蔵王歌集 氷の花より
峠は決定をしいるところだ
峠には訣別のためのあかるい憂愁がながれている
峠路をのぼりつめたものは
のしかかってくる天碧に身をさらし
やがてそれを背にする
風景はそこで綴じあっているが
一つを失うことなしに
別個の風景にはいってゆけない
大きな喪失にたえてのみ
あたらしい世界がひらける
峠にたつとき
すぎ来しみちはなつかしく
ひらけくるみちはたのしい
みちはこたえない
みちはかぎりなくさそうばかりだ
峠のうえの空はあこがれのようにあまい
たとえ行手がきまっていても
ひとはそこで
ひとつの世界にわかれねばならぬ
そのおもいをうずめるため
たびびとは
ゆっくり小便をしたり
摘みくさをしたり
たぼこをくゆらしたりして
見えるかぎりの風景を眼におさめる
峠は決定をしいるところだ
峠には訣別のためのあかるい憂愁がながれている
峠路をのぼりつめたものは
のしかかってくる天碧に身をさらし
やがてそれを背にする
風景はそこで綴じあっているが
一つを失うことなしに
別個の風景にはいってゆけない
大きな喪失にたえてのみ
あたらしい世界がひらける
峠にたつとき
すぎ来しみちはなつかしく
ひらけくるみちはたのしい
みちはこたえない
みちはかぎりなくさそうばかりだ
峠のうえの空はあこがれのようにあまい
たとえ行手がきまっていても
ひとはそこで
ひとつの世界にわかれねばならぬ
そのおもいをうずめるため
たびびとは
ゆっくり小便をしたり
摘みくさをしたり
たぼこをくゆらしたりして
見えるかぎりの風景を眼におさめる
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