TVの前で猫を撫でていた。俺んちには農家で6人だ。
この辺の農家では、多い家族構成ではない。
夕飯の食事を済ませて、
テレビを見ていると猫が「ニャ~」
と寄ってくる。
「お~い、いるか?」と友達が猫の子を見にきた。
その為に来たのか!?
一:隣の部屋だ!
ケン:分かった。
可愛い奴がごろごろといる。
何かエサはないか?
一:エサね!
ケン:食うやっだよ。
一:冷蔵庫だ。
ケン:お前んちに冷蔵庫はあったけ!
一:俺んちは風通しがいいもんで、自然の冷蔵庫だ。
ケン;あ~、わかった。
この皿の中に牛乳を入れていると
あれ~、溢れちゃった!
もったいない。
誰もいないなぁ~、ペロ~ペロ。
一:何をやっているんだ。
お前、猫か?
ケン:テーブルの上だから汚くない。
一:ほら~よ。これを使え!
自動掃除機だ。
お~、どこを持っているんだ。
ケン:しっ尾を持つとイテ~だろう。
猫を両手で抱えてテーブルの溢れた牛乳を
ペロ~ペロ~とあとかたずけ!
一:チョッと牛乳を飲ませてやってくれ。
ケン:あ~!
ほら~よ、猫をかえす
しっ尾をもって、ギャ~手をやられた!?
イテ~!
このヤロ~!
子供にオッパ~いをチュ~チューと吸わせている。
猫の親子の愛には勝てねぇー!
猫子のところから離れて、一ちゃん何をしている。
一:テレビを見ている。
ケン:あ~!
ポ~いと(腹の上にネコをホリ投げる)
目をツブったまま、手さぐりに腹のあたりを
触ってみるとネコだ?
フワーフワ~している感触がいいなぁ~!
目を開けて見るとネコか?
急に起きて、ビックリするじゃないか!?
一:ほら、ネコを貸して見ろよ!
ネコを抱えて逆にして下降!?
ケン:待て死ぬ・・?
あ~れ・・!
すごくカッコいい!
なんで上手く着地できるのだ。
一:俺れにも貸してくれ。
ケン:ポ~い。
この高さの限界は10cmか?
一:う~!?
この手の親指と人差し指の間隔か?
やはり無理か。
ケン:15cmだ。
逆さに向けて、今から15cmに挑戦か。
シ~だまってろ!
周りには誰もいないな。
一:ナンでだ!
日本動物愛好協会でもチクラたら
あとがマズいことになる!
この辺が10cmだから、これ位でいいか?
ケン:この辺だなぁ~!
ま~待て。
手を放す奴が胸がドキドキしてきた。
一:今だ手を放せ!?
ネコ:ギャ~ン!
着地に大失敗です
オリンピックの大選手も、この高さではムリだったんですね!
一:やはり無理だったか。
ネコが俺んちを見て、足をギッコンばったんしている
お前なぁ~、痛いのは背中だ。
強い~~い、シツケをしてやる!
親:「目が開かないうちに、ネコを捨ててこい」と言ってきた。
ケン:オヤジ、白状もん!
オレは帰る、お前んちの問題だ。
バカヤロ~!
一:ほんとうにお前捨てるのか
人間が生きていくためだ。
やるしかない!
涙を流しながら、この世のセガラみの中では
やらなければ生きていけない!
手を震えながらも、一匹のネコを
川の中へポーいと捨てる。
ケン:「ポ~い」と川の中に飛び込み
ネコを天高く上げて
俺にはムリだ、小さな命がオレの心に伝わる。
これてやっちゃいけないのだ!?
今まで楽しく遊んだ仲なのに
俺たちは、友を見捨てるのかぁ~。