十分でないというのは79%、9月の段階でですね、先ほど安倍さんは国会を見てきた方はだいたいわかってもらったのではないかとおっしゃったんですが、実は私は7月の閉会中審査で安倍さんが加計学園が今治で特区になったと知ったのは1月20日だっと、あの証言で逆にびっくりして、それまで知らなかったというようなことはないだろうというふうにみんなの疑念が膨らんでいるんですね。イエス、ノーでここだけは教えていただきたいんですけど、本当に1月20日だったということをこれからもおっしゃり続けるわけですね?」

(#この質問に答える前に、安倍首相による朝日新聞批判が始まります。琴線に触れる質問だったので、相手を攻撃する形で誤魔化そうとしているのだと思われます)

安倍首相「あの、まずですね。朝日新聞は先ほど申し上げた八田さんの報道もしておられない」
坪井論説委員「してます」(語気を強めて)
安倍首相「いや、ほとんどしておられない。しているというのはちょっとですよ、ちょっとですよ、ほんのちょっと(会場から失笑)。アリバイ作りにしかしておられない」
安倍首相「加戸さんについてはですね、証言された次の日にはまったくしておられない」
坪井論説委員「しています」
安倍首相「批判があったから、批判があったから投書欄等で載せておられますが」
坪井論説委員「いやいやそこはちょっと」
安倍首相「これはしかし、大切なことですからぜひみなさん調べていただきたい。胸を張って(八田さんや加戸さんの発言を報道)していると言うことができますか?」
坪井論説委員「はい。はい。できます」
(#ここでキャプチャーした安倍首相の笑顔)
安倍首相「これは是非、国民のみなさんにですね、新聞をよくファクトチェックをしていただきたいと思います」
坪井論説委員「了解です。じゃあ」
安倍首相「今の答えについてはイエスです」

坪井論説委員による次の質問(同じ閉会中審査で安倍首相の加計さんについての発言について問いただす)は省略=映像をご覧ください

安倍首相は朝日の報じ方について、詳細をそらんじられるくらい頭に入っているようです。一国の宰相として、北朝鮮問題以上に、よほど気にしていることがわかります。

このやり取りについての新聞各社のやり取りは下記の通りです。
まず、この問題では中立的な(ややリベラル)の共同通信社の記事
首相、加計報道で朝日批判 気色ばみ「チェックを」(中日新聞=記事は共同通信社)

これに対する、当事者の朝日新聞、同じく加計疑惑を鋭く追及してきた毎日新聞の記事
朝日)首相「朝日ほとんど報じてない」 紙面、10回以上掲載(2017年10月8日22時03分)
毎日)気色ばむ首相、朝日批判 加計問題で応酬(2017年10月8日 23時07分)

右翼思想を旗印にしている産経新聞の安倍首相発言に同調する記事(ブログ筆者の意見=もはや報道機関に値しない)
産経)朝日と毎日は「ゆがめられた行政が正された」との加戸守之前愛媛県知事発言取り上げず(2017.10.8 18:56)

当ブログ筆者は閉会中審査のNHKの中継を聞いていましたが、加戸さんの発言は内容がなく、報じるに足らないと感じました。全体をどう報じるかは報道の自由で、そもそもメディアは発言の全て垂れ流すことが必要だという安倍首相の発想そのものが、自分に都合に悪い報道は排除したいという本音が見え隠れしています。

前川喜平さんは権力への迎合はメディアの堕落だとインタビューで答えています。
権力への迎合はメディアの堕落でしょう 健全な批判精神がジャーナリズムの命だ (前川喜平 前文部科学事務次官)(2017年09月22日)