蔵王歌集 氷の花より
頂上に近づくにつれ ことばはむなしく
もどかしくなり
ついに口をつぐむのである
潅木帯を出たとたん
遠い山脈がせりあがってくるし
谷はふかくなり
這松林も身をすぼめて
まひるもしずくを垂らすのである
ひとりずつしか通れないこの路で
きみも急に遠くなった
距離を埋めることが全部となった
崖のうえのソロバナシャクナゲや
路傍のイワカガミの花にみる
位置や
かたちや
色彩や
香気や
の限定と規律は聖いとでもいうほかはない
ばくらは絶えず過ぎゆくものである
くりかえしがないのである
ばくらは燃え かつ消えはてるだろう
山はのこるだろう
ぼくらにあるのはただ還ることのない日日だけである
きみの惜しむもの
ぼくの湛えこんだものは
この登攀に賭けるほかないだろう
頂上に近づくにつれ ことばはむなしく
もどかしくなり
ついに口をつぐむのである
潅木帯を出たとたん
遠い山脈がせりあがってくるし
谷はふかくなり
這松林も身をすぼめて
まひるもしずくを垂らすのである
ひとりずつしか通れないこの路で
きみも急に遠くなった
距離を埋めることが全部となった
崖のうえのソロバナシャクナゲや
路傍のイワカガミの花にみる
位置や
かたちや
色彩や
香気や
の限定と規律は聖いとでもいうほかはない
ばくらは絶えず過ぎゆくものである
くりかえしがないのである
ばくらは燃え かつ消えはてるだろう
山はのこるだろう
ぼくらにあるのはただ還ることのない日日だけである
きみの惜しむもの
ぼくの湛えこんだものは
この登攀に賭けるほかないだろう
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