子は親を想う。

兄の17回忌。

説法で『親より先に逝った子は死んでからも親を支えるんですよ。』と。

死後の事はわからないけど、

多分、私達家族の事は気にかけていると思う。




兄の話になった。

父親が『俺の言う事を聞いてる間は良い子だったのに、グレやがって。』と。

はぁ.....。

ここにきて、こんなセリフを聞くとは思わなかった。

『お兄ちゃんはお父さんの期待に応えようと必死だったのに！！』と、

思わず声を荒げてしまった。

殴られても、罵倒されても、父親の想いに応えようと頑張ってた兄。

それを小さな頃から、私はイヤと言うほど見てきた。

父親の期待は大きく、

でも、それは世間体だったり、子供の評価を自分の評価に置き換えて、

追い込んだ。

自分の為じゃないと気づいた兄はグレた。

『俺が笑われる。』

『俺が恥をかく。』

『俺が.....俺が.....。』

子は自分の為の道具でも所有物でも無いはずだ。

自分の事を思ってじゃないとわかっていても、

それでも、

子は親を想い応えようとしたのだ。



なぜ兄がグレたのか？

なぜ私が家に帰らずに友達の家を転々としたか？

なぜ妹が結婚に夢を持てないのか？

考えもしないんだろうな。

そんなんで『家族再構築』だなんて、笑える。




そんな親なのに、

気にしてしまう自分がイヤだ。