すがしいめざめを 誰に告げよう
カーテンを染めるオレンジの光を剥ぎとると
窓ガラスいちめんにちりばめた氷の六花紋
に思わず「ああ」と声をあげて
やがてその窓をひらいた
ランタンの灯はすでに
晩夏の蛾のように
私の背に萎えていたろう
湖は凍てついている
風もない
私は
めざめた瞼の奥に閉じこめる
孤独の朝の愛の花紋を
山小屋を出ると
木々の枝に咲いている氷の花びらがきらめき落ちて
まつ毛をくすぐった
白い珊瑚(さんご)林の向こうに
けわしい峯が曙光を染めている
青い二月の朝空
谷川の氷の下で
荘厳ミサの鐘が鳴っている
もう在りのままであるほかない
私の歴日に
人の踏んだ道はすでに絶えている
悲哀の皺すら凍るだろう
日日の決別
煤煙に汚れた雪の地平に
霧氷の林をくぐり
きょう私は峠を越える
カーテンを染めるオレンジの光を剥ぎとると
窓ガラスいちめんにちりばめた氷の六花紋
に思わず「ああ」と声をあげて
やがてその窓をひらいた
ランタンの灯はすでに
晩夏の蛾のように
私の背に萎えていたろう
湖は凍てついている
風もない
私は
めざめた瞼の奥に閉じこめる
孤独の朝の愛の花紋を
山小屋を出ると
木々の枝に咲いている氷の花びらがきらめき落ちて
まつ毛をくすぐった
白い珊瑚(さんご)林の向こうに
けわしい峯が曙光を染めている
青い二月の朝空
谷川の氷の下で
荘厳ミサの鐘が鳴っている
もう在りのままであるほかない
私の歴日に
人の踏んだ道はすでに絶えている
悲哀の皺すら凍るだろう
日日の決別
煤煙に汚れた雪の地平に
霧氷の林をくぐり
きょう私は峠を越える
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